台湾生活日本語

台湾生活日本語

台湾で生活を始めて11年。
日本に生まれ、そして台湾で生活して よかった。
離れてみて わかる日本の良さ
住んでみて わかる台湾の素晴らしさ

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今日は ご縁あって 荘先生とお話できました。

戦前 日本人と共に 台湾の水産業が発展したこと。

さまざまな魚と歴史を綴った書籍を発刊されており

94歳に成られるお母さまが日本語を読まれるので

荘先生ご自身の書かれた中国語書籍を日本語に翻訳し

読ませてあげたい とのこと。

ご協力させていただくのが嬉しくなりました。

オフィスに戻ってから、お若い時のお宝映像を発見。

https://www.youtube.com/watch?v=K-oe1w7fdqk

今回は「おもてなし」と「美」について
昨年流行語大賞となった「おもてなし」
中国語に訳す場合、「招待」「款待」とされてしまうのですが、
私なりに感じたままを綴ってみようと思います。

前回は映画『利休にたずねよ(一代茶聖・千利休)』をご紹介しました。

ここでは「もののあはれ」が一つのテーマと思われます。
Wikipediaによると<…折に触れ、目に見、耳に聞くものごとに触発されて生ずる、
しみじみとした情趣や、無常観的な哀愁である。…>と示されています。

一瞬の儚く散り行くもの。
たとえ素晴らしい料理も出来立ての一瞬を逃して冷めてしまえば、
旬の命を失うようなもの。時、そこに至るまでには丹精込めた
「おもてなし」の心が加わることで、「日本の美」が出来上がる。

そして、人間の持つ五感すべてで感じ取る感性の先にある喜びを
来客に感じ取らせてあげること。人さまに喜んでいただくために尽くすこと。

仮にどんな不機嫌な、どんな偏屈な方でさえもやがては笑顔にしてあげられる
心尽くし。

一つ一つの言葉や所作、下準備のすべてから「おもてなし」が表現される。

最近、ようやくその境地が少しだけわかり、
「磨き上げる」大切さを感じるようになった此の頃です。

「一代茶聖利休」(邦画題名「利休にたずねよ」)

映画の中の1シーンに茶会で障子が開けられ、
風と共に天井に配された櫻の花びらが碗に舞い落ち、
客は歓声をあげます。

「久方の 光のどけき 春の日に しずこころなく 花の散るらむ」

利休が茶人と成る前に心惹かれた朝鮮の女性が服毒自殺を図ります。
死の直前に彼女は
「ムクゲの花は短い命であるが、生かされた命の喜びで咲き誇る」
と利休に伝え、「あなたは生きて下さい」と伝えます。

ムクゲとはハイビスカス。中國語で「木槿/木槿」(ムーチン)、
韓国では「무궁화」と言われるそうです。
一般的には桜の花よりも長く咲きますが、このシーンでは
『無常』を伝えているように思えます。

秀吉は最後までそれを認めず利休に切腹を命じた。

一服の茶の中に、「今 生かされている喜びを発見せよ」
と伝えてくれているようでなりません。

日本人であることを再発見させてくれる味わい深い作品でした。