前回(【スーパー基礎編】Tips「組立図」と「部品図」の目的を理解する))は「組立図」と「部品図」を作図する目的の違いを説明しました.
ここでは,まず「組立図」に必要な寸法について具体的にみていきたいと思います.
製品カタログに記載されている寸法
上図(参考URL:https://www.nabeya.co.jp/pdf/9103.pdf)は,実際の顧客向け製品カタログに記載された寸法例です.
顧客は,このような製品カタログを見ることによって,目的に合ったスペックかどうかを判断して,製品の購入を検討します.
その製品検討ためには,前回(【スーパー基礎編】Tips「組立図」と「部品図」の目的を理解する)で示したような,項目が記載されている必要があります.
次項では,上図を例に,具体的な寸法の種類を説明します.
組立図に必要な寸法の種類
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外法(そとのり)寸法(製品の外形のサイズを示す)
本体について:A(全長)×B(全高)×H(全幅)
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据付寸法(製品を固定して使用する際に必要な寸法)
固定脚ピッチ:F(長手方向)×I(幅方向)
穴オフセット:G(本体を作業机端に固定して使用するため)
固定ボルト関連:M(最大開き、ボルト選択に参照)
L(脚厚さ、ボルト長さ選択に参照)
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機能寸法(製品の性能を示す寸法)
固定可能サイズ:E(最大長)×J(最大幅)×D(高さ)
K(逃げ幅(突起部をこの穴を通して固定))
作業机からスライド面までの高さ:
C(逃げを利用できる長さ、固定高さの参考)
送り性能:P(スライド部のねじ送り性能)
アームの操作性:φ○(握り手のサイズ)×N(握り手長さ)
※注釈
※このような顧客向けカタログでは掲載スペースやその閲覧対象が限られるために省略されていますが、設計時の組立図では上記に加えて、以下の項目も記入が必要となる事があります。
- 梱包寸法(アーム(全閉状態)まで含めた全長。製品輸送時の梱包材の選定に必要)
- 作業空間確保に必要な寸法:アームの可動軌跡とその寸法
- 固定に利用できるボルト径の最小径(脚の最内側径、参考値)
ここでのポイントは,その製品を組み立てて,使用するために固定したり,実際に作業をするイメージを持ちながら,それに必要なスペースや工具が実際に使える?輸送のための梱包ができたり収納できるか?まで一連の流れまで想像できるかが分かりやすい図面を書く上でのポイントとなります.