<登場人物>



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186 - 3 - 財政金融委員会 - 5号
平成26年03月18日
自由民主党の三宅伸吾でございます。
(略)
まず、内閣府にお聞きいたします。
本年1月20日に開催されました経済財政諮問会議に内閣府が提出しました中長期における経済財政に関する試算、その経済再生シナリオは、2016年度、2020年度の税収を、それぞれ60.5兆円、68.6兆円と推計しております。これらの2つの税収はどのようにして推計されたんでしょうか。
中長期の経済財政に関する試算における税収でございますが、経済財政、社会保障を一体的にモデル化いたしました内閣府の計量モデル、いわゆる経済財政モデルを用いて試算したものでございます。この計量モデルでございますけれども、賃金、俸給総額や企業所得等の所得面の動向、民間消費等の需要面の動向等を基にして課税ベースを推計し、これに税率を掛けるなどして税収規模を推計してございます。したがいまして、一般的には経済規模が大きくなるにつれ税収規模も大きくなるといった関係にございます。
また、中長期試算における各年度の税収についてでございますが、現行法に沿った増収に相当する額を織り込んでおりまして、消費税率につきましては、2014年4月より8%へ、2015年10月より10%へ段階的に引き上げられることを前提として試算してございます。
こうした経済規模の拡大に伴う税収増と消費税率の10%への引上げを踏まえた結果、経済再生ケースにおける国の一般会計税収は、2016年度には60.5兆円程度という姿となり、その後、更なる経済規模の拡大に伴いまして、2020年度には68.6兆円程度に増加する姿となっているものでございます。
この60.5兆円、68.6兆円、法人税、所得税、消費税などの内訳はどうなっておりますでしょうか。
中長期試算の計算過程におきまして得られる税目ごとの税収額でございますけれども、中長期の経済財政の姿を展望するという試算の目的に必要な程度で簡易な計算を行う計量モデルに基づくものであることによりまして、従前より内訳についてはお示しをしていないところでございます。
トータルの税収の予測をしながら、所得税などの内訳は公表してこなかったということでございます。枝葉の細かな税収を聞いているわけではなくて、いわゆる太い幹の所得税、消費税、法人税などについては私は公表していただきたいと思います。予測でございますので、検証できないとなかなか外部からは信用されないわけでございまして、公表した上で、民間エコノミストの批判を受けて更に精緻な試算の手法を磨いていただくことを期待いたします。
次に、財務省にお聞きをいたします。
税収弾性値という言葉がございますけれども、これはどういうものなのでしょうか。また、平成26年度予算の後年度歳出・歳入への影響試算では税収弾性値1.1を使っておられます。これはどういう理由で1.1なんでございましょうか。
税収弾性値でございますが、経済成長に応じまして税収がどの程度増加するか、そういうのを表す指標でございますが、後年度の影響試算、御指摘いただきました試算におきましては、この試算が中期的な将来の財政の姿を示すという性格を持っておりますので、税収の推計に当たっては従来から過去の平均的な税収弾性値を使っております。
この過去の平均的な税収弾性値でございますが、バブル期以降、名目成長率の絶対値が極めて小さくなっている、あるいはマイナスの場合もあるわけですが、その状況下で税収弾性値が大きな振れを示しておりまして、安定した実績のデータという点に着目をいたしまして、比較的安定的な経済成長を実現していた時代の、バブル期以前の平均的な値である1.1を用いているということでございます。冒頭申し上げましたように、経済成長と税収との関係ということでございますので、かなり長い期間で見てその平均的な数字を使っているということでございます。
税収弾性値とはどういうものかということにつきまして、もう少し詳しい定義をお聞かせいただけませんでしょうか。
いわゆる経済成長の伸び率がありましたら、その経済成長の伸び率が1増加する際に、例えば1%増加する際に税収がどのくらいのパーセンテージで増加するかという比率の数字でございます。
税収弾性値が1の場合でありますけれども、名目GDPが1%伸びると税収も1%伸びるということかと思います。
この平成26年度の影響試算、翌々年度からは1.1を使っているという理解でよろしいでしょうか。
当然、最初の年は最初の税制改正の影響ですとか様々な特殊要因がございますので、機械的な推計に入った以降の数字として使わせていただいています。
確認ですけれども、翌年度の税収見積り及びその税制改正の議論においては弾性値は使わないということですか。
