16粒目「知はウロボロス ~NHKスペシャルー原爆死ーを観て」 | 砂のブログ

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「線は無数の点から成り、…」で始まるボルヘスの
“砂の本”の様に、始まりも無ければ終りも無い
日々の営みの中で感じたことや思いついたことなどを
つらつらと綴っていこうかなと、ね。

NHKスペシャル
原爆死 ヒロシマ ー72年目の真実ー

を、観て。


1945年(昭和20年)
8月6日午前8時15分
原爆投下

広島市の当時の推定人口
およそ35万人

当日8月6日の死者
53644人

原爆投下当年内の死亡者
およそ15万人

被爆者総数
およそ55万7千人

市の人口より
被爆者が多いのは
市外からの
出勤や通学
勤労動員や学徒動員
投下後に
身内の捜索や
救援や支援の為に
爆心地へ入り被爆された方々が
いるからですが

彼らが
いつ?どこで?どのように?
被爆したのか
命を奪われていったのか
その詳細は判っていませんでした

そこで、

死亡日時
死亡場所
死因
家族構成などの
個人データ
火災データ
気象データ
被爆者の描いた絵
NHKの取材情報など

膨大なデータを
当時の航空写真に重ね
一人一人の
当日の行動を可視化
そこから視えてくる真実に迫る
というものです。




様々なデータを一つにまとめ
全体像の把握や
行動シミュレーションにより
経緯や経過を知ることは
重要なことなのに

これまで国は
膨大なデータを
集めるだけ集めて
しまいっ放しだったのかと


なのに、
アメリカに命ぜられ
被爆者の医療や検視
人体実験のデータを収集し
御丁寧に翻訳までして
渡しているわけで

しかも、
そのプロジェクトの費用は税金から
そもそも、
命令されなかったら各データの収集も
行わなかったのでは?

と。


アメリカは
原爆の開発に成功し使用した
けれど、それは開発競争に
勝ったからで

ドイツ、イギリス、
そして日本も
その競争に参加していたわけでさ

ドイツが一番乗りなら
イギリスに
イギリスが一番乗りなら
ドイツに
そして日本が一番乗りだったら
きっと絶対確実に
アメリカへ原爆を投下していた
ことでしょうし

原爆以外にも日本は

レーザー兵器や細菌兵器

脳をいじって
感情や恐怖心を消す
ロボトミー手術は勿論

新鮮な死体を集め継ぎ接ぎ
蘇らせる人造人間
(要は、フランケンね)

呪術部隊や超能力部隊

等々、現実非現実問わず
様々な研究開発が
行われていたそうで

ま、戦争自体が
非人道的非倫理的で
狂気じみてるんだから
勝つ為には人道も倫理もクソもなく
手段を選ばず理性も飛んでしまうのは
どう仕様も無いことなのかも
知れませんが


祖母に聴いた話だと
婦女子は空襲に来た爆撃機を
竹槍で突いて落とす訓練を
させられてたそうで

勿論、無理なことは分かっていても
指導に来た兵隊さん曰く
「気合いだ!!!」そうで
皆も疑わず従うほど
マヒしていたんだよ、と


そんな国の
そんな政府ですから

被爆者への対応は
日本全土の復興の妨げ
厄介面倒な戦後処理くらいにしか
考えてなかったのかも
知れません。


そういった
闇の部分を隠し
明るみにせず

敗戦国
被爆国となったことで
武装放棄
非核三原則を掲げるのは

例えるなら
虐待が原因で
被虐待者から報復として
暴力的被害を受け
被害者ぶってる
悪人の様でさ

母国ながら
いや故に
残念でしかなく

ウンザリです。


ていうか、

日本は
原爆の開発に
着手していたのですから
被爆者への対応は勿論
放射能汚染の問題や対策は
心得ていたはずで

なのに、
被爆者と
彼らを助けようと
奮闘する者らや
爆心地へ向かう者らへ
何ら警告も対策も

と、いうことは

切り捨て
見殺しにすることを
決め込んだということに
他なりません。


原爆投下の情報も
事前に得ていたという
話もありますしね




扠、

多くの学者や研究員などが
今後の為に何かの役に立つのではと
地道な努力をされており

今回の様な
知られざる真実が
知れる番組なども作られましたが

只、忘れてはいけない
というか気を付けなければいけないのは
新たな技術の発明研究開発は
先ず軍事目的か軍事への
有効利用を考えるのが

国であり
政府であり
企業であり


HONDAだっけ?
オート・バランサー搭載の
倒れないバイクの技術を元に
走行性安定性の優れた
電動車椅子を開発したの

けどさ、

PC携帯ネットドローンなんかと
同じ様に
その技術も元々は
足場の悪い地形で
戦車や輸送車輌を
円滑に運用する為や
偵察や戦闘や輸送ロボット
の、為の技術でさ

民間に出回る様に
なったということは
既に実用化に漕ぎ着けたから
ということで

決して盲目的に
信用してはいけない
ということ。


今回の検証結果でさえ
より効果的な
核兵器をはじめ
大量破壊兵器
細菌兵器
運用へのサンプルデータに
成る得るわけで


原爆自体
一撃の破壊力殺傷力を目的とした
通常のミサイルや爆弾と
異なり、
混乱と恐怖の持続を目的とした
性質が強いですしね


そもそも、

原爆の元になる
核分裂反応を発見した
科学者らが
爆弾や
絶対に安全安心ではない
原発という名の核地雷などを
生み出すつもりは無かったであろうに

“知恵”は
善にも悪にも利用され

悪に利用する者らは
善悪どうこうではなく
利益の為に
有効か否かでしかなく

善いことへの
有用を考えると
同時に
悪いことへの
有用を防ぐことも
考えなくてはいけない

と。




なんかねえ、
こういった事について考える度に
思い浮かぶのが

神話などに登場する

自身の尾を咥える世界を覆うほどの大蛇
ウロボロスや
ヨルムンガンド

なんだけど


その姿は、
陰陽や輪廻や循環などを
象徴しているのですが

自分には、

自身の尾を獲物と間違え咬む蛇や
自身の尾を追うおバカちゃんな犬などと

同じ様にも思え

先を考えず全体を見ず
堂々巡り鼬ごっこを
延々と繰り返す人間の滑稽さを
示している様に

見えるんだよね。