パソコン上のファイルを整理していて見つけた、かつて書き留めていた文章の羅列。
前回は、「戀と恋」について、取り上げた。
今回は、「受容語彙と産出語彙」について、取り上げようか。
これらは、自分自身の備忘録として、あらためて書き留めるものでもある。
「受容語彙と産出語彙」については、当時、フェイスブックにも、こんなふうに投稿していた。
2016年5月14日
最近、毎朝、通勤電車でネットラジオのNHK「英会話」を聴いているのだが…なんだか難しい。で、早目にラジオをオンにして、その前番組の「基礎英語3」の後半部分を聴くと…なんとなく自分が賢くなったような気がして、ひどく心地いい。
ところで、先日、この「基礎英語3」に「受容語彙」と「産出語彙」という言葉が出てきたのだ。
正直、僕は初めて聴く言葉だったのだが、なんでも「受容語彙」というのは「文章を読んだり、話を聞いて、自分が理解ができる語彙」のことを、そして「産出語彙」とは「文章を書いたり、言葉を話したりする際に、自分が実際に用いることができる語彙」のことをいうらしい。
まぁ、簡単に言い換えるなら、受容語彙とは「意味はわかるが自分自身で使いこなすまでには至らない言葉」、産出語彙とは「自分自身が文章や声にして、使いこなすことができる言葉」ということなのだろうか。
そう考えると僕の場合、少なくとも日本語においては、受容語彙と産出語彙の間にあまり差異はないように思える。
だが、これを「語彙」ではなく「知識」や「行動」に置き換えてみると…「わかっているけれどできない」「やらなくてはならないとは思うけれど行動に移せない」ということは結構多いのだなぁ。
つまり「受容」と「産出」の間にかなりのギャップ、ひらきがある、ということだ。
それにしてもこれって、なかなか興味深い言葉だと思う。
「受容語彙」と「産出語彙」。よし、覚えた!
当時、講座を担当されていたのは、投野由紀夫先生で、専門はコーパス言語学ということだった。
コーパスとは「コンピュータによる検索が可能になっている大量の言語データ」のことを言うらしい。
今日の放送では「if」と「whether」の使い分け、ということで、実際にネイティブが使う文章を分析した「結果」を紹介していました。
動詞「see」のあとに「if」が続く確率は80%、「whether」が続く確率は20%。
「know」のあとに「if」が続く確率は55%、「whether」が続く確率は45%。
同様に「wonder」では70%と30%。
「ask」60%と40%。「decide」10%と90%。
こういう分析をまじえての教え方って、なかなか面白いと思いませんか?
僕は中学生のころ、こんな先生に出会っていたら、もっと英語に興味を持っていたかもしれません。
そしてまた、「教える」ことに対する工夫や、相手の興味を引き出す方法。
「教える」って、面白いことなんだな、とあらためて思いました。
僕たちが学生の頃は「文系」「理系」、境界線がハッキリしていた感があったけれど、もちろんこれらは「相反するふたつのもの」ではないわけで。
その境界にこそ、実は一番面白いものが潜んでいるのかもしれませんね。
さて、あの頃、知識と行動に置き換えて、「受容と産出の間にかなりのギャップ、ひらき」があった僕は、今、すこしでもそのひらきを詰めることができたのだろうか。
ごめん。今夜もこれから、ひとり反省会を開催しなくてはならないな。