552粒目「セルーのゾウたち」 | 砂のブログ

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「線は無数の点から成り、…」で始まるボルヘスの
“砂の本”の様に、始まりも無ければ終りも無い
日々の営みの中で感じたことや思いついたことなどを
つらつらと綴っていこうかなと、ね。

今週放送の「世界遺産」
を、観て。




九州のおよそ1.5倍もある

アフリカ
タンザニアの
セルー動物保護区

に、住む
“カバ”
“キリン”
“ゾウ”
へ、スポットをあてたもので


ほとんど水中で
過ごすにも関わらず
泳げず、
水底を歩いて移動する
カバにとって
浅いセルーの川は住みやすく
世界最大の
3万頭が生息する
カバ王国


イメージ的には
草原に住んでるっぽい
かもだけど、
実は森林に生息する
キリンにとって
豊かな森が広がるセルーは
まさに楽園


動物の模様ってさ
キリンなら生い茂る木々に
シマウマなら草むらに
紛れ隠れ
ライオンなどの
捕食者から身を守る為に必要
だからあるわけで

それを持ち腐れにする環境に置けば
どうなるか?

身を隠すことのできない
動物園の檻で暮らせば
どういう精神状態になるのか?

人間が
ライオンやクマの群れの中で
暮らしたらさ

ストレスどころか
精神をヤられるよね?


動物園は
動物の生態を知ることで
愛護や保護の心を養い
共生を理解する為にある
というのは素晴らしいこと
の、様に聴こえるけど

人以外の動物にとって
人間は生態系と
食物連鎖を破壊する
敵でしかなく
余りにも勝手な言い訳で

その事を、
理解させた上で
動物園が成立するので
なければ
やはり只の
収監者ツアー、
見世物、
なんだよねえ





扠、

セルーは
ゾウにとっても楽園で
10年前には
およそ11万頭も
暮らしていたのですが

“象牙”を狙った密猟が横行し
今では1/10にまで
激減してしまいました。


10年で1/10
1年で約1万
1日で約27
1時間に約1頭



ネイチャー誌などで
その事を知ってはいたのですが

密猟者に
仲間を殺されまくった
ゾウたちが
その恐怖から
人の姿を見ただけで
パニックに陥り
一目散に逃げ出す様になってしまった
という事実と映像に

かなりのショックを受けました。


野生の動物にとって

ま、ネズミやウサギ
なんかは別にしても

人間なんかは
恐れるに足りない
恐れる必要もない
相手でさ

鳥の様に空を
飛べない

魚や海獣の様に水中を自由に
動き回れない

猿やリスの様に
木々から木々へと移り
跳び回れない

ゾウやサイなどの様に
ライオンの牙や爪も通さない
硬く分厚い皮膚もなく

インパラやガゼルの様に
草原や岩場を猛スピードで
駆け回れず

シマウマやキリンや水牛に
数百キロの体重で
のし掛かられたら
ぺちゃんこだし
ガチで蹴られたら
軽く骨折
頭や内臓なんかは
パーンでさ

サイなんか
ランクルでさえ軽く横転させ
角はドアをぶち抜くし

特に、
陸上動物
最大最強の
ゾウは

車に乗り銃を持った
人間相手でも
多少の警戒はしても
恐れたりなどしません。


それが、
こうです




ここまでのことになるには
おそらく、
十数人十数台で
群れごと根こそぎ
が、繰り返されたんでしょうが

どうして、
そんな酷いことが
できるんだろうか?

生きる為に
他の命を奪い喰らうのは
生物の常ですが



ああ、
もう、
なんかさ、

語るのも苦しくてさ




滅亡、
してくんないかな
人間はもう

と。