お仕事でレギュレーターリレーのお相手をしました。
1台目は、私も歳なので、古いバイクメーカをそこそこ知っている
つもりなのですが、
今回は初めて聞いた「クインロケット」と言うメーカー。
(正しくは「クィーンロケット」なのかも)
左上が使用しているレギュレーターで、右が頂いたらしい予備品
だとか・・・
予備品は未使用品で、使いたいらしいですが、端子や搭載構造が
異なるので、今のところ部品取りとして考えているとの事。
ちなみに、左下はメインスイッチですが、こちらは修理と言われましたが、実質作業は各キーポジションごとの、接点導通の確認を
しました。
レギュレーターはスクーターのラビット系と同じと思われるリレーで、
メインスイッチはメグロ系と同型と思われる物でした。
ではレギュを調べましょう。
内部は綺麗です。
コイルは黒っぽいですが、焼けて黒くなっているのではなく、
元々のエナメルが黒いのかもしれません。
このタイプは、動作値調整用のネジが付いているので、
メグロ系のリレーと異なり、作業が楽で助かります。
では動作値を測定。
セル用は動作すればOKなので、値は取りません。
カットアウトリレーは13.8Vで少々高めですね。
レギュレーターリレーは、第1段が14.2V、第2段が16.6Vで、
少々高めですが、使用状況によっては問題無い値です。
でも一応調整して、
カットアウトリレー : 12.3V
レギュレーターリレー 第1段 : 13.8V 第2段 : 15.2V
にしました。
接点をクリーニングして終了。
予備品側も一応チェック。
こちらも動作値が高めですが、今調整しても経年で動作値が上がり
ますし、使用しても問題無い値なので、このまま返送にします。
続いてメグロのお客様。
ケースの錆と、裏面の塵付着が進んでいます。
舐めネジが1本あったので、交換しました。
内部は「それほどひどくありません」と言いたいところですが・・・
レギュレーターリレーは問題無し。
カットアウトは、可動接点の接点銅板が変形していて、可動鉄片が
動作しても、接点しません。
確かお客様は「エンジン始動してチャージランプが消えた後、
エンジン回転を上げると再度チャージランプが点く」と言っていたと
思うのですが、
この状態だと、チャージランプは消えないと思います。
結構変形がひどいので、いじっちゃったのかな?
接点銅板を可動鉄片に固定加工して、動作値を測定します。
調整前のカットアウトリレーは13.8V。
レギュレーターリレーは第1段が17.3Vで、第2段が20V以上で
測定不能です。
両方とも高いですね。
こちらのメグロ系は、調整ネジが無いので、スプリングを固定している部分を曲げて、動作値を調整します。
ラビット同型は調整もし易く、動作のON,OFFがハッキリしているの
ですが、メグロ系は動作していない状態でも、接点導通抵抗が
変化するので、動作点が分かりにくいですね。
調整して、
カットアウトリレー : 12.5V
レギュレーターリレー 第1段 : 13.8V 第2段 : 17.0V
になりました。
第2段がまだ高いのですが、第2段を下げると第1段も下がるのと、
以前第2段中心に調整したお客様から「低目なので再調整して」と
言われた経験から、
今回は第1段中心で調整をしました。
どちらが良いと言えないし、お客様のバイクの乗り方によって
変わってくるので、とりあえず付けて乗ってもらわないと、
何とも言えないですね。
ダイナモの性能がどうかも、当方には分かりませんから。
再調整が無い事を祈って、出荷です。
おしまい