10式戦車のセンサー
10式戦車のセンサー
先回、10式戦車の各センサーに外国製が積極的に使われていると書いたが、判明した「環境センサー」と「レーザ検知器」の2機種を紹介したい。
環境センサー(Meteological Sensor)
Meteologicalは気象と訳すのが通常なので、気象センサーとも言う。
環境センサーについては機材名盤自体に会社名が記載されている。
「THALES」
ザレス?
ゼイレス?
サレス?
どう読むのだろうと思ったら「タレス」でした。
本社はフランスにあり、防衛・宇宙事業などで有名な会社だそうです。
日本事業所はタレスジャパン
昨年、容易にわかると思ってweb検索したんだけど、タレスのサイトを見ても製品情報は入手できなかった。今回、検索ワードをいろいろ試してみたら見事カタログがヒットしました。
URL載せたかったんだけど、よくわからなかったので省略
イギリス軍のチャレンジャー2にも採用されているようです。
中身を変えるとNBCセンサーにも使えるようで、ドイツのフクスNBC偵察車にも採用
自衛隊もNBC偵察車や化学防護車に採用すいればいいのにと思った。
レーザ検知器
(LWS:Laser Worning Syistem もしくは LWR:Laser Worning Recivers)
イスラエル製のようなことを聞いていたのだが、調べてみたらアメリカ製
グッドリッチ社(Goodrich Corporation)というアメリカ合衆国の航空宇宙製造会社の製品だった。
製品名は「Model 301-MG」となっているが、別に「AN/VVR-3」とも表記。
ジェーン年鑑ではModel 301-MGの表記
現在米軍の使用しているM2A3ブラッドレー戦闘車に採用されているレーザ検知器(LWR)であるAN/VVR-1の後継機種AN/VVR-3のようである。
AN/VVR-1は波長1.06μmのYAGレーザ、YAGレーザなどを波長変換させた波長1.57μmのアイセーフレーザによる性能試験が米軍の資料にあるので、少なくともこの2波長と下図にあるヘリなどからのミリ波に対応してるのだろう。
米軍資料【US Army Ground Vehicle Survivability Symposium】(1999年3月29日)から抜粋
検知レーザ等は
① 戦車等のレーザレンジファインダー(レーザ測遠機)からの距離測定用レーザ
② レーザ誘導対戦車ミサイルの誘導レーザ
③ ビームライディング方式の照準レーザ
以上3種類に対応している。
また、レーザを使う交戦訓練装置の受光部にも使えるお得な装置のようです。
下記リンク先にはエイブラムス主力戦車とブラッドレー戦闘車の認定を受けているばかりか日本の主力戦車にも採用されていると明記されている。
【Japanese KTX main battle tank (MBT)】原文だが、TKXがKTXとなってしまっているのはご愛嬌
いやーネットってすごいよね。
富士学校開設57周年記念行事(その9)装備品展示編
富士学校開設57周年記念行事(その9)装備品展示編
さて、やっと装備品展示まできました。
今回の富士学校祭のでの一番の目的が装備品展示の10式戦車
装備品展示は13時からなので昼飯とカメラのバッテリー充電のために1回駐車場に戻ろうかと思ったら見知った顔を発見!
炎天下14時近くまで立ち話をしてしまった。
色々な情報を得られたし、展示場所に行ったときはお客さんもひと段落したした後だったんで結果的には良かった。
途中まで各展示装備品の記事書いたんだけど、つまってしまったので昨年の総合火力演習に続く10式戦車特集
正面から撮影する。
試作3号車と同じ砲塔なのだが、何だか華奢に見える。ドーザー付いていたほうが迫力あるような感じだな。
防盾部
上が直接照準眼鏡、下が同軸機銃の74式車載7.62mm機関銃
同軸機銃の穴でかすぎるよな。規正子見えてるよ。
量産車もこんなにでかいのだろうか?
