長年嫁を困らせてきた自己中ワガママ女王様気質のムスコン姑。

家族の世話とパートの仕事以外に生き甲斐がなかったムスコンは嫁を潰して嫁の役割を奪うことで承認欲求を満たしていた。家族の世話をする自分が大好き。そんなムスコンについにお迎えの時がやってきた。

 

 

 

~息子大好き!嫁大嫌い!孫は私の物よ!な食い尽くし系夫の産みの親ムスコン姑と私の闘いの日々~

 

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電話は姑のきょうだいからだった。

 

 

その時ハイエナは下の子とお風呂に入っていて

 

 

「ムスコンのきょうだいから電話があったよ」

 

 

と言っても

 

 

「どうせ大した用事じゃないだろう」と言って風呂から上がろうとはしなかった。

 

 

電話を見ると留守番メモに録音され始めたので

 

 

「ねー、留守電に何か入っているよ。ムスコンさんに何かあったんじゃないの」

 

 

と言ってもハイエナは風呂から上がろうとはしなかった。

 

 

5分後、ハイエナはお風呂から上がってきて慌てて携帯を見ていた。

 

 

そしてすっぽんぽんのまま二階に電話を持って走っていき、急いで降りてきたかと思ったら

 

 

「おかんが救急車で病院に運ばれた!!!家から保険証を持ってきて欲しいと言ってる!!!すぐに行くぞ!!!」

 

 

と慌てて服を着始めました。

 

 

「おい、早くしろ!!」

 

 

ハイエナは子どもたちを急かしました。

 

 

私も晩御飯の準備を止めて急いで着替えました。

 

 

ハイエナと下の子は髪の毛が濡れたまま車に乗りました。

 

 

姑宅に着くとなぜか姑の妹もいました。

 

 

そして急いで保険証を探していると

 

 

「入院になるんだったら着替えとか用意しないと!!!」

 

 

と口を出してきたのです。

 

 

こんな時に着替えの用意をしろだなんて一体何なの???

 

 

姑は救急車で運ばれたんですよ。それって緊急事態じゃないですか。もう年も年だし持病もあるのでもしかしたら最悪なことも待っているかもしれない。着替えなんて後からいくらでも持って行ける。今は病院に駆けつけるのが先じゃないのムキームキームキームキームキー

 

 

この時は姑がなぜ運ばれたのかも分からなかったので早く病院に行きたい気持ちを抑えながらも姑の部屋に行って着替えを探そうと姑のタンスを開けると

 

 

なぜか私のパンツが大量にストックされていましたチーンチーンチーン

 

 

かつて無理やり置いて帰らされたものですね。ふと見るとタンスの引き出しにりんごと名前が書いて貼ってあったので私のパンツに間違いないでしょう。

 

 

姑のパンツを探してもタンスの中にはそれらしきものは見当たらない。

 

 

何よりも今は着替えなんてどうでもいいだろうと思った私は

 

 

「着替えがないから!!」

 

 

とキレました。

 

 

こうやって目上(?)の人にもキレるから私は嫌われやすいんでしょうね。黙って言うことを聞く方が賢いのにね。

 

 

 

数日後、落ち着いてみるとタンスの前に無造作に姑の着替えが畳まれていました。選択籠の中にも着替えがありました。慌てていると目の前が良く見えなくなるんですね。

 

 

そしてハイエナが保険証を見つけたのですぐに病院へ駆けつけました。

 

 

そこには姑のきょうだいもいて、「今専門の先生が来てくれるのを待っているところ。もしかするともう少し大きな病院に搬送されるかも」と言われました。

 

 

今診察室で一体何が行われているのかも分からない。

 

 

一体いつまで待たされるのかも分からない。

 

 

私は夜の薬を飲まなければいけないのに薬を持ってくるのを忘れてしまった。

 

 

 

とモヤモヤしていると中から医師が出てきた。

 

 

「今脳外科の先生に連絡してきてもらっているところです。あと30分はかかります。脳梗塞です。幸い発生からまだ時間がたっていないので点滴で治療します。リハビリは三か月です。今日はお帰りになって結構ですよ」

 

 

しかし姑のきょうだいたちは医師に色々質問をして帰ろうとはしなかった。

 

 

私は薄情かもしれないけど薬の時間が遅れているのが気になってモヤモヤしていると姑のきょうだいが

 

 

「ハイエナたちは今日はもう帰れ。あとまた連絡するから」

 

 

と言った。

 

 

ハイエナは帰ろうとはしなかったが

 

 

「子どもたち明日も学校があるだろう?早く帰れ」

 

 

とたしなめられてようやく帰ることになった。

 

 

 

しかし姑のきょうだいは色々と後悔の言葉を口にし始めました。

 

