メリークリスマス!
高次脳機能障害・認知症・発達障害のための集団メンタルリハビリテーション「オレンジクラブD」の内容から解説をお届けいたします。
今回はマインドフルネス瞑想解説、Xmas特別編の記事です。
この記事では、レーズンのエクササイズの「超!簡易版」のお話をします。
①. 噛んだ数を数えながら食べるエクササイズ。
噛んだ数を数えながら食べましょう。
以上です。コレだけ。
コレだけで、食事中に注意を内向きにすること(≒ワーキングメモリーを使うこと)が難しくなります。つまり、余計な考え事や悩み事で消耗してしまうことが防げます。
実は、当講座のマインドフルネスは、呼吸を数えたり、歩数を数えたり、指を数えたりと、何かの数を数える瞑想を基本に解説してきました。
(まだ過去記事を見ていないかたはコチラカラ)
呼吸を数えるエクササイズ→https://ameblo.jp/u-mri/entry-12335826655.html
指を数えるエクササイズ→https://ameblo.jp/u-mri/entry-12357988456.html
歩数を数えるエクササイズ→https://ameblo.jp/u-mri/entry-12361071259.html
噛んだ数を数えるエクササイズも基本的にはこれと同じ。
簡単に注意を外向きにするためのテクニックです。
本来、注意を外に向けるための訓練としては、下図のような「レーズンのエクササイズ」が使われることが多いのですが、これはとても難しいのです。
☆まだ、レーズンのエクササイズのくわしい解説を見てないかたはコチラで復習を!
→https://ameblo.jp/u-mri/entry-12338590292.html
(この過去解説を見ていないと今回の解説は全く意味がわからないかも…(; ̄ー ̄A)
この訓練が大変だからこそ、同様の効果がある簡易版として、呼吸を数えたり、歩数を数えたり、指を数えたりと、何かの数を数える瞑想を解説してきたわけですが、数えられるモノならばある程度似たような効果があります。
レーズンのエクササイズのような食べ物を使った瞑想の場合、一番簡単に数えられるのは、「噛んだ数」です。
噛んだ数を数えるエクササイズをやる場合は、噛む数の目標をきめておかないと難しいので、30回/一口を目安に噛んだ数を数えながら食べてみましょう。
やってみると、このエクササイズと同時に考え事や悩み事をするのは非常に難しいとわかるでしょう。
簡単ですが、これだけで、下図のような内向きの注意で、注意資源を無駄遣いしてしまうパターンは防げます。
ご飯を食べている最中にも嫌なことを思い出してしまうとか、悩み事で頭がいっぱいとか・・・そんな時の気持ちのリセットに試してみると、きっと役に立つことでしょう。
注:例えば、会食中に「噛んだ数を数えるエクササイズ」をやっていると、人から話しかけられた内容がよくわからなくなったりしますが、それは数えることで考えることが妨害されるからです(≒注意を内向きに出来なくなる)。瞑想が上手くいっている証拠です(会食では困るかもしれませんが…)
今まで訓練されてきたかたは、数えるシリーズの訓練のバリエーションに是非加えてみてください!
注意のコントロールだけでなく、痛みの軽減にもなります。
☆実は近年、マインドフルネス瞑想のダイエット効果が注目されてきています[1]。
[1]. Mantzios M, Wilson JC. Mindfulness, Eating Behaviours, and Obesity: A Review and Reflection on Current Findings. Curr Obes Rep. 2015;4:141-6.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26627097
食事への集中力を高める今回のやり方はダイエットにもいいかもしれません。
少ない食事量で満足できるようにもなりますので、是非一度やってみて下さい。
ご参考までに!
P.S.
オレンジクラブDのクリスマス会では、実際のケーキを使って、レーズンのエクササイズをやってみました!それ以外にもたくさんの心理ゲーム・エクササイズを織り交ぜつつクリスマス会をやりました(マシュマロテスト・最後通牒ゲーム・Pairing Gameなど)。クリスマス会での訓練のデータは現在集計中で、近日公開予定です。
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最後に宣伝をさせてください!
(当研究所の運営はこちらの本のお金で行われています)
P.S.1.
痛みと脳についての単行本です。
痛みと脳の関係について解説するとともに、慢性疼痛, 線維筋痛症などに対する心理療法(含, 認知行動療法)・運動療法などについて解説しています。特に、マインドフルネス瞑想に関しては注意機能などの認知機能の改善効果も期待できます。
P.S.2.
高次脳機能障害・発達障害・認知症に対する支援(含, 合理的配慮)に関してはこちら。
P.S.3.
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