砲塔左側
写真左上、防盾上の丸いレンズはMRS(マズル・リファレンス・システム:砲口照合装置)送受信部、レーザーを発信し砲身のゆがみを測定する。
量産車では防盾右側(向かって左)に取り付け位置が変更するようだ
四角い窓が2つ付いているものが砲手用照準眼鏡、10式戦車のメインサイト(主照準装置)である。向かって左の窓からは可視光照準のためのカメラレンズが確認できる。反対側の窓は熱映像装置(サーマルカメラ)用だが、フィルターがかかっているために中は見えない。
向かって右端の四角い3個の窓が付いている装置はレーザ検知器
砲塔の四隅に付いている。アメリカ製である。
砲塔右側
向かって左上に見えるものが車長用の照準装置であり、360度旋回するパノラマペリスコープである。
自動装填装置への外部給弾用扉、試作3号車とは異なる丸型である。
装填ホルダーの形状の違いから、90式戦車のように砲塔上部からの給弾が出来なくなったので砲塔後部に給弾口が移動
自動装填装置への給弾は90式戦車同様に外部及び内部の2箇所から給弾できる。
砲手側の側面装甲はターレットリングより狭い。
証拠写真のつもりだったが、よく分からない残念な結果になった。
砲塔左後部
側面モジュールに半分隠れているボルトの付いているものがERA取付用のボス
説明していた3佐の方の話では側面モジュールは雑具箱でボス隠しであり、正面楔装甲部分も単なるカバーだと説明していた。
真偽は定かではないが、軍事研究別冊に掲載されているイラストがほぼ的を射てるそうだ。
自分が描いたんだとは言いませんでしたけど(笑)
風速、風向、気圧、および気温を測定し弾道コンピュータに送る。
おフランス製のセンサー。
重要部は国産だけど、センサー等は外国製を積極的に採用しているそうです。
・・・仕切りがしてあって見えませんでした。
さすがですね。そこまで馬鹿じゃないわな。
非常脱出口
今回は車体底面の脱出口が確認できた。
試作3号車の時には気づかなかったのだが、操縦手ハッチわきに吸気口があった。
試作車にはエアコン付いているという話だったがそれ用だろうか?
自分の作った3DCG通りの位置でした。
ダストブロア用の排出口が無いのが疑問だったのだが、聞いた話ではトンでも設計になっている。
ちょっとあきれた。
エンジン室左袖部のでっぱりはAPU(補助発動機)が収納されている。
量産車ではコストがらみで、たぶんバッテリーに変更されるという話しだった。
信じたくない話だが、平時においてはやむを得ない処置かなあ。
量産車ではフラットになるということかな?
足回りは5脚、全油気圧懸架(ハイドロニューマチック・サスペンション)であり、姿勢制御が可能
何故、姿勢制御のデモをしないかは秘密だ。
ちなみにアクティブでもセミアクティブでもないそうです。
量産車は履帯(キャタピラ)のグローサ形状を変更、舗装道路走行用のゴムパッドを大型化するとともに90式戦車までの国産戦車履帯と同じように裏にゴムが付くタイプになるという話でした。
今回の10式戦車の展示は先回(昨年の総火演)に比べ近くに寄れたので新たな発見が結構あった。
また、先に書いたように知人や怪しげな説明好き3佐の話が聞けたので収穫が大きかったですね。
2009年採用の戦車が何故「10式戦車」と命名されたのか?とか、結構笑えた。
正直なところ、単に「戦車」になるんじゃないのかと真面目に思っていましたから。
10式戦車の量産初号車は7月には完成していたようで、8月に納入前試験走行を北海道で実施するという話でした。
震災の影響で富士演習場に空きがない上、総火演もあったのでいつも富士で行っていた試験走行が北海道に変更されたようです。
そんなわけで、すでに試験走行終わっているはずだから、量産車がお披露目されるのも近いのかな?
今月中にお披露目される可能性もありますね。たのしみだなあ。
ただ、部隊配備前に自衛隊側の性能確認試験があるようなので、配属部隊に納入されるのは来年になるかもという話でした。
この記事自体は先々週ぐらいにアップ予定だったんだけど、パソコンが逝ってしまわれたんで遅くなりました。
ハードディスクのデータは何とか拾えたのでよかったです。
被災地復興支援2
「どこですか?」
『門脇町』
「かどわきちょう?って、どこですか?」
『宮城県』
宮城のどこだろう?
荷の積み込み場所で地図をもらうと
【石巻市門脇町】と書いてある。
なんだよ、石巻港の近くじゃん。
片道約400km弱か・・・10時間かかる?いや、まだ8月だから高速道路無料だよ

とりあえず、40年ほど前に仙台に行ったことがあるくらいなので行き先をグーグルマップで調べてみた。
うっ・・・・航空写真が被災後の写真になってる。
でもストリートビューは2009年のものなのが、なにか切ない。
とりあえず明日未明というか今日深夜出発します。

そういえば、先回自分のいった場所(福島)はそれほど被害のあった場所でもなかったが、奥様と娘さんは宮城県だったのでボランティア先で震度5弱の地震にあってしまいました。
津波注意報も出たのでボランティア先の屋上に非難したそうだが、何事もなくよかったです。