松竹座はひっかけ橋すぐそばにあり、いわば「ナニワの顔」的な建物だ。

創建時より堂々とした大アーチが今も残る素晴らしい劇場で、舞台や演者と近い花道席があるため、コンサートホールとはまた違った魅力があふれている。

今では歌舞伎だけでなくジャニーズのライブまでさまざまなものが観られるようになったが、あの場が昔は映画館であったことを若者は知らないだろう。

 

私は別に大阪を分断したいわけではないが、どうも歴史やナニワの文化継承については南側のほうが熱心であるような気がいつもする。

梅田では90年近い歴史に幕を下ろした「うめきた」、建て替え後はバスターミナルになる予定の「マルビル」、そんなことをいえば「阪急百貨店」も一部取り壊しになっている。

近代建築にしろ文化的情緒にしろ、北側は結構ドライに時代を受け入れているのに対し、南はどちらかと言えば「古き良き」を大切にしている印象を受けるのだ。

 

さておき、そんな松竹座がタイアップの相手に選んだのが大阪芸大というから、OBとしては取り上げないわけにいくまい。

 

同大学のデザイン学科学生が、プロジェクトの第一弾として大阪松竹座開場100周年を記念するアニバーサリーロゴタイプのデザインを制作した。

緑色で水引をモチーフにしたロゴタイプは、上半分は松竹座の外観のアーチをかたどっており、ひとびとの「繋がり」や「縁」を表現しているそうだ。

 

さらに、第二弾ではまた別の学生が松竹座の公式キャラクターを制作。

かわいらしい(ダンディというべき?)男性キャラクターは松竹座の外観のアーチを模した帽子をかぶり、松竹座を象徴する緞帳「有職麗華」の紋様の髭、松のポケットチーフを胸にさしている。

そのキョロっとした愛らしい表情で、松竹座に新しい人気を招き入れてくれることに期待したい。

 

松竹座は2023年の1年間、「大阪松竹座開場 100 周年記念公演」を開催。豪華なラインナップに今からわくわくしている。来年は“ミナミ”へ出かける機会が増えそうだ。

大阪芸術大学アートサイエンス学科主催で、Rhizomatiks × ELEVENPLAY × Kyle McDonald「discrete figures 2022version」が開催される。

日程は10月21日(金)22日(土)、COOL JAPAN PARK OSAKA WW HALLにて。

 

横文字の長い名称なので、ぴんと来ない人も多いと思う。(僕がそう。どこからどこまでが名称なのか人物名なのか、まったく見分けがつかない)

そんなわけでちょっと調べてみた。それによると、大阪芸術大学は2017年に「アートサイエンス学科」を開設。ちなみに日本初にして唯一の学科だ。これはアンドロイドやAI、IoT、5Gなどなど先端テクノロジーを駆使したアート学習環境だそうだ。

 

続いて「discrete figures」は、AIや機械学習などによって「数学的で集合知的な方法を通して身体の動き(ムーブメント)をつくり出すダンスパフォーマンス」らしい(原文ママ)。うーん?ちょっと難しいぞ?まぁいい、進もう。

2018年にスタートしてからは、同団体(ニュース上では「本作」と称している)は世界7カ国、10都市でパフォーマンスしている。

今回の公演は実に3年ぶりとなるらしく、大阪芸大アートサイエンス学科による主催で大阪文化芸術創出事業実行委員会と協栄で開催する。

演目は2019年10月の札幌芸術劇場hitaru・2019年12月のMUTEK JPで披露したスペシャルエディションの再演、とのこと。

 

実在するダンサー×バーチャルなダンサーが織りなすパフォーマンスとは、いったいどんなものなのだろう。

正直調べる前はテクノロジーとアートとは一見かけ離れたもののように感じていたけれど、それは僕がいかに「旧バージョン」人間であるかを知る良い機会だった(笑)

 

一昔前の「かくかくしたロボット」や「目の粗いドット絵」の時代ははるか遠い。

今や、新時代のクリエイティブに科学は必須と言ってもよいほど、デジタルは進化しているし、チラリと覗いたところ、とても幻想的な雰囲気をまとっていた。

本公演、時間が合えばぜひ実際に観てみたいな。

 

しかしねぇ、「アート」「サイエンス」の時代に先駆けて学科を設置した大阪芸大の先見の明には驚かされるものだ。

 

おなじみの極太明朝のフォント。
展覧会の看板を前に、私はドラマのオープニングを夢想した。

日本のアニメ界、映画界を背負って立つ俊才。
ヒーローもの、特撮ものに新たな生命を吹き込んだ鬼才。

大阪芸術大学在学中に、すでに天才は覚醒していた。
彼が頭の中で描くイメージは、「とんでもない」ものだった。

猟奇的ともいえるディテールへのこだわりは、
しかし、多くの人々を巻き込んだ。

彼は、クリエイターであるが、監督でもある。
自分の世界を具現化するために、多くの人を動かす。
そんなことが出来る人だから、企業経営もやってのける。

展覧会場には熱気があふれていた。
それは、観客が発するものだけではない。
庵野氏にまつわる展示物すべてが、
異様な熱気を発散しているのである。
 

これは、危険な展覧会かもしれない。