政府は、財政健全化目標先送りを検討しているようです。
何十年も失政を続けても全く反省しない、一部の無能な財務官僚などは財政健全化は待ったなしだ!国債は将来世代へのツケだ!などと主張していますが、全くそんなことはありません。将来世代のためというなら将来どうなるか考えれば簡単に本当のことがわかります。
1.国の借金が将来世代へのツケではない簡単な理由
「国の借金」は100%円建てでその殆どは国内向けに発行されています。
以下はその内訳です。それが将来(たとえば50年後)どうなるのか?上位から順に見ていきましょう。
①日銀 40%
→日銀が保有する国債の利息はすべて政府に返納されるので将来世代の負担はゼロです。(国庫納付金)
今、若い世代のために使えば負担ゼロでよりよい未来を将来世代に提供できることを意味しています。
②民間銀行 22%
→銀行のバランスシートで国の借金は借方ですが、それに対する貸方は預金で、その6割は個人預金です。
50年後にその預金はどうなっているでしょうか?
50年後には所有者の殆どは亡くなっているので、遺産として将来世代が受け取っています。
③生命保険 21%
→50年後には被保険者は亡くなっているため、その保険金は最終的には相続され将来世代のものになっています。
このように、日本の場合、「国の借金」→国債(100%円建ての政府の負債)は将来世代のツケでもなんでもありません。言葉のイメージだけで誤った政策をしないことが肝要です。
2.財政黒字化が将来世代へのツケになる簡単な理由
普通の国は数%のインフレ率でお金を回す仕組みになっていますので、プライマリーバランスが黒字化することはありません。しかし、本当に財政黒字化を強行してしまったらどうなるでしょうか。
(1)財政黒字化すると国全体が低成長に陥る
財務省の言う財政黒字化とは政府支出を純粋に減らすことを意味しています。
GDP(支出面)の25%は政府支出が占めています。もし増税して財政黒字化したとすると、民間消費(GDPの6割)も減るので、GDPが減る方向になるのは間違いありません。
誰も否定できない単純な計算です。
国全体が低成長になれば、税収も減り、将来、ますます政府が使えるお金が減ってしまいます。
(2)低インフレ、デフレまたは恐慌になる
インフレ率は需給ギャップ(総需要と供給力の差)で概ね決まります。
政府需要と民間需要が同時に減ればインフレ率が下がることは明らかです。
「明日伸びんがために、今日は縮むのであります。」
かつて浜口雄 幸(おさち)首相はこのよう国民に訴え、緊縮財政にしプライマリーバランスの黒字化を達成し旧平価での金解禁を強行しました。
その結果、どうなったでしょうか。すぐに昭和恐慌が発生し猛烈なデフレ(恐慌)となりました。1930年には年7%もの強烈なデフレとなったのです。世界大恐慌が原因などと言う人もいますが、予算5%削減、金融引締めというとんでもない政策が主原因であることは間違いありません。そして、その当時から日本は大国でしたので、その失政が引き金となり世界に影響したことも想像に難くありません。
財政健全化という壮大な実験は過去に大失敗しているのです。
(3)低成長(低インフレ・デフレ)こそ将来世代への最大の負担
インフレ率が下がると失業率が下がることがフィリップス曲線として知られています。
インフレ率が下がる≒需要不足により雇用不安となるのです。失業は特に若い世代および将来世代に大きな影響を与えます。
失業もしくは不安定な仕事につけば、結婚など到底かないません。将来設計が破壊されるわけです。
結婚できなければ、将来世代は生まれることすらかないません。
また、財政黒字化という言い訳をして将来への投資を怠れば、将来世代は不利な状態で海外と競争しなければなりません。
このように国の借金のイメージだけで短絡的に財政黒字化することこそまさに将来世代へのツケそのものなのです。
特に消費増税をして財政黒字化を目指すなど愚の骨頂です。
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