春が来る | いつかきっと白い翼!!

いつかきっと白い翼!!

Where flowers bloom so does hope.

今敏監督の『千年女優』が2週間限定のリバイバル上映となっていましたー。ヽ(=´▽`=)ノ ←大きな地震で劇場が閉鎖されてしまい、間に合わなかった人。

 

2001年、今敏監督の2作品目にして、ドリームワークスの配給で世界上映され大絶賛。国内でも『千と千尋の神隠し』と文化庁芸術祭アニメーション部門を同時受賞、知る人ぞ知る・・・という枠では収まりきらない超弩級の傑作と言えるのではないでしょうか。

 

Youtubeで検索すると、この映画の評価が分かるかと想いますが、国内の実写映画監督、女優、アニメが好きな人達が大喜びで称賛しているのですよねー。(。>﹏<。)

 

アニメ映画の新境地を切り拓き、後にも先にも二度と同じ作品が作られることのなかった・・・今敏監督と精鋭スタッフだけが作り得た、究極の映像の万華鏡の世界へようこそ。

このブログを見るような好奇心の強い人に、生涯で一度は体験してみてほしいと想います。(おわり)

 

 

<以下、読まなくても良い内容です>

関東大震災のときに生まれて、父を亡くしながらも逞しく生きている主人公は、女学生のときに偶然出会った画家(鍵の君:きみ)を追いかけるために、映画の世界に女優として飛び込み、広い世界を旅することになります。

ちなみに、関東大震災とは1923年9月1日に発生したマグニチュード7.9の大地震。およそ100年前の出来事です。(。>﹏<。) そのときの震災の瓦礫を埋め立てて作られた公園が、横浜にある山下公園なのだそうです。とてもキレイな景色ですが、儚くも長い歴史があるのですね。

特別な魅力があるわけでもなく、どちらかと言えば目立たないタイプの主人公。しかし鍵の君を追いかけるために、自分の胸のうちに秘めている想いを全力でぶつけていくことで、自分だけの世界観を確立して、観客をも大いに巻き込み、未来への活路を切り開いていきます。

 

都会に住むことの一番の贅沢は演劇を鑑賞できることに尽きると想うのですが。空想の中の物語を、演じる人と観客が強く共有することで、同じ世界感を共有していくことができる。

何かを演じるということが、自分の人生をこれ以上ないくらいに正しく説明してくれる。それこそが、自分の生きた証になってくれる。

主人公が何を想い、何を演じようとしていたのか。誠実な回答を観客に示してくれているように感じました。

 

今敏監督の第1作品目『PERFECT BLUE』では、他人の偶像から自分の人生を取り戻して、自らの意思で前に進んでいく女性像が表層的には描かれていました。しかし実際には創作活動における心の葛藤と成長が真のテーマで、本当の意味での女性の成長は描かれていないようにも想います。

 

今敏監督は、鑑賞のリアクションを凄く気にしているタイプの人のように想うのですが、特に反響の大きかった海外の人達に届けたいという気持ちが強かったのだろうなと。鑑賞しているときに伝わってくるのですよね。(。>﹏<。)

 

前作では描ききれなかった・・・人として生きてくことの困難さ。それに打ち勝つために一番必要なことは、次々に襲い掛かってくる障害にも負けず、前に進み続ける気持ちを捨てないこと。

 

人生でいちばん大切なものを追いかけ続けて、自分の気持ちを黄金のように輝かせ続けることが、人生そのものだったと言い切れる。素敵すぎると想います。

 

巻物に描かれるような時代から、地球すら飛び出して・・・千年の時を超えて遠くの世界に旅に出ようとする主人公の姿が峻烈ですねー。ヽ(=´▽`=)ノ

 

何が真実か嘘なのかを見極めたい気持ちを置き去りにしていくラストシーンで幕を閉じるのでした。

 

この作品の秘蔵品もいくつかあったと想うのですが。

地震の影響で、荷物が総崩れとなってしまい。どこに仕舞っているのかも分からない有り様。(。>﹏<。)

想い出は心の中に大切に保管されているので良いじゃないかと。最近はモノには執着しなくなってきたのかもしれないですねー。(o・ω・o) ←保管庫を用意していないだけですが。

 

今敏監督は、実は北海道の出身なので・・・雪国の人の思考回路をしているなと感慨深いものがあります。人の想像力の坩堝で、人や物が集まり、良いアイデアがあれば・・・すぐに形にすることができる。そして形にしなければならない大都会の世知辛さに対するため息にも似た言葉が溢れている。初めて作品を鑑賞したときに、くすっと笑ってしまいました。ヽ(=´▽`=)ノ

 

夢をすぐに形にしなければいけない都会では決して口にしてはいけない言葉で、雪に閉ざされた世界に住んでいる人はたまに脳裏に浮かんでしまうのですね。

 

その言葉の後ろには・・・。

このブログの意味は、2つの言葉を足しているのです。ヽ(=´▽`=)ノ

嘘のように、人には信じてもらえそうもない美しい言葉を並べて、やがて来る瞬間を待つ。

誰に共感して貰う必要もなく、自分の気持が少しでも前に行こうと想うための、雪国の人が心の中に秘めている言葉なのでした。