物事の大小がわからないデフレ派 | rxtypeのブログ since 2012

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日本経済の一番の問題はデフレ予想です。

 1997年から長く続く経済の不調が消費税率引き上げではなく、アジア通貨危機があったからだと未だに信じている人がいたようです。

 ↓たとえばこの人

円安で輸出が伸びて景気が回復すると言うリフレ派の多くは、アジア通貨危機があったのにも関わらず、1997年から長く続く経済の不調が消費税率引き上げが起因だったと信じている。
(中略)
しかし、アジア通貨危機の影響は大きく、それが無かったかのような言説は考え物だ。
(中略)
アジア通貨危機の影響の大きさを認めなければ論理の一貫性が無いであろう。
引用:リフレ派が知るべきアジア通貨危機の影響


 アジア通貨危機が1997年からの不況の主な原因かのように書いてます。はたして本当にそうでしょうか?

 昨日示したGDPの大きさを面積の大きさで表した世界地図の日本とアジア通貨危機関連諸国をそれぞれ色分けしました。ご覧ください。
GDPマップ2

 大きさを比べて見れば一目瞭然ですね。日本がアジアから受ける影響など微々たるもの。それよりも日本がアジアに与えた影響のほうが遥かに大きいのは明らかです。

 加えて、時系列を再確認するため、1997年~1998年の出来事を列挙しましょう。


1997年 3月28日 年度予算成立(公共事業4兆円削減、特別減税の廃止2兆円、健康保険の負担増2兆円)←緊縮財政
1997年 4月 1日 消費税3%→5%への引き上げ実施←緊縮財政
1997年 4月   日産生命破綻
1997年 6月11日 参議院本会議にて日銀法改正成立←金融引き締め
1997年 7月   アジア通貨危機がタイを中心に始まる
1997年 9月   健康保険本人負担 1割→2割
1997年11月   拓銀、山一破綻
1997年12月11日 京都議定書(経済活動を制限する枠組み)採択
1998年 4月   改正日銀法施行←金融引き締め(確)
1998年 7月30日 橋本内閣(自社さ政権)→小渕内閣発足(自民単独)
1998年10月   長銀国有化
1998年11月16日 小渕内閣 総額27兆円規模の緊急経済対策を決める
1998年12月   日債銀国有化
1998年      自殺者数初の3万人超え


 なぜアジア通貨危機が起こったのか。私はそのキッカケは1997年 6月11日の日銀法改正で日銀の独立性が強化されたからだと思います。

 市場関係者は当然金融引締めが始まると予想し、その直後から円キャリー取引の逆流が起こり、その煽りを受けて、アジア諸国の「金融」危機が起きたのです。

 そもそも、基本中の基本ですが、株価を見れば分かるように、金融は「予想」(期待)で動きます。消費税に加えて金融引締めが予想される日銀法改正という大イベントがあれば、おそらくファンドマネージャーも動きやすいでしょう。

 その当時、アジアは日本の裏庭のような位置づけで活発に投資されていましたしね。

 ということで、ざっくり言えば、アジア通貨危機は日本のせい。というのが私の結論です。
 日本が景気回復もしていないのに、金融引締め&緊縮財政というダブルで急ブレーキをかけたのが、アジア通貨危機の原因です。
 アジアに謝罪するとしたら、このことでしょう。当時の政府関係者(日銀含む)に代わり、謹んでお詫び申し上げます。orz

 これ以上アジアに迷惑をかけないよう、ただちに消費税率引き下げと、日銀法再改正を実施しなければなりませんね!


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