TWO ALONE ~二つの孤独~  -15ページ目

WARNING!

これから、1本の記事をUPしようと思います。

ただ、
とても重いお話しなのでプレママさんなどの体調に人一倍気を使う方は、読まないでくれると助かります。

最高の笑顔 ~後編~

崩壊する竜宮城から、部下達は脱出を始めたよ。

でも、その中の一人が、脱出する素振りも見せずにその場に立っている男を見て、こう問いただしたよ。


『おい!早く脱出しろ。乙姫さまの命令に逆らうのか?』


でもね、その男はこう答えるんだ。


『ふん!俺は反逆者だ。乙姫さまの命令にしたがう筋合いはない。』


そう 言ってね、それを聞いた部下達は口々に 「ならば俺も反逆者だ!」 「俺もだ!」 そうい言いながら彼女のもとに集まってきたよ。

そうして、事件はまるく収まったんだ。

それからしばらくして、かぶき町の一角に 「竜宮城」 ってスナックがあってさ、その店内で・・・  確か、『近藤勲(こんどういさお)』 とかいう名前の困ったヨッパライが、「また女にフラれた」 とか言ってクダを巻いてたんだ。

それで、その男のツレらしいが、部下だか、友達だかはわからんが、性格が悪いのだけはわかる男が、そいつをなだめていたよ。


『ハイハイ、介錯は俺がしてあげるから』


なんて、ブッソウな事を 「半分は本気なんじゃねえのか?コイツ」 ってな感じで言っててね。

見かねたママさんがたしなめると、その 『困ったヨッパライ』 は 「ハイハイ、これでも昔は竜宮城の乙姫さまだったって言いたいんでしょう?」 そう言って、今度はママさんに質問するんだ。


『んじゃあ、その乙姫さまにききたい。

女ってのは、どうやったらコッチをむいてくれるんですかねえ?』


その言葉に、ママさんが 「そうだねえ、男だったら四の五の言わずに一言・・・」 そう言いかけたその時、ちょうどお店に入って来たお客さんがいたよ。

そして、その男はこう言うんだ。


『キレイだな』 


って、それを聞いた 『困ったヨッパライ』 は、「オイオイあんた、そりゃあいくらなんでも ヒネり がなさすぎ・・・ 」 そう言ったけど。

その男は、こんな風に言葉を続けたよ 

「俺は今まで生きてきて、こんなにキレイな人に会ったのは二度目だ。」

そして、彼はこう言うんだ。


『アンタ、昔も今も キレイだな』


と。

そして、振り返った乙姫さまは、最高の笑顔でその男を迎えたんだ。


最高の笑顔 ~前編~

世界一の美女は誰? ブログネタ:世界一の美女は誰? 参加中
本文はここから

『アンタ 本当にキレイだなあ』


ってなわけでねw 人の容姿を云々するようなネタには必ずのっかる 『銀の目玉のさかな』 です。

今回は、『銀さん』 こと 『坂田銀時』 でいってみようか ( ̄ー☆


『アンタ 本当にキレイだなあ』


その言葉を、彼女・・・ 乙姫さまは、ずっと待っていたんだ。

俺は、その理由は知らないけど、彼女にそう言ってくれたその男は 《永い眠り》 についていたようなんだ。

その男は、きっと命を落としそうになって身体が癒えるまで、深く、ふかく眠っていたんだろうね、そしてきっと、元気になったら再び目覚めるはずだったんだろうけど・・・ でも、その男は目覚めなかった。

