ヤマハレギュレーター修理 | 退職してバイク電装屋

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今回はお仕事のネタです。

 

ヤマハのレギュレーターとレクチファイヤーが送られてきました。

 

レギュレーターほか

右がレギュレーターで、左がレクチファイヤーです。

 

ご存知だと思いますが、レギュレーターが電圧調整用の回路で、ヤマハのこの年代物はDC電圧を元にジェネレーターのフィールド電圧(界磁電圧)を変化させ、発生電圧(AC)をコントロールします。

 

レクチファイヤーは整流機能をはたします。

ジェネレーターで発生した交流電圧(AC)を直流(DC)に変換し、バッテリーの充電や電装系の駆動に使用します。

 

ヤマハのこのレクチファイヤーは、プラスが2系統です。

 

ホンダは最近では素子はソリッド(静止)素子を使っていますが、以前は今回の回路同様フィールド電圧を制御する回路を採用していました。

 

この方法を採用すると、ACジェネレーターだとしても回転子にコイルを組み込まなければならないので、必ずブラシが必要になります。

 

ホンダ以外は、回転子に永久磁石を使い、固定子のコイルの発生する電圧(AC)をレギュレーター・レクチファイヤー(一体)でDCに変換する方法です。

 

この方法ならば発電系にブラシは必要ありません。

 

まあ、すべてのバイクの発電系から、ブラシが消えたわけじゃありませんが。

 

話しを今回の物に戻しましょう。

 

レクチファイヤー機能は、調べた結果、見た目錆が有って良い状態ではありませんが、整流機能は正常です。

 

依頼主さんに確認し、機能が正常ならば新規製作などしなくて良いとの事で、レクチファイヤーは終了。

 

レギュレーターは動作値が高いので、過充電になるため調整が必要です。

 

パッケージを開けて、分解してみると、

接点研磨前

接点の研磨前です。b接点の荒れがヒドイです。

 

単品で送られてきたので、原因は分かりませんが、少々磨いたぐらいでは解消できないので、耐水ペーパーの目の細かいので研磨しました。

 

接点研磨後

これが研磨後です。

接点板の置き方が前後で違うので、見づらくスミマセン。

 

接点

分解前の動作値測定では、第1段動作(b接点復帰)と第2段動作(a接点動作)の差が0.2V程度しかありませんでした。

 

接点研磨,組み立て後、接点ばね取り付け位置や強さを調整し、徐々に動作値を変化させ、1,2段の差を1V強に調整し、修理を完了しました。

 

メグロは同じ方法のレギュレーターを採用していますが、このレギュレーターを無くすことはできません。(専用設計すれば、ソリッド化はできます)

 

ヤマハはAC発電なので、フィールドコイルに掛かる電圧をバッテリーの電圧(多少調整は必要かも)にして、最近の他のバイクのレギュレーター・レクチファイヤーに替えてしまっても、回路構成ができます。

 

が、レギュレーターはオープンタイプを選ばなければなりません。

部品調達もし易いし、壊れにくいかもしれませんが、レギュの選定が

難しいかも・・・

 

それにしてもここのところ、機械式のレギュレーター修理のお客様が多いです。

なぜかしら??

 

 

 

おしまい