あけましておめでとうございます!
毎年この時期は邦義と貴志を書いているみたいなのでまた書きました(?)
最近昔の話を読み返すことが多いのですが、流石にこんだけ書いてると昔の話が『もっと書き方あるかも』とそわそわしてしまいますね(笑)加筆修正しても良いかもしれない。というか、昔は2000文字(だいたいいつもそのくらい)がやっとだったんですけど、今回もなんですが、気がつくと2500は超えるようになりました。け、継続は力なり!?(笑) でも昔書いたのも比較版として残しておきたいので、またジャンル分けようかな。《加筆修正版》みたいな。いつも前編後編とか分けてるのをくっつけて1つにしてみたりとか。とりあえず考えます。
「新年会?」
「そ、俺の誕生日と合わせて毎年開いてんだけど、毎年俺が逃げてたから……。」
「今年は邦義を逃さない方針になったのよ。」
「というわけで、貴志くんも参加してほしいんだけど。」
本邸に呼び出されたと思ったらご両親から新年会の話をされる。そういえば毎年この時期になると邦義はどっかのホテルに引きこもってたな。俺も仕事が程々に忙しいから気にしたこともなかった。
「参加するのはいいですけど、なんで邦義そんな嫌がってるんです?」
「……あ、それ気になっちゃう?」
「だってクリスマス会は出るじゃん。」
「………まぁね。」
「邦義はね、ダンスが嫌なのよ。」
「ダンス?」
「そう、新年会はダンスパーティーみたいなものだからね。毎年主役がメインダンスを踊るんだが……」
「邦義がいないとそれが大変なのよねぇ。」
「それ、なくさない?うちの家に伝わる伝統ではあるけど……」
「邦義、ダンスくらい踊れるでしょ?何が嫌なの?」
「踊れるよ。踊れるんだけど……」
「だけど?」
なんだか邦義の歯切れが悪い。なんだか違うところに理由がある気がする。もしかして相手が必要なダンスなのかと思ってそれくらいは俺も許せるよ、と伝えると『どちらかというと舞だからそうじゃない』と言われる。それ以外に君が嫌がるとすれば……
「あー、はやく麗ちゃんが成人すればいいのに。」
「高校生のうちはやらせないからな?」
「俺は15でやったのに!?」
「それは剛さんが足怪我しちゃったから、仕方なくでしょ。」
「そうなんだけど、それを良いことに高校生の時もやらされて……」
「……もしかして、服が嫌なの?」
「そうなんだよ!」
「開き直った。」
「ある一人の行商人がこの地の貴族に恋をして商談を兼ねたパーティで美しいを舞をみせたというのが始まりとされてるんだ。」
「その行商人が男なのか女なのか不明だからどっちともとれる服と化粧をして舞うのが恒例なのよ。」
「普通は女性がやったほうが良いんだけどね。」
「でも、邦義の前はお義父さんなんですよね。」
「うちの女性陣は麗を除いて運動が苦手だからね……」
「私も六花も社交ダンス一曲踊るので精一杯なのよ。あんな舞が踊れるわけないわ。」
「それに関しては醍ちゃんも踊れなかったしなぁ。」
邦義が観念したようにため息を付く。椅子から立ち上がると部屋の隅でストレッチをしている。あぁ、そういえば、最近筋トレの内容が変わって少し線が細くなった。それはそのダンスのためだったのか。
「邦義が逃走してる間はどうしてたんですか?」
「外に委託してたんだけど、その人も来れなくなってね。あんまり外に出してない内容だし、邦義がやってくれたほうが手っ取り早い。」
「そうなんですね。」
「それに、あの子本当に器用だから、誰よりもきれいに踊るのよ。」
「それはなんとなく、想像できます。」
「邦義、さっきからストレッチしてなにしてるの。練習するならするで隣の部屋に行きなさいよ。」
「いや、そろそろ、姉来るかなって……」
「六花?そういえば邦義が今回踊るって言ってから見かけてないわね。」
「できたわよー!!!!」
「ほらきた。」
ひらひらとした布を持った六花さんが部屋に突撃してくる。邦義が着るには量が多いような?
