「新自由主義」というレッテル貼りと「極左」「マルクス主義者」というレッテル貼り | rxtypeのブログ since 2012

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日本経済の一番の問題はデフレ予想です。

 自称真正保守の人の中に、「新自由主義」という「レッテル貼り」を批難する人がいます。
私も「新自由主義」というレッテル貼りは嫌いです。
しかし、その真正保守を名乗る方も、彼らの主張の趣旨も理解せず、「極左」とか「マルクス主義者」とかもっと酷いレッテル貼りをしているので全く説得力がありません。
もし本当に愛国者なら、長期的な国益になるのであればイデオロギーに拘わらないはずです。
彼らは、マルクス主義のみならず、ケインズや高橋是清すら、共産主義や全体主義につながると拒否反応をおこします。
マルクス主義は理論は正しくても使える部分が皆無の「幻想」であり、害毒そのものですが、高橋是清やケインズはデフレ期においては有用な部分がたくさんあります。
彼らが信奉するハイエクだけが本当にどんなときも常に100%正しいということがあるのでしょうか?私は疑問です。
ハイエクの言うとおりにして、デフレ日本の凋落が止まるならいいですが、その証拠は一切ありません。

 自称真正保守の方たちが軽視しているデフレの問題は失業率だけにとどまりません。流動性の罠に陥いるため、将来への投資が激減することが問題です。実質予想金利が高ければ投資はできません。将来へ投資しない国が凋落するのは必定。デフレは長期的にも日本をボロボロにするのです。言い換えればデフレを放置すると民需が死滅し逆に大きな政府への流れが止められなくなります。

で、これまでの、自称真正保守の方達の主張とその反論を勝手にまとめます。
真正保守を名乗る方のブログのコメント欄で行われた応酬です。ここここです。そこのブログ主自身が書いているように、そのブログは「コメント欄の構造的欠陥」があるようなので、私のブログ(最近開設しました)に移動するようしつこく言われています。(本音は逃げたいのでしょう)

●雇用の最大化を目的とする中央銀行はまるで共産党だ

  →アメリカのFRBの目的は昔から、物価の安定と雇用の最大化と規定されています。
  →既にアメリカが共産国ということになります。

●「中央銀行に財源を求めること=インフレで国民の資産を収奪すること」である

  →そういう一面もあります。だからといって、深刻な問題を起すデフレを放置していいという結論にはつながりません。

●高橋是清でさえ、「国債の市中銀行の消化」を前提としていたのであって、インフレ率の推移には非常に敏感であった(そのため緊縮財政を主張し暗殺された)

  →概ね同意です。ただし、不胎化は10割ではなく9割。また、不胎化は景気が回復して民需が復活してから。この時間差が重要。また、暗殺を生んだ下地に恐慌による農村疲弊があることを忘れてはなりません。問題は暗殺の犯人たちであり、それを高橋是清になすりつけるのはアンフェアです。

●アメリカの失業率が高いから日本はデフレのままでいい!
  →深刻な問題を起すデフレを放置していい論拠にはなっていません(no link)

  →アメリカと日本を単純比較する初歩的ミスですね。
  →しかも、アメリカはリーマン・ショック後、QE1,QE2で金融緩和を行い、失業率を下げる成果を上げています。
   ※ただし、金融緩和さえすれば失業率低下すると100%保証するものではありません

●インフレになると金利が上昇し(3%程度が限界)、国債の利払いが税収を上回り、事実上、デフォルトとなる。

  →発行済の国債(固定利付債)の額面金利(クーポン)は決まっているため、利払いが税収を上回る事態になりません。
  →インフレになれば、新規発行分は除き、国債の利払いは増えないのに税収が増える状態になります。
  →したがって、これを見ただけでも日本がデフレからインフレになると政府負債のGDP比は確実に下がることがわかります。

●インフレになると国債価格が暴落し、銀行が巨額の損失を被る

  →逆に言えば、デフレで国債価格が暴騰し、銀行が巨額の利益を得ているということです。
  →銀行の「純利益」が2.4兆円を超えたそうです。 http://bit.ly/Kjv0Bd
  →暴利を貪りすぎです。
  →いずれにせよ、銀行も自己責任で国債を買っているので、銀行のために
  →深刻な問題を起こし、国益を毀損するデフレを放置していいという結論にはつながりません。

●国債の日銀引受で即破綻する

  →日銀はすでに92兆円もの国債を所有しているのに破綻していません。
  → それどころか、人類史上最低の低金利です。
  →アメリカもリーマン・ショック以降の短期間で70兆円もの国債を購入していますが破綻していません。

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 このように、今のところ、自称真正保守の人たちの主張に有効なものはほとんどありません。
 


 真正保守を名乗っている方へ。
思い込みやレッテル貼りや感情の吐露ではなく、データと論拠を示してください。それがないと、貴方が議論に耐えられない主張をしていることになります。

 それと、下記の10個の問いに答えを出してください。10個の致命的な問題を放置して他の人を批判する権利はありませんよ。

①日銀が購入した国債の利子はほぼすべて政府に返納されるのですが、御存知でしたか?

②日銀が国債を購入せずにどうやってインフレにするのですか?

③現在、国債の利率加重平均が1.24 %しかないのに、どうやって発行済国債の金利を高騰させるのですか?
そこまで何年かかるのですか?

④国債およびそのクーポンが強制的に日銀券に交換されることが「国家破産」だと仮定して、持っていた人は何に困るのですか?

⑤上記「国家破産」後、国債残高はいくらになりますか?

⑥日本のタンス預金の総額は約30兆円、「普通預金」の総額は約120兆円、企業の内部留保は461兆円と言われています。 (“休眠預金”は120兆円 日銀が試算(共同通信)大企業の内部留保461兆円 20位までに電力3社(日刊ゲンダイ)) 7%のインフレになったら、これらはどこに向かいますか?

⑦今の日本でインフレ率が7%になったら、GDP、GNIはそれぞれどれくらいになりますか?

⑧デフレのまま、どうやって財政再建するのですか?また、歴史上、それに成功した国はありましたか?

⑨デフレのまま経済成長は可能ですか?だとしたらどうするのですか?また、歴史上、それに成功した国はありましたか?

⑩現在、FRBが国債を大量に買い取っているアメリカのドルは、いつごろ紙くずになりますか?

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