仕事でスズキ バーディー50のお相手をしました。
この暗い緑色のバイクです。
なんでも、お客様のお父さんが乗っていたバイクで、思い入れが
あるので、ぜひ乗り継ぎたいと思ったそうです。
その割には、何かゴチャゴチャ付けようとした跡があります。
ご依頼の内容は「メインスイッチを入れるとヒューズが切れ、
色々自分で調べてみたけど、どうしても原因個所が分からないので、
調べて欲しい」と言うものです。
で、ゴチャゴチャ付けていたけど、後付けした配線については
切り離してあるそうで、配線が一杯付いています。
しかも、どの回路に接続してあるのか分からない赤と黒の
電線ばかり。 (;^_^A
切り離してあると言っても、本当に切り離されているか、
すべてチェックする訳にもいかん。
カブ形のスズキ版で、ヤマハのメイトなんかも有りましたが、
素人さんからは、みんな「カブ」と呼ばれていましたね。
実はうちの店でも、メイトのオートマを使っていました。
では調べ始めましょう。
どのカブ形商用バイクも構成はそれほど違わず、
バッテリーやレギュレーターは右サイドカバー内。
まずバッテリーを外します。
バッテリーを外したら、ヒューズがブチブチ切れると調査を続けられ
ないので、ガラス管ヒューズも外し、
直流電源装置から12Vを印加して事象を確認します。
大型バイクなら、切れたヒューズから大体の回路が分かるのですが、この手の古いバイクはバッテリーにヒューズ1個なので、
あとはギボシなどのジョイント部分を切り離しつつ、事象を観察して
ショート箇所を探す以外にありません。
ここで配線図があれば、探しやすいし、流れる電流の配線色から
配線用途も分かるのですが、今回は配線図は無し。 ( ノД`)
ネット検索で、バーディーは残念ながら無し。
近い車種の配線図を得ます。K50が有って事でたので参考にします。
切り分け作業に邪魔なヘッドライトハンドルケースを取り外し。
ケースを外すにも、一旦コネクターを解除しないとケースが抜けない
ので、ケースを外してから、コネクターを再接続して、
先ほどと同じように12Vを印加したところ、ショート現象が消滅!
何が悪かった?? 戻っちゃうと原因追及ができないんだよね。
→ この時、1本接続し忘れていたコネクターが!
もう1度組み立ててみます。 元通りだと再現するかもしれません。
組み立てました~ → 再現しました~ どこが原因??
ヘッドライトケースがあると再現し、ケースが無いと事象は復帰。
ライトケースは樹脂だから、ケースに接触したからショートするのでは
ない。
メインハーネスが曲げられるから、ショートが発生するのか?
じゃあ、メインハーネスの配線に12Vを掛けてみよう。
→ メインハーネスの3本ぐらいにショートの電流が流れる。
黄/赤と黄/白、そして緑/白の3本。
配線図があれば何の配線か分かるが、同じ配線色の電線を
見つけない限り、使用用途は分からない。
う~む、確か黄/白はジェネレーターコイルに使っていたな。
ならば、コイルが片側アースだから、DC電圧ならショート現象になる。
黄/赤もコイル関係の様ですが、どこでコイルに接続されているかは
正確には分からない。
緑/白は周囲を観察したら、見つけました。
ポジションライト点灯時の電圧抑制用の抵抗に接続され、抵抗の
反対側はアースの黒/白です。
これも回路上関係がない。
コイル直のAC回路と、アースに接続される低抵抗なので、
ヒューズ切れの事象には関係なしと判明。
じゃあ何?
もう一度考え直します。
ヒューズがつながるのは赤線、メインスイッチを入れて赤線と
接続されるのは橙線。
メインハーネスの橙に12Vを印加して、ギボシやコネクターを1本づつ
接続していって、電流が大きく流れるのは・・・
右スイッチに行っている黒いコネクター。
黒コネクターが配線保護チューブと同じ色なんで、ヘッドライトケースを
外して再現試験しているときに、接続するのを忘れていたようです。
(;^_^A
じゃあ、右スイッチを外してみましょう。
配線の束から下側に分かれているブレーキスイッチ。
ここに橙がいます。
ウ~ム 傷があるね。
保護チューブをカットします。
電線を噛み込んだ跡が。
ハンドルスイッチケースをクランプする時に、挟み込んだみたいです。
このクランプ部分、取り付ける時にアクセルワイヤーや配線類を
気にしなきゃならないし、ミラーが付いていると取り付けづらい。
そして、グリスで汚れて配線を通す穴(凹み)が見えなくなる。
まず、スイッチケースの汚れを綺麗に落としたら、挟み込んだ部分で
電線をカットし、直線ジョイントのスリーブ金具で接続した後に、
熱収縮チューブで絶縁処理。
いつもだと、熱収縮チューブのほかに絶縁テープを付けるのですが、
テープを追加すると電線を通す穴に入らない。
接続したブレーキスイッチ配線をテープ巻して、挟み込みに注意
しながらスイッチケースを取り付けます。
コネクター類をすべて接続し、12Vを印加して、ショートが無いことを
確認。 → OKです。
ライトケース内のウィンカー配線で、余計な配線を整理して、
ライトケースとハンドル周りをすべて組み立て。
バッテリーをつないで、すべての保安装置を確認し、エンジンを
始動してライト関係点灯を確認したら終了です。
配線図が無いとつらい。 (;´∀`)
余計な時間を食う。
配線図があれば、半分の時間で修理できたと思う。
お客様に連絡して、お引き渡しです。
この後お客様側で、フォグランプや電圧計などを接続する様ですが、
すんなり行ってくれると良いですね。
おしまい








