その点について分かりやすい分類の仕方がありましたので紹介いたします。いわゆるリフレ派の野口旭専修大学経済学部教授の書籍からです。
「経済のしくみ」がすんなりわかる講座 (らくらく入門塾)/ナツメ社

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経済学の考え方は、おおまかに4つある(略)まず、経済学の考え方は、市場原理が大事だという「市場重視派」と、政府の役割が重要だという「政府重視派」の2つに大きく分かれます。これに44ページで説明した「ミクロ経済」と「マクロ経済」のキーワードを重ね合わせます。すると、「ミクロの市場重視派」「マクロの市場重視派」「ミクロの政府重視派」「マクロの政府重視派」という4つの分類ができます。(p46)
「マクロの市場重視派」
政府が行うマクロの経済政策はよくない効果を生むこともあるのでやらないほうがいい、あるいはやるにしても一定のルールを設けるべきだ、といっている人たちです。この人たちを「マネタリスト」と呼びます。
「マクロの政府重視派」
「マクロの市場重視派」の意見に反対の立場をとっているのがこの派です。この人たちは、景気のよしあしには政府が財政政策や金融政策をとって景気の安定化を図らなければいけないという意見の持ち主です。この意見を最初に唱えたのはケインズという経済学者であることから、この意見の信奉者を「ケインジアン」といいます。
「ミクロの市場重視派」
政府が市場に関与しないほうがいいという意見で、規制緩和や、郵政事業・道路公団などの公的機関を民営化することで市場を活性化して景気回復を図ろうというもの。(略)構造改革推進派の多くは、ミクロの市場重視派といえます。
「ミクロの政府重視派」
市場原理だけではダメで、社会保障などのセーフティネットや最低限の規制などの部分は政府の支えが必要だという意見を唱えている人たちです。日本ではかつて、政府が積極的に産業を保護育成すべきとして、「産業政策」というものを実行していましたが、これもミクロの政府重視の考え方に基づくものといえます。(p47)
図にしてみました。

さらに私の理解から、大雑把に分類するとこうなります。
「マクロの市場重視派」
:マネタリスト(フリードマン、白川方明のK%ルール?、旧日銀)
「マクロの政府重視派」
:ケインジアン、リフレ派(岩田規久男、等)
「ミクロの市場重視派」
:構造改革推進派、自由主義や新自由主義もおそらくココ(竹中平蔵?)
「ミクロの政府重視派」
:産業政策重視、社会主義・共産主義もおそらくココ(中野剛志らがコレ)
私なりに人物の分類についてもしておきます。竹中平蔵氏はマクロはどちらかというとケインジアン的ですが、ミクロに関しては構造改革推進派・ミクロの市場重視派となるでしょう。
元ブント・全学連の西部邁とその弟子の中野剛志らは、マクロは財政政策だけに限定すればケインジアン的ですが金融はマネタリスト的。今の変動相場制では金融の重要性が非常に高いのでマネタリストに分類したほうがいいでしょう。たしか、あの一派の誰かが金融政策をやりすぎるとバブルになるとか言ってましたから。少なくともまともなケインジアンではないと思われます。ミクロに関しては反自由主義なので、当然、「ミクロの政府重視派」です。やはり、計画経済の社会主義、共産主義とも親和性は高そうです。竹中平蔵氏を目の敵にする理由も納得できます。
・・・こんなところでしょうか。
結局、何が正しいかということ、基本は市場重視で、デフレや流動性の罠の状態、不況のときは政府が調整すべきなのだと思います。おそらく、その時の状態にもよりますが、上(市場重視)と下(政府重視)の間に正解があるのでしょうね。
少なくとも、供給制約があるのに土木建築ばかりに固執するというのはやりすぎだと思います。
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