お仕事でハーレーレギュレーターのお相手 | 退職してバイク電装屋

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仕事でハーレーのXL用らしいのですが、レギュレーターのお相手を

しました。

 

送られてきたのが、

ハーレーレギュ3個

こちらの3個。

 

預かってからリレーのカバーを外したのではなく、この状態で送られて来ました。

 

だから、どこのメーカーの物か分かりません。

 

この状態で運送すると、緩衝材が被っていても、動作値なんかが

狂うんで、避けたいところです。

 

症状はと言うと、バッテリーが過充電でパンクして、リレーを取り替え

ても事象は再現し、リレーが壊れるらしいのです。

 

では見て行きましょう。

 

No.1レギュ①

No.1レギュ②

まず、No.1(お客様が番号付けしたナンバー)から。

 

接点位置ズレや接点間隔不良などは見受けられますが、綺麗ですね。

 

動作値を測定すると、カットアウトリレーは13.5Vと高めですが、

調整をすれば良さそうです。

 

が、電圧調整のレギュレーターリレーは、電圧を上げて行っても

「ウン」とも「スン」とも言いません。

 

レギュリレーのコイルをよく見ると、

No.1コイル切れ

コイルのボビンから、ひげの様に巻線が飛び出しています。

(画像1番下のリレー巻線が2個目のリレーコイルの間に赤い線が

 出てます)

 

コイル切れなので、動作するはずがありません。

 

当方ではコイルの巻き直しは行っていないので、このリレーは

修理不能です。

 

次に行きましょう。

 

No.2レギュ①

No.2レギュ②

No.2のりれーです。

 

No.1とはタイプが違います。

 

接続端子は一緒なんだけど、タイプが違うとどこが違うのか、

また調べなきゃならないので、面倒です。(;´Д`)

 

見た目は異常が無いみたい。

 

では電圧を掛けてみましょう。

 

こちらのカットアウトリレーは、動作値が10V以下で、めっちゃ低目。

 

一方、レギュレーターリレーはと言うと、電圧抑制の第1段が16.8Vで、

充電停止の第2段は高過ぎて測定中止。

 

充電が早めに始まるけど、バッテリー電圧の方が高い状態で始まるので、カットアウトはバタバタし、

 

充電電圧が上昇すると、過充電になったと予想できます。

 

カットアウトはバッテリー定格より少し高めに調整。

 

レギュは第1段が13.7Vとチョイ低目ですが、第2段が17.8Vと高いので、これ以上下げる事も上げる事も難しい。

 

そして、ちょっといじるだけで値が変化し、動作値が安定しないので、

使うのが少々不安です。

 

綺麗なんだけどな~。

 

次のNo.3

No.3レギュ①

No.3レギュ②

No.1と同じタイプ。

 

No.3渡り配線切れ

こちらはリレー間の青い渡り線が断線している様です。

 

No.1リレーも切れている様でしたが、コイル断線が分かった段階で

それ以上の作業を行わなかったので、本当に断線していたか不明。

 

では動作値を測定しましょう。

 

カットアウトリレーは12.7Vで、チョイ高目ですが問題ありません。

 

レギュリレーは、第1段15.0V、第2段15.7Vで高めです。

 

問題は、やはり青の渡り線で、レギュリレーの第2段接点が正常でも、

青線経由の電圧がレギュ接点に印加されないと、第2段が

機能しません。

 

切れた配線

青の渡り線を外し、

配線引き替え

配線が焼けたので、青い耐熱電線で接続しました。

 

これで機能は大丈夫のハズ。

 

電圧値を適正値に調整し、リレーの修理作業は終わりなのですが、

焼けて断線した青の渡り線、

 

この配線は第2段動作時にレギュ用の抵抗に流れる電流と、

ジェネレーターのフィールドコイルに流れる電流が流れます。

 

本来、フィールドコイルにはそれほど大きな電流は流れない

はずなので、

 

これだけリレーが壊れるって事は、ジェネレーター側にトラブルの

原因が内在しているように思えます。

 

その点を報告書に書いて、リレーを発送しました。

 

真のトラブル原因、なんなんだろう?

 

 

 

 

 

 

おしまい