とと | いつかきっと白い翼!!

いつかきっと白い翼!!

Where flowers bloom so does hope.

さかなのこ(2022年9月上映)、前評判の高さに違わない素晴らしい作品でした。ヽ(=´▽`=)ノ

 

簡単に説明すると、

さかなクンの自伝的エッセイを原作として、主人公のミー坊が「さかなのこ」に成長するまでを描いたハートフルな物語。

予告編に一切の虚飾がなく、映画のスタートからゴールまで、自分の人生を誠実に生きていく様子が微笑ましいのですね。ヽ(=´▽`=)ノ

そういう作風が好きな人、予告編の先が気になる人にはオススメしておきます。(終わり)

 

 

<以下、読む必要のない文章です>

ミニシアター系の作品、その魅力を久しぶりに鑑賞できた満足感があります。(。>﹏<。)

今作のテーマは、とてもシンプル。

何かを好きになり、それを追いかけていく人生は尊いということ。

 

子供の頃、何かを好きになり、夢中で追いかけていた時代が・・・誰にでもあったと想う。

自分の目で実際に見ることのできた、生まれて初めての鮮烈な体験。

何かを好きになるということは、その熱量を持ち続けるということ。

歴史の教科書に名前が刻まれるような学者や偉人は、夢中で何かを追い求め、駆け抜けていく生涯だったのでしょう。人生が一瞬のように感じられるのかもしれません。

スカイブルーの魚たち

今作の魅力は、日常生活としての空気感。

魚が大好きな主人公の周りの人物を、丁寧に描いているところだと想うのです。ヽ(=´▽`=)ノ

学校で一番のアウトローを自称している不良の総長から見ても・・・。学校を抜け出し、魚を釣ることにしか興味が持てない主人公の異様さに言葉を失ってしまいます。

遠からぬ将来、社会からドロップ・アウトしてしまうのは果たしてどちらなのか。

自分たちが社会にどれほどの不満を持っていようとも、主人公の危うさには遠く及ばない。

しかし、魚にしか興味のない主人公は、人を正しく観察したり評価する能力にも長けています。

敵意が全く感じられず、人として同じように接している主人公に対して、相手より生物として上か下かを敏感に感じ取るセンサーの鋭い不良達の戸惑いの描写が・・・監督の人間観察力の素晴らしさを感じずにはいられません。

人は、自分の力では対処できないものに対して、正常性バイアスが発動してしまうのですね。

ひとりで突き抜けて行動していく主人公の周りの空気を、正常なものとして丸く収めようと協力していく様子が・・・凄い作品を観たと感じてしまうのです。(。>﹏<。)

ふく

人が成長して、社会で生きていくために獲得していく能力の最終形態が「普通の大人」になることだったとして。

何かを好きになり、それを追いかけることができる人の最終形態を「さかなのこ」と呼んでいるように、感じてしまうかな。ヽ(=´▽`=)ノ

 

主人公のミー坊を演じているのが、映画俳優「のん」さん。ヽ(=´▽`=)ノ

『あまちゃん』、『この世界の片隅に』で、困難の連続でも明るく生きていく役柄が素晴らしいと想うのです。

今作では、普通の人生を目指していくほどに不自由で苦しくなっていく主人公の儚さを、今を生きる人達に正しく伝えることができる。これほどの適材はいないと感じました。(。>﹏<。)

 

実は・・・劇中で、原作の主人公であるさかなクン本人が何度も出てくるのですよね。ヽ(=´▽`=)ノ

魚が大好きで、人里離れたところにひとりで暮らして・・・たまに誰かが遊びに来ると、嬉しくなって夜中まで魚の話をしてあげたり。(´;ω;`) 魚が大好きすぎて、漁師になってみたり。

それらのさかなクンは、それ以降は画面に二度と出てくることがないのですね。

「さかなのこ」になれない、もうひとつの可能性だったものが・・・何度か劇中に出てくるのです。

本人をして、こうだったらダメだったかもしれないという回顧録なのでしょう。

監督の演出が素晴らしいですね。

cloister

何かが好きであったとしても、人から離れて一人になってはいけない。

自分の好きという気持ちを正しく理解してくれる人の支えがあり、家族と離れることなく過ごすことが必要不可欠。

好きという気持ちを殺してしまう仕事を選択してはいけない。

自分が本当に好きなことを、自分を活かす仕事を選択して、周りの人に恩返しができるように誠意を込めて働いていくほうが人生はきっと上手く行く。

にもにもーにんぐ!

人と違う道を選んだから人生が上手くいくという成功物語に終わることなく、だからこそ多くの困難があり、乗り越えて生きてきたし、これからも生きていくという決意にも感じるかな。ヽ(=´▽`=)ノ

実際、さかなクンは凄い努力家。TVチャンピオンも殿堂入りしたり、並大抵の勤勉さではないのですよね。(ひとつの仕事に対する丁寧さが凄いと感じます。)

鑑賞する人の心を刺激する作品なので、多様な感想が出てくるかと。

登場人物の誰をも悪く描かないことに、清涼感を感じる人もいるでしょう。

生きていることに一生懸命なだけで、誰もが自分の人生を頑張っているだけなのですね。

主人公の強烈な言動に言葉を飲み込み、平静を装う周りの人のおかしなリアクションは、劇場では誰もが笑顔になれる良質なコメディだとも想うかな。ヽ(=´▽`=)ノ

海外で上映されていたら、凄く人気が出ていたと想う。

 

ちなみに・・・のんさんの次の目標は、ハリウッドでアクションスターだとか。ヽ(=´▽`=)ノ 成し遂げてしまうと想うのでした。(日本で一番スケールの大きな俳優さんだと想います。)