緑の屋根が映える
小さなジェラート屋さん
家から車で10分
日が少し傾きかけた
真夏の午後
あなたに車で連れて行ってもらう
今日は少しだけ
気分が良いみたい
風を切って走る車
心地よさが舞い込む
スピーカーからは
ふたりの好きなBGM
それぞれの思いに
ひたりながら
目的地へ
店内は思いのほか
混雑
これだけ暑いんだもの
きっと
考えることはみんな一緒なのね
私は当店
人気No.1の搾りたてミルク
チョコ好きなあなたは
ダブルチョコレート
日陰のベンチに
2人並び
腰をかけて一緒に食べる
風がそよそよ
気持ちがいい
「おいしいね」
「おいしいね」
そう 言い合いながら
笑顔がこぼれた
不意に横を見る
あなたの横顔――
こうして何度、眺めてきただろう
“そういえば
今日は結婚記念日だよ”
あなたがポツリとつぶやいた
すっかり忘れていたけど
ああ そうだったね
24年間で
もっとも
ささやかな記念日
それでも
一番優しさに満ちた
記念日のような気がした
目の前には 小さな水田が広がる
例えここが
自宅から
たった10分の場所でも
私の五感で感じたものは
きっと
世界中のどこにいたって
変わらない
誰と
どんな時間をすごしたのか
どんな気分でいたのか
こころとからだで
感じたことが全てだから
だとしたら
今日のあたしは
とても幸せ者。
※私two-miracleの綴る詩は
わたしの心の内や創作の中に
同時に存在する、いくつもの
愛のカタチを描いています。
誰かを裏切ったり
否定する意図はなく
ただ、一人の人間の記憶として
心を込めて紡いだものです。
この詩に触れた方が
それぞれの心にある愛の記憶と
静かに響き合えますように。