例えば、今御審議をいただいております26年度予算の税収を見積もる際には、各税目の前年度、すなわち25年度の税収をまずできる限り精緻に見込みまして、それを翌年度の経済見通し等を用いて延ばすという手法になっております。例えばそれぞれの、法人税なら法人税、所得税なら所得税、消費税なら消費税ということで、別々に得られるだけのデータを使ってなるべく精緻に足下を計算しまして、それ以降は経済成長の数字ですとか様々な経済指標を使って延ばしていくという手法を行っております。
関連で内閣府にお聞きいたします。
先ほど、冒頭話題にしました2014年1月20日の経済財政諮問会議提出の内閣府、中長期における経済財政に関する試算の経済再生シナリオでございます。2014年度から名目GDP成長率が3%を上回り、2016年度には名目GDP成長率3.8%、2020年度には3.6%と試算をいたしております。その上で、2016年度、2020年度の税収をそれぞれ60.5兆円、68.6兆円と推計しているわけであります。
この税収の推計値を事後的に検証しますと税収弾性値は幾らになるのか、それぞれの年で教えていただけますか。
中長期試算の経済再生ケースの結果につきまして、国の一般会計税収の伸び率を名目GDP成長率で割って求めました税収弾性値の値を申し上げさせていただきます。なお、あらかじめ申し上げておきますが、中長期試算における消費税率については、2014年4月より8%、2015年10月より10%へ段階的に引き上げられることを前提としております。この場合、2014年度から2016年度にかけましては税収の伸び率が高まるため、税収弾性値は1を大きく上回ることとなります。
以上の点を踏まえた上で、税収弾性値の具体的な値を申し上げさせていただきます。2014年度につきましては3.1、2015年度につきましても3.1、2016年度2.5、2017年度0.9、2018年度0.7、2019年度1.0、2020年度1.0というふうな結果になってございます。
財務省の用いている弾性値でございます。古いバブル期前の弾性値の平均値と申しますか、実際には少し違うそうでございますけれども、1.1を使っていらっしゃるわけでございます。立場上、保守的で堅めであることは構わないと思いますけれども、景気回復期という今の経済状況を踏まえた少し高めの弾性値を用いた影響試算も是非併せて公表いただくと、いろいろ議論が高まるのではないかと思っております。
次に、内閣府にお聞きいたします。
政府は、国、地方を合わせた基礎的財政収支について、2015年度までに2010年度に比べ赤字の対GDP比を半減、2020年度までに黒字化する方針でございます。税収弾性値が例えば2や3であれば、2020年度の税収や基礎的財政収支はどのようになりましょうか。
内閣府の中長期試算におきましては、先ほども御説明いたしましたとおり、経済財政、社会保障を一体的にモデル化した計量モデルを用いて試算しているものでございます。経済と財政相互の整合性を保ちながら将来の展望をしているものでございます。
その上で、2や3といった極めて高い税収弾性値が2020年度までの長期にわたって続くと仮定することにつきましては、経済、財政の相互の整合性が保たれるという計量モデルの特性が失われると考えられるため、そのような試算を行うことには慎重を期す必要があること、また、そもそも中長期試算はあらかじめ特定の税収弾性値を用いて推計するものではないという技術的な問題があること、すなわち税収弾性値は中長期試算においては結果として算出されるものであることなどから、お示しすることは困難ということでございます。
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私なりにポイントをまとめると、次のようになります。
(1)税収の推計は中身不明のエセ推計
内閣府は増税を根拠として、税収の推計を出しているが、その内訳を出せない。かなりいい加減なものである可能性が高い。
(2)税収弾性値1.1はバブル期前の値
財務省はなぜかバブル期前の低い値を使っている。
理由は、バブル期以降は変動が大きいから無視していいらしい。全くもって意味不明です。
(3)実際の税収弾性値2~3
2014年度、2015年度の推計は税収弾性値3.1なのに、2020年度の税収弾性値として2~3として使うことはなぜか極めて高いとして使うことを強硬に拒否
この答弁から、政府の税収の推計が、かなりおかしなものであることは、わかると思います。
こんなおかしな推計をしても何とも思わないアタマのおかしな財務省・内閣府の人たちが、増税をゴリ押ししているわけです。
何度同じ失敗を繰り返せば気が済むのでしょうね?
デフレ脱却して景気が良くなれば税収も増えるから、官僚の裁量も増える気がしますが、何を考えているのでしょうね。
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