粳間メンタルリハビリテーション研究所/一般社団法人iADLのブログ

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高次脳機能障害・発達障害・認知症の支援のための研究所。
講演、出版情報を発信します。

地域リハ誌連載新シリーズ(H28年4月~)
「高次脳機能障害・発達障害・認知症のための邪道な地域支援養成講座」
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中の人プロフィールです。

医師・医学博士・リハビリテーション科専門医

本業はリハビリテーション科医ですが、精神科医をしている時も内科医をしている時も整形外科医をしている時も救急医をしている時もあります。

専門は器質性精神障害の画像診断とリハビリです。

脳の病気やケガで頭の働きが悪くなっているものすべてを扱っていますので、高次脳機能障害・発達障害・認知症の全てを医師として扱っています。
そのため、リハビリ科というくくりだけでは活動領域が足りないと思い、内科医も精神科医もやっているわけです。

また、保険医療では支援できない範囲をカバーするために一般社団法人や私設研究所もやっています。

このブログは、その私設研究所である粳間メンタルリハビリテーション研究所および一般社団法人iADLの講演(主にオレンジクラブ)や出版物に関するお知らせとダイジェストを紹介するためのものです。

記憶の話のところ(H27年10/5ブログ記事参照)でも書きましたが、こういうものは、まず興味をもって、自分で考えて体験して、身に付いていくものだと思ってますので、ブログでは、興味をもってもらうことまでを目的に、細かな医学的な説明は大胆過ぎるほどに、省いています。

出版物には細かい説明も書いてありますので厳密なことが知りたければそちらをご参照頂けたら幸いです。

どうぞよろしくお願いいたします。

粳間
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メリークリスマス!

 

高次脳機能障害・認知症・発達障害のための集団メンタルリハビリテーション「オレンジクラブD」の内容から解説をお届けいたします。
 
今回はマインドフルネス瞑想解説、Xmas特別編の記事です。

 

この記事では、レーズンのエクササイズの「超!簡易版」のお話をします。

 

 

①. 噛んだ数を数えながら食べるエクササイズ

 

 

 

噛んだ数を数えながら食べましょう

 

以上です。コレだけ。

 

コレだけで、食事中に注意を内向きにすること(≒ワーキングメモリーを使うこと)が難しくなります。つまり、余計な考え事や悩み事で消耗してしまうことが防げます。

 

 

実は、当講座のマインドフルネスは、呼吸を数えたり、歩数を数えたり、指を数えたりと、何かの数を数える瞑想を基本に解説してきました。

 

 

まだ過去記事を見ていないかたはコチラカラ

呼吸を数えるエクササイズ→https://ameblo.jp/u-mri/entry-12335826655.html

指を数えるエクササイズ→https://ameblo.jp/u-mri/entry-12357988456.html

歩数を数えるエクササイズ→https://ameblo.jp/u-mri/entry-12361071259.html

 

 

噛んだ数を数えるエクササイズも基本的にはこれと同じ。

 

簡単に注意を外向きにするためのテクニックです。

 

 

本来、注意を外に向けるための訓練としては、下図のような「レーズンのエクササイズ」が使われることが多いのですが、これはとても難しいのです。

 

 

 

 

☆まだ、レーズンのエクササイズのくわしい解説を見てないかたはコチラで復習を!

https://ameblo.jp/u-mri/entry-12338590292.html

(この過去解説を見ていないと今回の解説は全く意味がわからないかも…(; ̄ー ̄A

 

 

この訓練が大変だからこそ、同様の効果がある簡易版として、呼吸を数えたり、歩数を数えたり、指を数えたりと、何かの数を数える瞑想を解説してきたわけですが、数えられるモノならばある程度似たような効果があります。

 

 

レーズンのエクササイズのような食べ物を使った瞑想の場合、一番簡単に数えられるのは、「噛んだ数」です。

 

 

噛んだ数を数えるエクササイズをやる場合は、噛む数の目標をきめておかないと難しいので、30回/一口を目安に噛んだ数を数えながら食べてみましょう。

 

やってみると、このエクササイズと同時に考え事や悩み事をするのは非常に難しいとわかるでしょう。

 

簡単ですが、これだけで、下図のような内向きの注意で、注意資源を無駄遣いしてしまうパターンは防げます。

 

 

 

 

ご飯を食べている最中にも嫌なことを思い出してしまうとか、悩み事で頭がいっぱいとか・・・そんな時の気持ちのリセットに試してみると、きっと役に立つことでしょう。

 

注:例えば、会食中に「噛んだ数を数えるエクササイズ」をやっていると、人から話しかけられた内容がよくわからなくなったりしますが、それは数えることで考えることが妨害されるからです(≒注意を内向きに出来なくなる)。瞑想が上手くいっている証拠です(会食では困るかもしれませんが…)

 

 

今まで訓練されてきたかたは、数えるシリーズの訓練のバリエーションに是非加えてみてください!

 

注意のコントロールだけでなく、痛みの軽減にもなります。

 

 

実は近年、マインドフルネス瞑想のダイエット効果が注目されてきています[1]。

[1]. Mantzios M, Wilson JC. Mindfulness, Eating Behaviours, and Obesity: A Review and Reflection on Current Findings. Curr Obes Rep. 2015;4:141-6.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26627097

 

 

食事への集中力を高める今回のやり方はダイエットにもいいかもしれません。

 

少ない食事量で満足できるようにもなりますので、是非一度やってみて下さい。

 

 

ご参考までに!

 

 

P.S.

オレンジクラブDのクリスマス会では、実際のケーキを使って、レーズンのエクササイズをやってみました!それ以外にもたくさんの心理ゲーム・エクササイズを織り交ぜつつクリスマス会をやりました(マシュマロテスト・最後通牒ゲーム・Pairing Gameなど)。クリスマス会での訓練のデータは現在集計中で、近日公開予定です。

 

 

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最後に宣伝をさせてください!

(当研究所の運営はこちらの本のお金で行われています)

 

P.S.1.

痛みと脳についての単行本です。

 

痛みと脳の関係について解説するとともに、慢性疼痛, 線維筋痛症などに対する心理療法(含, 認知行動療法)・運動療法などについて解説しています。特に、マインドフルネス瞑想に関しては注意機能などの認知機能の改善効果も期待できます。

 

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高次脳機能障害・発達障害・認知症に対する支援(含, 合理的配慮)に関してはこちら。

 

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