プライマリー・バランス(基礎的財政収支)とは、税収・税外収入と、国債費(国債の元本返済や利子の支払いにあてられる費用)を除く歳出との収支のことを表し、その時点で必要とされる政策的経費を、その時点の税収等でどれだけまかなえているかを示す指標のことです。
日本の財務省やそれに近い人たちは、国の借金を減らすにはプライマリー・バランスを改善するしか道はないかのように言っています。
実際どうなのか、過去のデータで検証してみましょう。
まず、1980年代の国の借金とプライマリー・バランスの関係をグラフにしてみます。


総債務、純債務ともにプライマリー・バランスとの相関度が0.7以上あり、
確かに、プライマリー・バランスを改善すれば、「国の借金」が減りそうです。
一方、リフレ派などが主張しているインフレ(デフレの脱却)と「国の借金」との関係性も見てみましょう。


こちらは、まず、総債務の方は、GDPデフレーターが増える(インフレになる)ほど「国の借金」が増えていることから、リフレ派が主張しているようにデフレになるほど国の借金が増えているわけではなさそうです。
むしろリフレ派の主張の逆になっています。
純債務の方は、相関度がほぼゼロで全く関係がないと言えるでしょう。
80年代のデータでは古すぎるという声も聞こえてきそうです。
では、日本がデフレに陥った1998年以降のデータをグラフ化してみます。
まずは、プライマリー・バランスから。


あれ?
1998年以降のデータですと、総債務も純債務もプライマリー・バランスとの相関度はほぼゼロで、プライマリー・バランスと「国の借金」は全く関係ないことがわかります。
では、GDPデフレーターと「国の借金」の関係はどうでしょうか。


こちらは、打って変わって純債務、総債務ともに相関度が0.9前後の値が出ていて、
GDPデフレーターと国の借金は、かなり高い相関度を示しています。
これはどういうことなのでしょう。
要するに、プライマリー・バランスの改善は1980年代までは「正解」でしたが、1998年以降は「不正解」で、
1998年以降の「正解」はデフレ脱却なのです。
間違った答案を何百回出しても、結果は不合格です。
早く気づきましょう。
最後に・・・
この記事のタイトルを正確に書くと
「プライマリーバランス改善で国の借金が減るというのは(1980年代までは)事実」ですね。
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