サっちゃんはね
『佐藤恭子か…キョンキョンだとアイドルと被ってしまうからサっちゃんでいいかな❓️』
どこかで聴いた声で目を醒ましたサっちゃんの目の前に若い蔵人が立っていた。
(アレ❓️バルコニーじゃない
それにクロちゃんカッコいい)
サっちゃんが戻ったのは西浦邸のバルコニーではなく劇団のオーディション会場だった。
『そう言ったんだよね、
スギちゃんが』
若い蔵人の隣で若い杉井が微笑んでいた。
『お目覚めのようですね、佐藤恭子さん。』
『スギちゃん❗️
それじゃぁあなたたちも❓️』
(やっぱりスギちゃんの方がいいわ)
『ホラ、先生もあそこにいるよ』
杉井が指差した審査員席には小野ユキが座っていた。
『昔からの知り合いに始めて会うなんて
変な感じね。
あなたたちはいつ戻ったの❓️』
『僕はこの会場に入る直前、目を開けた瞬間にクロちゃんにぶつかっちやった。
クロちゃんは❓️』
『あ、ああそのちょっ前にね目を開けたら先生が目の前に立ってた。
あとで話があるから
それまでは流れに身を任せて
余計なことはするなって言ってたよ。』
『余計なことって❓️』
『オーディションを受けずに帰っちゃうとか
預言めいたことを言って顰蹙を買うとか』
『それって歴史が変わっちゃうから❓️』
『そんな感じだろうね』
初対面の再会を喜んだ三人はオーディションを終えたあと、会場の外の喫茶店で小野ユキを待っていた。
『起こることがわかってると緊張感がなくて安心だけどつまんなくなかった❓️』
『サっちゃん憶えてたの❓️
前の❓️
オーディションの時のこと。
僕なんかスッカリ忘れてて緊張しまくりだったよ。』
『スギちゃん、"緊張しまくり"って
この頃使ってたかな❓️
この頃はやっぱり緊張島倉千◯子だろ。』
『そうかなぁ、それも違うような気がするけど…』
三人は未来の記憶を思い出しながら初対面の再会の喜びを分かち合った。
『お待たせしたわね』
小野ユキがやって来た。
『念の為確認するわよ、スギちゃんとサっちゃんバルコニーってなんだかわかる❓️』
『もちろんわかります。西浦邸のバルコニーでしょ❓️』
『よかったぁ、サっちゃんもわかってるのよねぇ』
『もちろんですとも』
『安心したわ、オーディション会場なら三人に絶対会えると思ってずっと待ってたのよ。』
『先生はいつ戻ったんですか❓️』
『28年前よ。
3作目の執筆中だったわ。』
『え~っそんなに、
待ち遠しかったでしょう❓️』
『そうね、28年早送りもワープもなくガッツリ味わったわ』
『ガッツリってこの時代には使われていない言葉ですよ』
『アラ、そうだったかしら❓️』
『久蔵さんたちとは❓️』
『久蔵さんには時々会ってるんだけど、沙織さんとはまだよ。洋美さんはまだ生まれてないし…』
『それで流れに任せて余計なことはするなと…』
『そうなのよ、下手に世の中変えちゃったらあの可愛らしい洋美さんと会えなくなるかも知れないからね。だから洋美さんが生まれてくるまではおとなしくしておこうと思ったのよ。』
そんな私的なことで世の中の動向は左右されるものなのかとサっちゃんは思った。
『一つ質問してもいいですか』
『どうぞ、サっちゃん』
『最初のというか前のオーディションの時の先生はもう少しお年を召していたような記憶があるんですが、今はバルコニーの時と同じ今の私たちより少し年上って感じなんですけど、28年ずっとそうなんですか❓️』
『そうなのよ、でも違和感を感じる人はいないみたいよ。』
『何かしたんじゃあ〜りませんか❓️』
『一つだけ心当たりがあるわ』
つづく
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