〇二(壬)式自動高射砲は皇国陸軍の運用している自動高射砲(対空機関砲)。





◆開発
口径37mmの五三式自動高射砲は便利な砲であったが、拠点防空用の据え置き式であり、戦場を常に移動する部隊の防空装備には向いていなかった。そこで、車輪を備え、機動力に長ける新たな高射砲として開発されたのがこの「〇二(壬)式自動高射砲」である。〇二(壬)とは令和2年の5月(壬午の月)に制式化されたことに依る。

 

 


◆構造
自動貨車・装甲車はもちろん、軍馬による牽引も想定して軽量に作られている。防盾は無い。

自動車での牽引〉

 

〈軍馬での牽引〉

 

口径は20mm。機構の上部に装弾する。
対空射撃は車輪を取り外して実施することになっている。しかし、応急射撃・対地射撃の際はそのままで発砲することも多いようだ。

〈射撃姿勢 砲の手前に3つ置いてあるのは弾薬〉


 本砲だけでも射撃可能だが、専用の管制装置もある。

〈管制装置〉

 

輓馬での移動には、砲を牽引するのに2頭、管制装置と弾薬箱の運搬に1頭を必要とし、この3頭と兵3名で高射小隊となる。

〈砲本体の牽引〉

〈弾薬箱・管制装置の牽引〉

 


◆配備
馬で牽引できる特性を活かし、騎兵部隊へ優先的に配備されている。
本砲と〇一(丙)式速射山砲2門ほか補給装備を有する第73騎砲兵大隊(騎動第4旅団の隷下)が編成されている。


〈市街戦での水平射撃〉



■あとがき■

半月ぶりの更新です💦 これでも以前に比べたらだいぶ頻度は高いほうですが…。

 


さて、今回は馬で運用できる高射機関砲です。もちろん自動車・鉄道でも運べますが、いちおう主目的は馬。

というのも、この砲は騎兵旅団(上画像)の創設に伴い設計したものなのです。部隊に対空火力は不可欠ですが、かといって対空戦車は量産できないので、新しく作った次第です。

 

ちなみに、日本陸軍の九八式二十粍高射機関砲を参考にしました。
 

山砲とは違って分解・駄載は想定しておらず、移動には馬2頭で挽きます。その山砲と併せて「騎砲兵」の部隊を編成出来たのが楽しいです。山砲もいずれご紹介したいです。

なお、地上設置用の三脚は運搬時に仕舞います。畳んだときに車輪と干渉しないようにするのが意外と大変でした。

 

おわり