Q.E.D. | いつかきっと白い翼!!

いつかきっと白い翼!!

Where flowers bloom so does hope.

旅立つ数日前、「一緒に観に行きたい」と家族が言い始めてしまう。

少し前の小さな冒険が楽しかったのだろう。

 

家族の末期癌治療を支えるため、工場の現場勤務で最後まで頑張り続けた反動で、身体は限界を超えて壊れているのを知っている。

事故で内蔵を挟まれて潰れ、10分に1回は調子が悪くなってしまうのも把握している。

 

それでも人生で何かを見てみたい。それは「願い」なのだろう。こちらも覚悟を決める。

 

特急列車で少しずつ休憩しながら、2日間に分けて移動していく。

亡くなった家族も同じような時期、最初の退院のタイミングで・・・急遽の京都旅行に行きたいとの希望だった。偶然の一致だろうか。

夜空に朝日が降り注ぐ。

世界中から夢が集まり、朝霧に包まれた幻想的な地表から・・・空に吸い込まれていく。

何とか連れてくることができてよかった。なけなしの積み重ねた徳を使い切り、少しは晴天になってくれていると嬉しい。

気球を眺めると、凄く元気を貰えるのだとか。血は争えないということですね。

好奇心の塊のような状態で、あれにも乗ってみたいと気分が高揚してハイになっている様子。

空の世界、その高揚感やアドレナリンは万病に効きますからね。

その「願い」も、休憩しながらで・・・頑張ってみましょう。

懇切丁寧に説明してくださったパイロットや関係者の皆さん、ありがとうございます。

 

午前中くらいが潮時のように見受けられたので、ここで帰宅を選択。2日間に分けて、特急列車で戻ることにします。

山盛りのキャベツとそばが香ばしい・・・本場のお好み焼きは、旅の中では特に思い出に残るものになりました。

内臓の調子が悪いので、消化の良いキャベツは嬉しい限り。ヽ(=´▽`=)ノ

朝の公園で空を眺めているとき、ずっと遠くの空を眺めている鳥に気が付き、その様子を眺めつつ不思議な時間を過ごす。

家族の付き添いで神経が張り詰めていたので、ずっと足元しか見ていなかった。

たまには、遠くを眺めてみることも必要だったのだと想いたい。

 

極度の疲労感、やり遂げたという達成感。目を瞑れば・・・どれだけでも寝ていられる気がする。