続き
ミンツの下で働くことは絶対に嫌だと思い、
このままニューヨークに留まっていても仕方がないので、
カルフォルニアへ帰るため、妻とともに汽車に乗り込みました。
ウォルトは大きな黄色いノートを取り出し、くつろぐ妻の隣でなんとなくいたずら書きを始めました。
ごみごみとした東海岸、ゆるやかな丘陸地帯のペンシルベニア、平坦な緑の農地オハイオ、インディアナへと汽車は快調に走っていきます。
道中、悲しみや怒りがフツフツとわいてきましたが、
汽車の絶え間ない振動がウォルトのいらだった神経を次第に落ち着かせました。
すると、いたずら書きが次第にある形を取り始めました。
大きな丸や、小さな丸をつなげたり交差させたりして、まず胴体を作る。
次に、頭と耳。楕円は鼻らしきものになりました。
それに棒のように細い足が加えられて、ほぼできあがりました。
横で見ていて妻のリリーは、ウォルトがネズミを描いていることに気がつきました。
すると、ウォルトは「どう思う、モーティマー・マウスっていう名前は?」と聞きました。
ようやくウォルトの顔に笑顔が戻りました。
リリーも笑いながら言いました。
「モーティマーって名前、あまり気に入らないわ・・・」
ウォルトはさらにネズミの耳を書き足したとき、
リリーが「ミッキーはどうかしら?」と提案したのでした。
仲間を失い、大切なキャラクターも失った、ウォルト。
人生を投げ出してしまいたくもなるような境遇です。
でもこんな境遇でも乗り越えてウォルトはミッキーを生み出すことができました。
人生のどん底にいるような気分でも、どこで好転するかなんてわからない、目先のことに囚われないことの大切さをウォルトは教えてくれている気がします。
ただ、くらーい気持ちのままではいいアイデアなど浮かばないと思います。
ウォルトも大好きな汽車に揺られているうちに、リフレッシュしたのではないでしょうか。
どん底気分のときは、好きなことをしてリフレッシュ!
そして、考えてばかりいないで、手を動かす!!
これが大事なのかもしれませんね。