「ほら邦義はコレ着て。あと、これは貴志くんの服ね!!」
「え?俺?この間もらったやつ着ようと思ったんですけど…」
「私はね、行商人も貴族も女の人だったんじゃないかなと思ってるのよ。その後結ばれた記述がないし、むしろ引き裂かれてるくらい。実はこの伝承って公に結ばれることのなかった2人が唯一逢瀬を成功させたときのことなんじゃないかとおもっているの。」
「姉さんずっとその文献漁ってたもんね…。」
「と、いうわけで、貴志くんには貴族側をイメージした服を見繕いました。」
「あ、そういう感じ。」
「1年の平和の祈りと愛する人へ向けたアピール。きっとあのダンスにはそんなものが込められてるの。だから、邦義、今年は貴志くんのことだけ思って踊るのよ!?」
「いや、別にさ、姉さんに言われなくても……」
「さ、つべこべ言わず練習見して頂戴!装飾つけちゃうから!」
「あーはいはい。」
隣の部屋に六花さんと邦義が行ってしまうと六花さんのくれた素敵な服を見ながら思わず笑みがこぼれる。それを見ていたお義母さんとお義父さんが面白そうに目を細める。
「今、邦義なんて言おうとしたのかしら。」
「『姉さんに言われなくても』なんだったんだろうね。」
「なにがですか?」
「あら、鈍感。」
「まぁ、当日わかるだろうさ。」
大きなホールの中心で、美しく綺麗な君の舞は皆の視線を釘付けにする。短い髪の代わりにひらひらと舞うベールは照明を受けて時折キラリと光り輝く。もとよりパーツのバランスの美しい君の顔は化粧のせいかより端正なものとなって魅力的だ。スカートではなくあえてパンツスタイルを選んだのは邦義の希望だったそうだ。行商人は男装の麗人だったのではないかという六花さんの仮説を元に作られたその衣装はなぜだか君にぴったりだ。
考えてみれば、君に出会ってすでに10年を超えたんだな。初めて君と目があったあの日から、俺はずっと君に捕らえられていてこの湧き上がる気持ちを抑えることなんて出来なかった。そして君はいつだってこの気持ちを上回る『答え』をそのクールな瞳の奥に隠しているんだ。それがわかったのはこの数年のことなんだけど、その思いの大きさを、君の瞳の奥の熱を知るたびに俺はその思いに応えたくなる。思わず口ずさんだのは先日お義母さんが教えてくれた愛のセレナーデ、それが聞こえたのか君が踊るのを止める。それに合わせて観衆も静かになったのが少し怖くで震えてしまう。それを知ってか知らずか、俺だけを捕らえた瞳をこちらに向けて装飾のついた腕を俺の前に出した君はきっと俺の運命の人で間違いないんだ。
「おいで、俺を信じられるなら。」
「答えるまでもないよね。」
俺よりも少し小さいけれど何よりも頼もしいその手を離さないと決めた時からこの人生は何よりも美しくて素敵に満ち溢れている。この喜びと愛しさを俺は何十年かけても君に届けたい。俺の歌に合わせて演奏が始まるとそれに合わせて君は再び動き出す。きっとこれは新しい物語の始まりかもしれない。この先はわからないけれどきっと2人ならどこまでも進んでいけるよ。
『君と二人の人生に幸多からんことを』
とみはこれから初詣行きます。毎年大吉のミラクルガールですが、実は元旦そうそう『招きみくじ』というものをひいて『大吉』を出してしまったので神社で大吉じゃなくてもノーダメージです(?)というか、もういい加減大吉は無理だと思います。9年連続は流石に無理でしょ…🤔
よくマンガとかにいる『おみくじは大吉しか出さないラッキーキャラ』みたいなのいるじゃないですか、大抵の人は『創作の中だけww』っていいますけど、とみを知ってる人は『まぁ、そういう人もいるよね』って言ってきます。
新年の抱負的なのはまた今度(笑)