今日の一汁一菜。インド映画「不徳のアンソロジー」人間っていう奴は… | それゆけすずめちゃん

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北米山岳部に住んでいます。ブログを始めて10年以上経ちました。
おうちご飯を作っては食べ、天気が良ければウォーキング、夏の間は野菜作り、そして時々映画を観る。そんな毎日です。

おはこんばんちは~

 

曇りからの雪、夜になってから深い霧です。

 

昨日食べ過ぎて^^;お腹が不調。

年取ったら腹八分目にしないとね。学びました(笑)

 

今日の一汁一菜。

これは確かに手軽です。

 

 

 

 

 

 

昨日お話したNetfixで観たコリウッド。

「Paava Kadhaigal 」(不徳のアンソロジー 2020年)

 

Paava Kadhaigal.jpg

 

4つのお話です。1本が約30分ちょっと。

4つのお話のテーマが、

カースト制、宗教、世間体からくる差別。

 

どのお話も、立場の弱い人が、不条理に死んだり、殺されたり、殺されそうになったりします。

 

1話 Thangam (Gold)

 

1980年代初頭、南インドの小さな村に住むサタールは性同一性障害で、お金をためて、いずれ都会に行って手術を受けようと思っています。

手術を受けて女性になったら、幼馴染のサラバナンと結婚できると信じています。

 

Kalidas Jayaram On Playing Transgender In Paava Kadhaigal: "Was Aware I  Shouldn't Dramatise"

 

学校を終え、都会の銀行に就職したというサラバナンが帰ってきました。

呼び出されて愛を告白してくれるのかと思ったら

サタールの妹が好きなので、取り持って欲しいと言います。

 

サラバナンからの手紙は妹には渡さず、

妹にはその気がないようだとサラバナンに言うと、彼はとても落ち込みます。

 

その姿を見たサタールは、妹とサラバナンが映画館で会えるようにアレンジします。

 

2人は相思相愛になりますが、両親の知る所となってしまいます。

2人の家はヒンドゥー教徒とイスラム教徒、双方の家から猛烈に反対されます。

 

そこでサタールは二人を駆け落ちさせます。

 

Paava Kadhaigal On Netflix: A Top-Notch Anthology That Explores Facets Of  “Honour” With The Help Of A Brilliant Cast

 

1年後、父親たちの怒りも解けたということで、

サラバナン夫婦は産まれたばかりの赤ちゃんを連れて故郷に戻ります。

 

しかし、そこにサタールの姿はありませんでした。

サラバナンの叔父が話してくれたのは、2人が去った後、父親たちが、そして村中の人たちがサタールにした酷い仕打ちでした。

 

それを聞いた2人は村にはとどまらず引き返します。

サタールが好きだった河原にいってみると、

そこにはサラバナンに対する思いが、彫り込まれていました。

 

 

2話 Love Panna Uttranum (If You Love Something, Set It Free)

 

アディとジョティの双子の姉妹は村長の娘で、ジョティは都会に住み、アディは父親と一緒に住んでいます。

村長は政治的な支持を受けるために、異なるカースト間での結婚を認める、と公言します。

しかし、心の底では異カースト間の結婚を忌み嫌っており、子分に命じて、異カースト間のカップルを殺させていました。

 

アディは、父親の公言したことを真に受け、「お父さんは変わった。だから、(下位のカーストの)彼氏を紹介する」とジョティに電話してきますが、ジョディはそれには懐疑的です。

 

少しして、ジョティと友人ペネロピ、バラニと一緒に実家に帰ると、やはり父親の下位カーストの者をさげすむ態度は変わっていませんでした。

彼らが到着する前に、アディは父親の子分に殺され、彼氏も交通事故を装って殺されていました。

 

ジョティが、相手は下位カーストのバラニではなく、同じ上位カーストのペネロピで、私たちはレスビアンだと父親にいいます。父親はそれでも不名誉なことに変わりないと言い、

ジョティを残してペネロピとバラニは帰されます。

 

全く生気なく過ごすジョティ。

父親もアディを死なせてしまった事を後悔し始めます。

 

ジョティに、「私を出て行かせて。そうでないなら殺して」と言われ、

父親は追いかける子分たちを押しとどめて、彼女を行かせます。

 

Paava Kadhaigal Review: Hard-To-Watch But Compelling Quartet Of  Classily-Crafted Tales - 4 Stars (Out Of 5)

 

 

3話 Vaanmagal (Daughter of the Sky)

 

南インドの都市に住む、ミドルクラスの夫婦、サタヤとマティには大学生の長男、姉のバイデイ、そして12歳のポヌタイと、3人の子供たちが居ます。

ポヌタイは無邪気な夢見る女の子。

明るい家庭でした。

 

 

それが、一転。

伝統舞踊の練習の帰り、ポヌタイは姉と間違われてさらわれ、それが分かりながらも凌辱を受けてしまいます。

家族中が動揺します。

警察に通報しようというサタヤに対し、噂になって家名に傷がついては困るとマティは止めます。

それでもどこかから流れたうわさで、義理の姉が押しかけてきますが、マティは否定します。

義理の姉には競争心や引け目があるのでなおさらです。

 

父親は悪いのはポヌタイではないのだから、すべて忘れて大きく羽ばたきなさい、

と言います。

しかし母親のマティは、家名を汚した子は、死んでいなくなった方が…と

崖から突き落とそうとします。

 

Watch Paava Kadhaigal | Netflix Official Site

 

でも、世間体や名誉のために我が子を突き落とすなんて、私は何を血迷ったのでしょう…

と思い直し、

家名が見下されたなら、それよりも高く、高く飛びなさい…と言います。

 

 

4話 Oor Iravu (One Night)

 

大きなお腹をかかえたスマティが村の実家に居ます。

これからやって来る夫のハリと携帯で話しています。

 

しばらく前に、都会に住むスマティと夫ハリの所にスマティの父親が訪ねてきました。

父親と会うのは久しぶりです。

スマティは、カーストが下のハリとの結婚を反対され、駆け落ちしたのですが、

2人とも高学歴なので、都会での暮らしはなんの問題も無く安定していました。

 

父親が訪ねて来たのは、スマティが妊娠したと聞いたからでした。

父親の、思いの外の柔らかい態度に、

赤ちゃんが生まれるお祝いをするので村に帰ってこないか、と言われた時にもその気になりました。

 

Paava Kadhaigal movie review: A mixed bag | Entertainment News,The Indian  Express

 

お祝いの前の晩、

夜になってスマティが急に気分が悪いと訴え始めます。

母親が面倒を見ますが、症状はどんどん悪化します。

病院に行った方がいいと、母親が連絡しようとすると、

父親が止め、スマティを監禁します。

 

父親は、汚れた血の子供が生まれては家の名誉が汚される。

お前のおかげで妹たちの結婚話も来ない。

こうするしかない、と言います。

 

The 30-Second Teaser For Netflix's Paava Kadhaigal Bleeds Red

 

 

 

どれも、短いながら、ぎゅっと凝縮されていて、心に響く作品です。

テーマをいろいろな方向からとらえていて、

家の名誉や世間体と、子供のどちらが大事ですか?と問いかけてきます。

 

こんなことってあるの?って思いますが、起きているから映画になるんでしょうね。

どんな田舎でも、携帯電話を使っている時代なのに、因習や考え方というのはなかなか変わらないのでしょうか。

 

南インド映画、コリウッドはなかなかにディープです。