 

姑が手術した後から今日までのことを色々と言っていました。あまり良く覚えていないけど、あの時俺が気を付けてあげればこんなことにはならなかったという内容でした。

 

 

そこから姑宅に寄って台所に入ると三角コーナーに焼き芋の皮と刺身のパックが捨ててありました。

 

 

流しには茶碗もありました。

 

 

本当にさっきまで普通に生活していて急に倒れたんだと思いました。

 

 

まさかこんなことになるなんて信じられなかった。

 

 

結局家に帰れたのは夜の11時頃でした。その日は全く眠れませんでした。

 

 

 

翌日、ハイエナは休みを取って姑の元へ向かいました。

 

 

病室に行ってみると姑は自分で体が動かせなくなっており

 

 

「くそう、くそう、こんなことになって!!!うわあああああああああああああん」

 

 

と独り言を言いながら泣き叫んでいたそうです。

 

 

ハイエナは「頑張ってリハビリをして動けるようになろう」と姑を励ましたそうです。

 

 

 

そして姑が「喉が渇いた」と言うので「何が飲みたい?」と聞くと「牛乳」と言うのでハイエナがナースに「牛乳飲んでも大丈夫なんですか」と聞くと「ダメです」と言われたと言っていました。

 

 

そしてお茶の入ったコップを姑に渡すと手は動かせたようで姑はコップを受け取るなり大きな口を開けてかぶりついたそうです。

 

 

ハイエナは「やめろ」と言ったようですが姑はコップにかぶりついたままだったとのこと。

 

 

それで「三か月リハビリすれば治るよ。病院で三か月リハビリしてくれるんだって」と言っていましたが脳梗塞が三か月で治るんだろうかと疑問でした。

 

 

でもこの時は体調が悪くて調べる気にもなれなかったのでとりあえず三か月は様子見だなと思っていました。

 

 

その二日後に姑のきょうだいから病院に来いと言われたハイエナは私と子どもたちを連れて姑の病室に行きました。

 

 

姑は私を見るなり目を閉じて何かを拝むように両手を丸めて下を向きました。

 

 

まるで、どうかわたしを虐めないでと言わんばかりでした。

 

 

私はそんな姑を見て、

 

 

この人今まで私に何をした?

 

 

と色んな嫁いびりを思い出しました。

 

 

そこに姑のきょうだいがやってきて「ハイエナ!ちょっと外で話そう!!」とハイエナを病室から連れ出しました。

 

 

姑は私の方を見ていたので

 

 

「誰か分かる?」

 

 

と聞いてみると

 

 

「分かるよ!りんご!上の子!下の子!」

 

 

と呼び捨てにされました。まぁいいけどなんだか姑は眼球が端っこに寄っていて焦点が合っていないように見えました。

 

 

それからつらつらと何かをずっと喋っていましたがろれつが回ってなくて何を言っているのかが分からなかった。

 

 

唯一聞き取れたのが

 

 

「法事をやっておいて良かった」「またハンバーグを作るよ」

 

 

でした。

 

 

ハンバーグは孫たちに毎日ふるまっていた得意料理ですからね。法事をやっておいて良かったもいつもの口癖でしたからね。

 

 

その後は本当に何を言っているのか分からなかった。

 

 

 

そこにナースがやってきました。

 

 

姑はナースに「ごはんはいつ頃食べられますか」と裏声で聞くとナースは「いつ食べられるかなぁ」と言ってはっきりと答えませんでした。「お腹空いた?」と聞かれると「お腹がぐぅ~っとなる」と答えていました。

 

 

ナースが去ると姑は

 

 

「きょうだい君!家に帰ろう!!」

 

 

と言い出しました。

 

 

黙っていると

 

 

「きょうだい君!!家に帰ろう!!!」

 

 

と何度も言い続けました。

 

 

あまりにうるさいので私は外にハイエナと姑のきょうだいを呼びに行きました。

 

 

姑のきょうだいはまだ話したそうにしていましたが「ムスコンさんが呼んでいますよ」と言うと病室に向かいました。

 

 

そこで姑のきょうだいは何か忘れたけど色々と姑に話しかけて私たちも帰ることになりました。

 

 

とりあえずはここで三か月間リハビリして治そう。

 

 

 

 

帰り道にハイエナが

 

 

「おかん、あんたを見たらすごい頭を下げていたな。あんなおかんは初めて見た」

 

 

と言いました。

 

 

「きっと自分が今まで散々嫁いびりをしてきたから動けなくなった今やり返されるのが嫌なんだろうね」

 

 

と言うとハイエナは黙り込みました。

 

 

私はあなたのお母さんとは違いますよ。

 

 

 

続く