私は「市井の日銀ウオッチャー(?)」を名乗っているので、たまには日銀ウオッチャーっぽい記事も書いてみます。
FRBに物価の安定と完全雇用のデュアルマンデート(2つの使命)が連邦準備法に定められているように、中央銀行の金融政策に大事な指標と言えば失業率などの雇用指数です。
2016年4月27、28日の日銀金融政策決定会合の議事録(6月21日公開)を見ると、その雇用について一つの大きな変化が見られます。
雇用・所得環境について、委員は、労働需給が着実な改善を続けるもとで、雇用者所得は緩やかに増加しており、先行きも、労働需給の引き締まりが続き、企業収益が高水準で推移するもとで、緩やかな増加を続けるとの見方で一致した。この間、一人の委員は、失業率の低下テンポが弱まっていると指摘し、失業率が3%を切らないと物価上昇率が2%になるのは難しいと考えていると述べた。
政策委員会 金融政策決定会合 議事要旨(2016年4月27、28日開催分)
この「失業率が3%を切らないと」という発言は、かつて、完全雇用の失業率は2%台だと主張していた岩田副総裁もしくは原田泰審議委員の発言ではないかと思われます。
直近の月次失業率(季節調整値)の推移を見ると、明らかに下げ止まっています。
10月 3.1%
11月 3.3%
12月 3.3%
1月 3.2%
2月 3.3%
3月 3.2%
4月 3.2%
5月 3.2%
これでは永遠にインフレ目標に到達できません。
インフレ目標を達成するのが仕事の中央銀行としては、何か策を打つ必要があります。
どんな手があるのでしょうか。
まずは、王道の国債買取額を増やすという追加緩和です。
政府が20兆円規模(真水以外の投資も含む)財政出動することを表明しているので若干やりやすくなったのは間違いありません。
あとは、個人的には地方債などを買い取るのがいいと思っています。
REITも地価を上げるという意味ではいいでしょう。
マイナス金利の深掘りや付利撤廃も民間銀行へのプレゼントを減らして国民に公平に分配するというものなのでいい。
その他に日銀は日経225のETFの買い取りなどもやっています。しかし、これについては止めたほうがいいと個人的には思っています。
選挙が終わるまで指摘するのは控えていましたが
理由はこれです。↓
なぜ、海外投資家は日経平均を信用しないか NEWS FILE:PRESIDENT Online - プレジデント
日経225(日経平均)という指標は、時価総額の比重を考慮しておらず、「値がさ株」(株価の高い株)の影響を受けやすいという致命的な欠点があり、日銀の金融政策は国民のための政策のはずなのに、ファーストリテイリングやソフトバンクなどの一部の企業が不当に恩恵を受けるという不公平があるからです。
日本中をマイルドなインフレにして国民全員の資産の価値を下げる一方で、ユニクロの柳井やソフトバンクの孫などの超大富豪がさらに莫大な利益を得るという非常に問題のある政策なのです。
フォーブスによると、孫正義は2013年→2014年の1年で1兆5000億円も資産を増やしています。その殆どは株価の値上がりによるものです。その原因は間違いなく日銀です。
孫正義 資産
2013年 8870億円
2014年 2兆3627億円
金融政策が格差を生んでいるというのも、この政策についていえば正しい指摘なのです。
他の中央銀行は、株を買うという政策はやっていない(未確認)はずです。
一応言っておきますが、格差を生むから金融緩和をやるなということではなく、格差を生まない、まともな金融緩和をやりましょうということです。
さて、気になるのは、はたして7月に追加緩和があるかどうかです。何となくありそうな気がしますが、黒田総裁は
ヘリコプターマネーについて「必要性も可能性もない」と発言したとか
黒田日銀総裁、ヘリマネ「必要性も可能性もない」 英BBCラジオで :日本経済新聞
ヘリコプターマネーについて「禁じられている」と発言したとか
ヘリマネ、日銀による国債の直接引き受けなら禁じられている=黒田総裁 | ロイター
報道されています。
まあ、これは当たり前の発言なので全く気にする必要はないでしょう。
金融+財政のヘリコプターマネー政策をやるのを決めるのは(金融政策しか扱えない)日銀総裁にはできないですし、言う権限もないですから。
現時点では財政法で禁じられている財政法の改正は政治家の役目です。日銀総裁がヘリコプターマネーをやるなどと言うわけがありません。
気になるといえば、常に間違うデフレ派が何を言っていたかです。
私が勝手に注目している間違いだらけの小幡績は、
2015年10月28日「追加緩和は絶対にない」
2015年10月29日「日銀の追加緩和は永遠にないと断言できる 」
などと言っています。
常に間違う小幡績が絶対にないということは、
日銀の追加緩和が絶対にあるということです。(笑)
いつやるか。今でしょ。(古)
私が日銀総裁なら追加緩和をやります。
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