乙姫さまは、ずっと待っていたんだ、いつかその男が目覚めて、そしてまた 「キレイだな」 そう言ってくれる日を。

でも、ずーっと男は眠ったままで、乙姫さまは少しづつ年老いていったよ。

そして、彼女思ったんだ。


『このような姿になっては、もはやあの方も私をキレイだと言ってはくれまい。

それならば、世界中の人間を老人に変えてしまおう』


とね、そうして彼女はあの 《玉手箱》 の煙を、世界中にばらまこうと企んだんだ。

でもね、彼女のそんな陰謀に反逆した男がいてさ、彼は 『銀さん』 と
 『ヅラ(←「ヅラじゃない、かつらだ!」)』 を竜宮城に手引きしたよ。

そして
 『銀さん』 と 『ヅラ(←「ヅラじゃない、かつらだ!」)』 は乙姫さまの陰謀を見事に阻止したんだ。

そうして、竜宮城は崩壊を始めたんだけど、その時になって彼女は自分のしでかした事に気づいたんだ。

でもその時!乙姫さまの頭上から瓦礫が降ってきて、その下敷きになった彼女は身動き出来なくなったよ。

その、土壇場の状況になって彼女は、自分のしたことを心底から後悔してこう言うんだ。


『どうやら、わたしが本当に醜くなっていたのは、見た目ではなく心根の方だったらしい。

わたしはこれ以上醜くなる前に、あの方とともに海の底で眠りにつこうと思う』


そう言った彼女は、部下たちに竜宮城から脱出するように命じたよ。

でもその直後に、今度はさっきよりも大きな瓦礫が乙姫さまをめがけて倒れてきたんだ。

万事休す!そう思ったその時、倒れてきた瓦礫を体をはって受け止めた 『銀さん』 はこう言ったよ。


『あんたはそれこそ、いろいろな男たちから 何千 何万 という言葉をかけられてきたんだろ?

その中で、その男の言葉だけが消えずに残っていたのはなぜだと思う?

そいつぁ、その男の言葉があんたの見てくれじゃなく、心根のきれいなところをまっすぐみすえていった言葉だからじゃねえのか。』


そして、こう叫ぶんだ。


『だったら いいじゃねえか! 

    総入れ歯になろうが!ぼけてウンコもらしてようが!

たとえどんな姿になろうが・・・

     最高の笑顔でむかえてやりゃあ いいじゃねえかよ!』


と。










『大きなもの』

そのお話しは、世界が 『魔界』 と 『人間界』 に別れていて、そしてその二つの世界は 『魔力』 によって構成されている、そんな物語だったよ。

主人公はさ、そんな 『魔力』 が淀(よど)んで、形になった怪物の化身だったんだ。

もし、その力が暴走しようものなら、たちまち世界が滅ぶほどの力を持った怪物の化身・・・ でも、その一方で主人公は、自分の力をより高める必要があったんだ。

なぜなら、彼の魔力は淀んでしまったといっても世界を構成する大元だから、世界を安定させる為にはより大きな魔力を持つ必要があったんだよ。

そしてそのために、魔界でも屈指の強者が四人選ばれて、主人公はその四人を相手にいつも特訓ばかりさせられていたよ・・・ でも、そんなある日の事、世界を滅ぼそうと企む組織が現れて、主人公を抹殺しようとしたよ。

でも、主人公とその四人の仲間は、逆に相手のアジトに乗り込んで叩き潰そうとしたんだ。

主人公はさ、強情で短気な性格でさ、仲間からたしなめられたけど・・・ 逆に、そんな仲間にこう言ったよ。


『俺は大切なヤツなんてつくらねえ! どうせ、作ったってすぐいなくなっちまうんだ』


でもその言葉を聞いてある仲間が言うんだ、思った事をズケズケと言って、そのせいでいつも主人公とはケンカばかりしているようなヤツがね。


『本当にお前はバカだな』


ってね、それで 「んだと、コラア!」 そう言って怒った主人公にその男は自分の考えを言ってさ、みんなの仲裁もあってその場は収まったよ。

そうして先へ進んで行ったんだけど、主人公達は通路に仕掛けてあった罠にはまってしまったよ。

もしその罠に捕まったら、チリ一つ残さず消えてしまうような最悪の罠を前に、主人公達は退路を断たれて万事休す!だったよ。

ただ、その罠の大元を壊せばみんなは助かる、でもそのためには壊しに行ったヤツは罠にかかってしまう!その状態で 「俺が行く!」 そう言ったのは、いつも主人公とケンカばかりしていたその男だったんだ。

