カレー味はカレーだ❗️


『旅に出ようか』
蔵人はいろんな人に会いたくなった。


『それなら、まずココに行ってみて』
杉井は住所が書かれたメモを渡した。


『ここは…』


『そう今の季節はそこにいるって』


『懐かしいなまだ生きてたんだ』


『失礼なヤツだなぁ、このビルのオーナーだよ』


『えー⁉️』


『三年ほど前、先生が朝のオンラインセッションに参加して頂いてから、時々先生のお宅にサっちゃんと二人でお邪魔するようになったんだ。昔話やセラピーなんかしているうちに話が盛り上がって、この施設が出来たんだ』


『へー』


『クロちゃんが来たら「愛に恋」って』


『ハハハ「愛」変わらずだなあのバァ…先生、いくつになったんだ❓️』


『100』


『だよなぁ、元気なのか❓️』


『元気だよ。あの頃よりずっと若いよ。会ったら恋に落ちるよ』


『ほんとかよ、それにしてもなんでみんなそんなに若いんだよ、スギちゃんもサっちゃんも先生も』


『クロちゃんの記憶には30年前の僕が僕に関する最新情報だったからかな』

『意図はわからないけど・・・の世界のクロちゃんには僕を再登場させる必要があったんだろう。もしかしたら30年の沈黙もシナリオ通りなのかも知れない。少なくとも30年前の姿で現れたら絶対見逃さないと思ったんじゃないかな』


『俺が世間的な60歳なのはどうして』


『クロちゃん自身が世間的な60歳だと強く思い込んでいるから周りにいる僕らはそう思わざるを得ないんだ創造主には逆らえません』


『迂闊に思い込めないな』


『そうこの世はすべて創造主の思い通り見えない所にも気配りをしないとね』


『30年普通に友達づきあいしてたら普通の60歳のスギちゃんがそこにいるわけだ』


『たぶんね』


『そういえば先生も若い頃はべっぴんさんだったんだろうなと思って写真を見せてもらったことがあったけど本当にべっぴんさんだったなぁ』

『そうだ』
蔵人は胸のポケットから赤い服のべっぴんさんの写真を取り出してじっくり見た。嬉しいような恐ろしいようなホッとしたような複雑な気持ちになった。
『べっぴんさんだけど先生とは別人だ
銀色の宇宙人は先生の仕業かと思ったんだが…』

『そうかも知れないよ本人に直接訊いてみるといいよ』


『ずっと待っていたのよ。一緒に暮らしましょう。なんて言われたらどうしよう』


『ハハハハハハそんなこと考えてたんだ、それならそれでイイんじゃない見た目はクロちゃんよりずっと若いんだし♥』

杉井は腹を抱えて笑った。

『でもー』


『100歳がブレーキかけるよね「○○○味のカレーとカレー味の○○○」みたいなことじゃないかな』


『そうかカレー味の○○○は○○○と呼ばれているだけで食べてカレーだったらそれはカレーだ、100歳って生まれてから100年たったというだけで・・・
なんてこった
どれだけ若いか知らんが向こうからしたら俺はとんでもない年上のオッサンでそんな気は微塵もないかも知れんのに
それに100歳だからということで自分の方が優位に立っていると思ってしまったよ』


『よかったね先生に会う前に気づけて』


『自分の思いがすべてってことか』


『誰かに出会った時、白紙のスケッチブックを渡されてその人との未来像を描いて、それが現実になっていくんじゃないかな』


『スギちゃんから渡された描きかけのスケッチブックを引き出しの奥で見つけたから、描きかけのスギちゃんが現れたってことか』


『そういうこと、そろそろ出発する❓️』

『うん、そうするよ行ってきまーす』

『いってらっしゃーい先生によろしく』


蔵人は慌ただしく旅立って行った 
             
つづく