おはこんばんちは~
今日のNetflixはインド映画、と言ってもインドのグジャラート州で話されるグジャラート語の映画です。
ジャグラート語映画って初めてかも。ヒンディー語版もあるようですけど。
日本のネトフリでは配信していないようなのでネタバレです。
「Dhh」(2017年)
Dhh というのはジャグラート語だと ઢで「おバカ」という意味みたいです。
という事で、主人公は勉強のできない能天気なこの子たち。
左からグングン、ヴァキル、バジュラング
グングンとお祖父ちゃんの話が流れの中心になっています。
3人は大の仲良し。でも勉強は嫌いで、したがって成績もひどい。
特にバジュラングは進級試験にも落ちそうで、もっかそれが悩みの種。
じゃあ勉強するかというと、現実逃避^^;
バジュラングの運転するスクーターに乗って(ジャグラート州では子供でも運転できるのかも)
隣り街にマジックショーを見に行きました。もちろんクラスはずる休み。
3人は次々繰り広げられるマジックに息をのみます。
マジシャン役はNaseeruddin Shah、ボリウッド映画でも良く見かける名脇役。
この映画で顔を知っている俳優さんはこの方くらいでした。
3人が学校に戻ると待っていたのは現実。
惨憺たるテスト結果。
0点、2点、3点…
先生からは叱られるし、
いつもクラストップのディネーシュからはさげすんだ眼で見られるし。
箸にも棒にもかからない彼らに対し、先生はつい、お前たちがテストに受かるには、マジシャンに頼んで魔法でもかけもらわないと駄目だろうな…と言ってしまいます。
マジックショーを見てきたばかりの彼らにとって、先生の言葉はその通りのように思えました。
グングンはお祖父ちゃんになんとかマジシャンに会えるようにして欲しいと頼みますが、はぐらかされてしまい、
マジックには種があるんだよ、と言われますが聞く耳もちません。
そのうち、国語のクラスで書くことの大切さを学ぶため、宿題としてそれぞれ手紙を書くようにと言われます。
題は、自分の直面している問題。そして宛先は、それを解決してくれそうな人、例えば祖父母、両親、叔父叔母。友人でも良い、と先生は言います。
それを聞いたグングンは、マジシャンに問題を解決できる魔法を教えて欲しいと手紙を書き、古びたポストに投函します。
待っても待っても返事は来ません。
そうこうするうち新聞の一面に、マジシャンがインド・パキスタン国境で消えるマジックを行い消息不明という記事が載りました。
それを見たグングンはお祖父ちゃんに早くマジシャンの所に連れて行ってくれないからこんなことになった!と怒ります。
遂に3人はバスに乗ってパキスタンに行こうとします。
車掌にそれが分かり、途中でバスから降ろされてしまいます。
もちろん親たちは怒って、子供たちはそれぞれ学校に行く以外外出禁止になりました。
そんな時、マジシャンから手紙と小包が届きます。
手紙にはこうありました。
「グングン、手紙をありがとう。君たちが習おうとしている魔法はとても難しい。偉大なマジシャンでさえ失敗することのある魔法です。なのでビルバルを送ります。これは魔法を学ぶ上でとても助けになります。使い方にはルールがあるでそれに必ず従うように。
君たちは、その日学校で習ったことをそのままこのビルバルに教えること。ビルバルは賢いのでそれを全部記憶し、君たちが学校に戻った時、それを思い出させてくれるだろう。さあ、ビルバルに教え始めて、魔法が働くか確かめなさい」
子供たちはさっそく指示通り、ビルバルに教え始めます。子供たちが話しかけると、梟は理解したかのように首を振ります。
教えることは最強の勉強方法。子供たちは自分達も気が付かないうちに学力が上がっていきます。
映画に出てくるものは違いますが、
こんな感じの首振り人形っていうイメージです。
彼らの理解力が上がって来たことには先生も驚くほどでした。
クラスのグループ対抗クイズ試合ではとうとう、優等生のディネ―シュを中心としたチームに挑戦することになりましした。
どうせ駄目さ、と見下すディネ―シュでしたが、グングン達のチームは追い上げ、僅差で敗れたものの、校長先生から褒められるほどでした。
これならみんな揃って進級テストに合格できる!と喜んでいましたが、
お祖父ちゃんが心臓発作を起こして倒れてしまいます。
マジシャンからの手紙の最後には、もし別の魔法が習いたかったら、その旨を書いて、ビルバルを送り返すようにと書いてありました。テストには受かりたい、でもお祖父ちゃんを早く治す魔法があるならそれを教えて欲しい。
グングンはみんなと相談し、ビルバルを送り返すことにします。
お祖父ちゃんのことも心配だし、ビルバル無しでテストに受かるかどうかも心配。
3人はすっかり落ち込みます。
お祖父ちゃんが入院しているのはちょっと遠い大きな街の病院。
お父さんが日曜日にグングンをお見舞いに連れて行ってくれました。
医者の話ではお祖父ちゃんには少しリスクを伴う手術が必要でした。
お父さんがグングンに病院のナイトテーブルに薬を入れるようにと袋を渡します。
引き出しを開けてみると、そこにはビルバルとグングンの書いた手紙が入っていました。
家に帰って、お祖父ちゃんの箪笥を見てみると、そこには最初にグングン達がマジシャンに送った手紙が入っていました。
(郵便局員さんとお祖父ちゃんはどうも友人のようです)
グングンは改めてお祖父ちゃんの魔法には種がある、という言葉を思い浮かべます。
画像は全て検索サイトからお借りしました。
グングンは2人にビルバルの種明かしをします。
マジシャンの正体がお祖父ちゃんだったというのには驚きますが、
みんなそのお陰で学力がついたことは分かりました。
そして、マジシャン宛の手紙がお祖父ちゃんに届くことを分かった上で手紙を送ります。
子供たちが一歩成長する姿にじんわりします。
「尊敬するマジシャン様 今日テストが終わりました。僕たちはみんな合格するだろうと確信しています。ビルバルを受けとられたと思います。そこで僕たちの願いを聞いて下さい。あなたが居るその場所から消えて、僕たちが居るこの場所に、出来る限り早く現れてください。あなたの到着を心待ちにしています。 あなたの生徒 グングン、バジュラング、ヴァキル」
手術後のお祖父ちゃんにとっては、これは回復を助ける魔法になりました。
進級テストの結果が出て、みんな合格しました。特にヴァキルとグングンはディネ―シュの成績に迫るものでした。
そしてテストに合格したことよりも嬉しいことが待っていました。
映画としては地味です。
特に最初の方は、何なんだか緩い感じなのね。悪い子たちじゃないんだけど、楽してなんとかしよう、みたいな。
でもビルバルが届くあたりからお話が煮詰まってきて、最後の方はじわじわきます。
こういう地味だけど秀作を見つけた時は嬉しいですね^^
魔法にかかれば、おバカと思われていた子たちも輝きだす。
お祖父ちゃんにも、あなたにだって魔法はかけられる。
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ジャグラート州はマハトマ・ガンディーの生誕地なので、所々で(試験の問題とかで)でてきたりしてました。