こんにちは
ハンドセラピスト・コーチの松原美里です。
私は元保育士で、仕事を辞めてコーチングや講師などの世界に入ってから
あらためて保育士さんの偉大さに気がつき、いまは
保育士さんのためのコミュニケーション講座「Shaberi-BA☆」を主催しております。
次回、1月24日に東京ウィメンズプラザにて 4月からの就職を控えた学生さんのために
現場ですぐに実践できるコミュニケーション講座を
相方のNLPマスター“ゆーちゃん”と開催すべく、
構想を練りに練っているところです。
・・・そんなわけで、
最近、保育士さんに関するニュースをよく耳にします。
面積基準の見直しは、地域の実情に合わせた基準にできるよう求めた
全国知事会などの提言に基づく。待機児童の多い都市部で保育所整備に必要な
首都圏、近畿圏を中心とした約100の市区町村だけで、その8割を占める。
しかし、基準緩和が待機児童対策に有効かというと、
都内最多の613人の待機児童を抱える世田谷区の工藤郁淳保育課長は、
また認可保育所を数カ所増やした程度では、入所希望者の数からいってとても追いつかない。
保育の仕組み全体を見直さなければ解決にはならない」と説明する。
そうなんです。
大切なのは、形だけでなく・・・、子どもがのびのびと成長していける環境。
そのために、園の条件も、職員の体制も定まっていたのですから。
これを機に、保育士さんの裏側について、ちょっとご紹介をしたいと思います。
「保育士さんは子どもと遊んでいて楽しそう!
いいな~。私もそんな先生になりたい。」
幼い日の私は、そんな単純な動機で保育の道を目指しました。
ところが、短大に入り、発達心理学やオムツの替え方・体操など
技術的なことはいいんですよ。少しずつクリアしていけばそれで。
大変だったのは、実習。
「分かってない」と赤線だらけの日誌。
短い睡眠時間でふらふらしながら子どもの前に行き、
部屋という部屋を掃除して腰がヘルニアになったり。
思っていたようには子どもは動いてくれず、子どもに遊ばれて
半ベソになって怒鳴り声を上げて子どもから軽蔑の目で見られたのは
懐かしいお話です。
子どもとかかわるということ---そのための大事な視点が、
学生だった私には見えていませんでした。
そんなわけで、実際に保育園に就職してからは
■保育指導計画
年齢によって子どもたちの発達段階が違うため、
運動能力・社会性・言葉の発達・知育面でのアプローチなどを踏まえて
年間計画・月間計画・指導日誌等をつけ、振り返りを行う。
そのほかにも、お預かりしている一人ひとりの子どもについての成長を
定期的にまとめ、記録とする。
そうすることで、日々の連続から子どもの成長が立ち上がって
見えてきて子ども一人ひとりの個性が浮かび上がって
くるんですよ~
■人数把握
子どもたちは、先生が大好き!
なので、なるべく自分たちを見てもらいたいという気持ちが
強いんですね。 「先生、先生」とほくほくした気持ちで話しかけ
独占したがるのですが、
一人ひとりの子どものお話を受け止め、愛で返しながらも
(何気なく話しかけてくる全員の話を聞く。聖徳太子バリです。)
20人のクラスであれば、20人の動きをすべて把握していなくては
ならないのです。
家庭の宝である子どもたちの、健康と安全を守らなくてはならないので。
お外遊びのときなどは、
広い園庭ではっと気がつくと○○ちゃんが…?!