彼は言ったよ 「コイツのために行くんじゃねぇ、世界のために行くんだ」 ってね。

そうして、彼は仲間を救うと、その目の前で消えてしまったんだ。

でも主人公の胸には、さっきケンカした時の彼の言葉が残っていたよ。


『大事なヤツがいなくなって悲しいと思うなら、

  それだけ大きなものをもらったと思えばいいだろう』


と。



『グッバーイ ジョニー』

捨てられず困っているモノは? ブログネタ:捨てられず困っているモノは? 参加中


今回は、《注文された酒が無いと本気で泣いて悔しがるマスター》 のいるショットバーを舞台にしたお話しでも書こうかと思っています、よかったら読んでやってください。

その店には、マスターにとっては困った奴なんだけど ( ̄ー ̄; でも、やっぱり憎めないヤツ!そんな感じの困った常連さんが一人いたんだ。


どんなヤツかというと、せっかく本格的なショットバーに来ているのに、いつも注文は決まって 「ウイスキーのウーロン茶割り」 そんな男。


その日もお店にやって来た彼に、マスターはこう言うんだ。


『いらっしゃい、今日もウイスキーのウーロン茶割りかい?』


でも、彼はこう答えたよ 「いや・・・今日はジョニ黒をください」 ってね、思わず 「どうしたんだい?めずらしい」 そう言ったマスターに彼は、「うん、今日はどうしてもジョニ黒じゃなきゃダメなんだ」 と答えてね。

そして、「今日はお世話になった先輩のお葬式に行ってきたんだ」 そう言って、マスターにお清めの塩をもらうとその先輩の事を話し始めたよ。

その先輩は、彼が駆け出しの頃からお世話になってた人だそうで、仕事の仕方から悩みまで、それこそありとあらゆる相談にのってくれていたらしいんだ。

そて、その先輩はいわゆる ”酒豪” ってやつでさ、特にジョニ黒がすきだったらしいんだ、その先輩いわく 「金がある時はジョニ黒を飲め!ない時はヘアトニックを飲め!」 だって。

マスターはそれをきいて、「スゴイ人だね」 って驚いたけどね、でもどうやらその先輩は、お酒の飲みすぎで身体を壊してさ、それで入院することになったらしいんだ。

彼は、最後にお見舞いに行った時のことをマスターに話してね、先輩は喜んで出迎えてくれたらしいんだけどさ、「病室にばかりいると気が滅入る、どうだ、散歩に付き合わないか?」 そう言ってね・・・

そして、先輩は林の近くに来ると、突然あたりを見回してさ 「誰か来ないか見はっていてくれ」 彼にそう言ったそうなんだ。

そして、先輩が木の根元を掘り出すと、そこから1本のジョニ黒が出てきたよ。

彼は 「あっ!」 と驚いたけど、そのボトルを飲む先輩を止められなかったんだ。

するとその先輩は 「ふぅーっ さすがジョニ黒だな」 そう言ってね、半分残ったそのボトルを彼に差出して 「どうだ、お前も飲め!」 そう言ったんだ。

でも彼はその残りをもらうのを遠慮してね、すると先輩は 「そうか、じゃあこれは俺がもらうぞ」 そう言ってね、一気に飲み干してしまったんだ。

そして、その先輩は空になったボトルに 頬ずりしながらこう言ったよ。


『グッバーイ ジョニー』


と。

そんな話しをした彼は、


『だから今日は、ボクはジョニ黒を飲まなきゃいけないんだ』


マスターにそう言ったよ。

人はさ、確かに 「捨てたくても捨てられなくて困っているもの」 があったりするけど、でも時には 「これを捨ててまで生きようとは思わない」 そんなものを持っているひともいると思います。