前回(【スーパー基礎編】Tips 組立図に必要な主要寸法の意味を理解する)では「組立図」について観てみました.

ここでは、もう一つの主な図面となる「部品図」の構成について観ていきましょう。

 

現在の設計現場では 

 現在の設計現場では3次元CADを用いて、コンピュータディスプレイ内で品物を立体的に表示し、任意に回転させて形状確認をしながら設計する事が多いです。

 

一方で,部品の製造現場では 

 

 部品図を部品の製造現場で用いる際には第三角法(※1)に基づいた投影図で出力することで、作業者が実物と同じ形状・寸法長を確認でき、作業効率を図ることが出来るようになります。

 ※1:ISOでは第一角法も採用されています。日本国内における機械製図では慣例的に第三角法が広く用いられています。

 

 部品図に記入が必要な項目 

 

 部品図に記入が必要な項目は、実際の部品製造に必要な以下の項目となります。

 

  • 原寸で形状の分かる正投影図で形状記載。
    部品図では、製造作業者に実体の原寸をイメージしやすくするために、対称形状であっても、外法形状は必ずどこか一つの投影図には省略せずに表示する。
  • 部品製作に必要な各種寸法
  • 表面性状:仕上げ面精度を明示する。
  • 参照番号:※学校製図などで、複数の部品を1枚の用紙に描く多品一葉製図では記載する。
    なお、実際の製造現場では、部品毎に製造するため一品一葉となり、部品欄で特定できるため省略する。
  • 各種公差:幾何公差,サイズ公差など(上図には,未記入)
  • 表題欄・部品表:材質や必要個数、重量などが分かる。また、設計責任者や更新日などトレーサビリティに関する項目も製品を改良する際に重要である。
  • 第三角法の記号:図面がどの画法で書かれているかを明示することで、読み間違えを防ぐ。

 

次回に向けて 

 ここでは、比較的簡単な形状の部品を例に2つの図で部品図を示しましたが、実際の機械部品は複雑な形状となる事が多く、正投影法では複数の図を用いて1つの部品の形状を表すことになります。

 次回は,「第三角法」と呼ばれる所以の投影図配置について観ていきたいと思います。