540粒目「夫が自身の妻を他人の前でどう呼ぶのが正しいのか?」 | 砂のブログ

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「線は無数の点から成り、…」で始まるボルヘスの
“砂の本”の様に、始まりも無ければ終りも無い
日々の営みの中で感じたことや思いついたことなどを
つらつらと綴っていこうかなと、ね。

夫が自分の妻を
他人の前で
どう呼ぶのが正しい?
という記事を読んだのですが


妻…
夫(自分)の配偶者

嫁(嫁さん)…
息子の妻

奥さん(奥様)…
相手(他人)の妻、
既婚者と見える女性

家内…
家の中で暮らす人、
亭主の妻

カミさん(上さん)…
商人の妻、
その家の女主人

女房…
妻のこと、
朝廷に仕える女官

と、ありましたが


扠、

勿論、正しいのですが
これだけだと
ちょっと言葉足らず
と、思ったので
勝手ながら捕捉です。




“夫妻”という言葉通り
“妻”は
“夫”の配偶者



“嫁ぐ”という言葉がありますが

嫁ぐ、
嫁がれる、
嫁がれた、
などの言葉は

ある家、家族、一家から
他の家、家族、一家へ
という行動を指し

そこに嫁いで来た
女性のことを指すわけで
その家、家族や一家の
長である
両親から見た

息子の妻



奥さんの
“さん”は
“様”が
変化したもので
“様”は敬語ですから

他人の妻や既婚者の女性
そう見える女性のこと



“家内”は文字通り
“家”の
“内”で、つまり

家の
内側、中、屋内、
家に住む人、家族、
と、広義の意味があり
妻に限らない



“カミさん”の
“カミ”は
“上”のこと
“上方”

つまり江戸時代の
大阪や京都のことで
(上方)商人の妻や
女主人のこと


どうして全国で
カミさんという言葉が
常用される様に
なったか?といえば

江戸は
首都だけど
商業の中心地は
大阪や京都で

当時の最先端の
ファッション
アート
エンターテインメント
などは、
大阪や京都が主流
つまり、
流行の発信地でさ

大阪、
堺の商人が
江戸で経営する
呉服屋などは
江戸の人々にとっては
今でいう
海外高級ブランドの
支店の様なもんで

そこのスタッフが交わす
関西弁は憧れで
真似したりするのも
今でいう
大阪の芸人さんによって

なんでやねん
とか、
なにいうてんねん
とか、
が浸透したのと同じこと



女房は
朝廷に仕える
女官のこと

で、どうして妻を指す言葉に
なったか?というと

一家の大黒柱
一国一城の主

などという言葉が
あるように男尊女卑の風潮から

家の主、夫
=殿様



と、なり

実は
妻や女性に対する
差別的な用語




扠々、

と、いうわけで
夫が自身の配偶者を
正しく呼称する言葉は
やはり“妻”だけ

なんですが、
伝わればいいじゃん的な
日本人の気質から

まぁ、別に

という感じなんだろう

けどさ、言葉の意味を知ると

人生を共に歩む大切な人
くらいは
ちゃんと呼ぼうぜ
なんて、
思ったりはしない?


自分が読んだ様な
ああいう、
トリビア的な記事は
それはそれで素晴らしいこと
なんだけど

もう少しグローバルに
どうしてそうなったのか?
と、いうことも伝えないと

ねえ?