松竹座はひっかけ橋すぐそばにあり、いわば「ナニワの顔」的な建物だ。
創建時より堂々とした大アーチが今も残る素晴らしい劇場で、舞台や演者と近い花道席があるため、コンサートホールとはまた違った魅力があふれている。
今では歌舞伎だけでなくジャニーズのライブまでさまざまなものが観られるようになったが、あの場が昔は映画館であったことを若者は知らないだろう。
私は別に大阪を分断したいわけではないが、どうも歴史やナニワの文化継承については南側のほうが熱心であるような気がいつもする。
梅田では90年近い歴史に幕を下ろした「うめきた」、建て替え後はバスターミナルになる予定の「マルビル」、そんなことをいえば「阪急百貨店」も一部取り壊しになっている。
近代建築にしろ文化的情緒にしろ、北側は結構ドライに時代を受け入れているのに対し、南はどちらかと言えば「古き良き」を大切にしている印象を受けるのだ。
さておき、そんな松竹座がタイアップの相手に選んだのが大阪芸大というから、OBとしては取り上げないわけにいくまい。
同大学のデザイン学科学生が、プロジェクトの第一弾として大阪松竹座開場100周年を記念するアニバーサリーロゴタイプのデザインを制作した。
緑色で水引をモチーフにしたロゴタイプは、上半分は松竹座の外観のアーチをかたどっており、ひとびとの「繋がり」や「縁」を表現しているそうだ。
さらに、第二弾ではまた別の学生が松竹座の公式キャラクターを制作。
かわいらしい(ダンディというべき?)男性キャラクターは松竹座の外観のアーチを模した帽子をかぶり、松竹座を象徴する緞帳「有職麗華」の紋様の髭、松のポケットチーフを胸にさしている。
そのキョロっとした愛らしい表情で、松竹座に新しい人気を招き入れてくれることに期待したい。
松竹座は2023年の1年間、「大阪松竹座開場 100 周年記念公演」を開催。豪華なラインナップに今からわくわくしている。来年は“ミナミ”へ出かける機会が増えそうだ。
