シナリオ
『綺麗なクルマね、乗せてちょうだい
ドライブ行こう、すぐ降りるわ』
蔵人が呆気にとられている間に小野ユキはシズカちゃんの助手席に座ってシートベルトを締めていた。
『雪が降ってきたわ屋根閉めてよ』
『あっ、はい』
蔵人は慌ててシズカちゃんに乗り込み、エンジンをかけて屋根を閉じた。
『おフジさんはお元気❓️』
『今朝はご機嫌斜め…でしたが…
天気がいい…時は元気です』
蔵人はぎこちなく答えた。助手席の若い女性を自分自身にどう説明すれば納得してくれるのか思い倦ねていた。この理解を阻むものは何なのか❓️
『頭の中カオスになってるようね』
『あ、はい』
『スギちゃんに会った時はそれほどでもなかったでしょ、どうしてかわかる❓️』
『いいえ』
『知ってたからよ
あんたの脳みその中での最新型のスギちゃんそのままだったからよ』
『なるほど』
『私の場合はそうね
まずあんた、人は時間と共に老いてゆくという都市伝説を本気で信じてるでしょ❓️』
『都市伝説❓️』
『そう都市伝説よ
みんなが本気でそう信じてしまえばそのうち自然の法則みたいになってしまうのよ
だから100歳って聞いたらヨボヨボのお婆ちゃんを思い浮かべるのは無理もないけど、思い浮かべなくてもいいのよ
これが一つ』
『ハイ』
『二つ目はこの顔が問題よね
全然別の顔だったら別人に「騙された」で納得いくんでしょうけど
この顔見たらあんたの記憶が別の記憶と結びついてカオスにするのよ
昔の私の写真とか』
蔵人はまだモヤモヤしていた。
『辻褄を合わせないと気が済まないんでしょ❓️』
『え❓️ダメなんですか❓️』
『当たり前よそんなことしてるから
老けちゃうのよ
辻褄合わせは物語や映画を創る時だけやればいいの
あとは支離滅裂でいいのよ』
『辻褄が合わないってことは台本通りじゃないってことですね
それに気づくのはこの世界に住む人みんな台本を隅から隅までよく読んで
暗記して忠実に与えられた役を演じている役者だからですね』
蔵人はだんだん納得してきた。
『まあそんなところね
その本、誰が書いたか知らないけど
普通に生きてたらいつの間にか
刷り込まれてるわ
でもねそれに気づいたら
そこから抜け出すことが出来るのよ
私みたいに』
『どうやって❓️』
『それはね…その前にお腹空いちゃった
ランチしながらゆっくり教えてあげるわ
クルマ出してLets Go❗️』
つづく