~ということも。。
人間、把握しきれる物事の範囲には限りがあるのでは
そう思いながらも、慣れてくると全体を見れるようになるのが
スゴイですよね。
■トラブルへの対応
そんな風に、すべてに気を配っていても、起こるのが子どもたちのトラブル。
家庭で人間としての基礎を整え、
お友達とのやり取り~自分たちがお姫様・王子様ではない世界で
自我と折り合いをつけながら、お友達と譲り合い、
協力し合う方法を学ぶ…。
「社会性」を身に着けていく階段の途中にいる子どもたちは
トラブルが常時あります。
「おもちゃ貸してくれない~!」「横取りした!」「噛んだ!」
「わぁ~ン!(意味不明)」
全体に目を向けつつ…、彼らの心を整理して自分で物を考え、
相手に伝えられるためのサポートをします。
子どもの心を受け止め、どうしたいのかをコーチングし、
相手に伝える方法(プレゼン方法?)を伝授する・・・。
すごいスキルですよね
■集団をまとめる
そんな風に、誰もが「オレオレ状態」な子どもたちも、
クラスという集団の単位でまとまっています。
年齢ごとに職員の人数が決まっているのですが、
これは安全に子どもを見れる限界の人数なんです。
いえ…、そもそも冷静に考えると、この人数もすごいですよ。
0歳児 3人 : 保育士 1人 / 1・2歳児 6人 : 保育士 1人
3歳児 20人: 保育士1人 / 4歳児 30人 : 保育士 1人
・・・保育士さんは、超人ですよね
■日々の親御さんへの連絡~
お便り帳を交換日記のように
一人ひとりの親御さんとやりとりするもの。
中には、育児相談や育児の不安のサポートの役割を果たしている
ケースもあり、子どもがいる環境の中で全員分の返答を
的確に返すという、かなり労力の要る任務です。
朝の受け渡し・夕方のお迎え時には、一人ひとりを見ていた中から、
的確な子育て支援メッセージを伝えています。
このときの一言が、
子育て中のママの心を癒すという声をよく聞きます
■園内のしきたり、人間関係~一人ひとりの先生が個性的で、ツボが違う。
それだけのことをやってのけている先生たちですから、
それぞれ個性も豊かで
保育に対してのこだわりやプライドがあります。
年内行事で一致団結し、子どもの大きな成長へと導くためにも
節目ごとに会議を行い、お疲れ様会を行い・・・。
円滑に物事が進むための、人間関係:環境を整える必要があります。
「郷に入っては郷に従え」
といいますが…。
その郷を知るにも時間がかかったり、
なかなか適応できずに悩んだりすることもあるのです。
そして、最近大きな役割を担い始めているのが、親御さんのサポート。
■家族の支援
核家族化する子育ての中で、
何をどうしていいのやら分からない親御さんが多くなっています。
そんな不安を受け止める。
具体的な子どもへのかかわり方を伝えていく。
リーマンショックでリストラや、周辺の関係で不安定になった
お父さんの影響をお母さんはモロに受けているわけで、
家庭の中でストレスがたまってくる。
あいさつや家庭訪問などでお母さんの気持ちを聞くこともしつつ、
そういった家庭の中で上手に自分を表現できない子どもの
やり場のない気持ちの表現を受け止める。
(ぐずぐずが止まらない、暴れて収まらない、お友達に危険を及ぼすなど)
子どもという入り口から、家庭ををサポートする役割を担っているのです
…と言うわけで、つまりは保育士さんは、保育の理論や基軸を元に
自分の母性を最大限に生かして、仕事をしているのです。
保育士さんが笑顔でいられるのは、
たくましさ(心身ともに)とプロ意識の賜物です
ですが、私が就職を考えていた11年前は、
初任給が15万円~18万円(諸手当込み)です。
その後、子どもへの手当てが見直されたとしても、
それは職員への給料の値上げという形ではないと思います。
子どものために時間外で働く職員が増えたから、その分の経費と
(ちなみに私は運動会前は23時まで作り物をやってましたよ。)
規定に順ずるために必要なグッズのためだったりします。
(現に、私の勤めていた児童養護施設はお給料が下がってますから。)
ぜひみなさま、保育士さんを温かい目で見守って差し上げてください
私はそんな保育士さんが、コーチングやNLPを取り入れて
コミュニケーションを味方につけ、よりのびのびと保育が出来るように
保育士さんのコミュニケーション講座「Shaberi-BA☆」を主催しております。
ご興味のある方、ぜひメッセージをください
ちなみに、私がコーチングへ転向 したのは、そういった親御さん・
大人の元気をサポートしたいと思ったからです。
そういったコーチングの活動の中で、
子どもにもハグや触れることが心の安定に有効なように、
大人にもそういったかかわりが大切だと感じて、
ハンドヒーリングセラピー をしております。
現実はそうであっても、情報は集まる所にだけ集まるもの。
特に、保育業界のことは
なかなか皆さんに知っていただく機会が少ないのが現状なのではないでしょうか。
お役に立てる方にお伝えいただけると、幸いです。