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難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)に罹患し気管切開した ポンコツおやじのブログです。
自分では 視線入力で意思伝達装置のmiyasukuを操作することしかできません。
ベッドの上で天井を見つめながら あれこれと思いを巡らせる毎日です。

先日開催された日本ALS協会 島根県支部 定時総会の様子を放送していただきました。
 

TSKさんいん中央テレビ                      

 

 

運動神経が侵されて、全身の筋肉を動かすことが困難になる「ALS・筋萎縮性側索硬化症」。国の難病に指定されています。

 

その患者と家族などでつくる団体の総会が、4年ぶりに松江市で開かれました。
コロナ禍の影響で、なかなか対面で開催できませんでしたが、難病と向き合う人たちが悩みや思いを共有。
生きるための決断を後押しされた患者の姿もありました。

 

ALS患者・景山敬二さん:
「私たちALS患者は、人としての身体機能を次々と失ってきました。たとえ指一本だけが動くだけでもいいので、周りの人に認められると嬉しい事なのです」

 

切実な思いを語ったのは、松江市のALS患者・景山敬二さん。

 

7月2日、松江市で開かれた日本ALS協会島根県支部の総会。
県内に住む5人の患者と、医療関係者など80人が出席しました。

 

ALSは運動神経が障害を起こし、全身の筋力が急速に低下する原因不明の難病で、山陰両県でも約150人がこの難病と向き合っています。

 

患者とその家族などでつくる日本ALS協会の島根県支部は、1999年に発足。
当初から年1回、定期総会が開かれ、お互いの病気の進行状況や闘病生活の悩みなどを共有する場になってきました。

 

しかし、新型コロナの流行に伴って、2019年から総会は中止。

 

病院などでも面会が制限されるなど、患者やその家族が思いを共有する場が失われました。

 

2023年、新型コロナの感染対策が緩和されたことを受け、感染対策を十分とりながら、4年ぶりに対面で開催されました。

 

スタッフ:
「お孫さんもおられるし、楽しいですがね。もっと頑張って」

 

患者:
「孫と奥さんを抱きたいけど」

 

患者、家族同士のつながりが、お互いの心の支えになります。

 

吉岡朋子さん:
「実際に確定診断が出たときは、本人はものすごくショックを受けていました。是非いろんな方に問いかけて下さい」

 

総会に出席した患者の1人、松江市の吉岡哲也さん(60)。
6年前にALSを発症しました。
2020年、取材を始めた当初、自ら体を動かすことができましたが、時間とともに病気が進行し、2023年冬には、自ら身体を動かすことがままならなくなり、会話も意思伝達装置を使うようになりました。

 

吉岡さんの家族:
「バージョンアップしてきてね。いってらっしゃい」

 

病気がさらに進行し、自力で呼吸することが難しくなった吉岡さんは、人工呼吸器の装着を決断。気管を切開する手術を受けました。

 

吉岡さんの家族:
「人工呼吸器が5分はずれたら、脳障害がでてしまうって先生は言われるので」

 

吉岡哲也さん:
「気管切開するかは迷いました。なぜなら、死ぬことよりもALSで生きることのほうがずっと大変だと思ったからです」

 

国内に現在、約1万人いるALS患者のうち、7割が家族への負担などを考慮し、呼吸器の装着を望まないといいます。

 

しかし、吉岡さんは装着を決断。「生きる」道を選びました。

 

取材したこの日は、父の日。

 

吉岡哲也さん:
「こんな嬉しいこともあります、気管切開してよかったです」

 

発症すると、多くの人が2年から5年で死亡するといわれるALS。
患者は、いずれかの時に人工呼吸器の装着するかどうか、生きるための選択、決断を迫られます。

 

今も治療法が確立されていない難病・ALS。
患者や家族、1人1人の思いを共有することが、生きる気力にもつながっています。

(2023年7月18日 火曜 午後6:55FNNプライムオンラインの記事より引用しました)