普段は、政治ネタはこのブログでは書かないのですが、今回のアメリカ大統領選挙については、今までの思うところを書いてみたいと思います。
まず、今回のトランプ氏勝利は、今年顕著に表れた反グローバリズムを象徴した出来事だったと思っています。
今までのグローバリズムでは、国境のハードルを下げるものが多かったです。
多国籍企業の台頭、移民の受け入れ、多文化共生などが上げられます。
その一方で、リベラリズムによるマイノリティへの配慮、ポリティカル・コレクトネスによる差別的用語の言いかえなどが1990年代から進んでいってきました。
難民の受け入れは、両方の要素が含んでいると言ってもいいでしょう。
ところが、その結果、割を食うようになったのが主に自国の中間層以下の人たちです。
外国人に仕事は奪われる、外国人の文化的尊重を求められるあまり自分達が我慢させられる、マイノリティの非難をすればヘイトスピーチと言われるという閉塞的な状況に陥ってきました。
そうなれば、グローバリズムやリベラリズムなんて冗談じゃないという声が上がっても不思議ではありません。
今年は、それを象徴する投票が世界で2つありました。
1つは、イギリスのEUからの離脱を決めた国民投票です。
元々イギリスはEUに加盟しながらも共通通貨のユーロを使わず、ポンドを使い続けています。
そういう意味では、ヨーロッパ大陸の加盟国よりは距離を取っているのですが、それでも我慢ができなくなっての結果とも言えます。
そして、もう一つが、今回のアメリカ大統領選挙です。
トランプ氏は、「アメリカ・ファースト」を訴えていました。
他国の製品に高関税をかけるということも公約として掲げています。
そのような訴えが、今までの流れにうんざりしていた人たちを惹きつけたのは想像に難くありません。
そういう意味では、トランプ大統領誕生というのも、時代の流れの中で生まれたと言えるでしょう。
今までのグローバリズム、リベラリズムに対する反動は世界中で起きています。
ドイツでは難民受け入れを表明したメルケル首相の支持率が落ちていますし、フランスではシャルリー・エブド紙でイスラム教徒を揶揄するイラストを描いたぐらいにイスラム教徒に対する嫌悪感を示しています。
これからは、その揺れ戻しで、ナショナリズムが強くなるでしょう。
そして、今までのグローバリズムやリベラリズムが、ソ連崩壊後からの20年強であったことを考えると、世界中でのナショナリズム台頭も、そのぐらいの期間になるのではと予想しています。
左派は、右傾化を憂慮する発言が多かったですが、左右へのブレ自体は振り子の針のようなもので、ずっとどっちかに傾いているわけではなく、ある時期は右へ、ある時期は左へと傾くものです。
今までは左に傾いていましたから、右に傾く時が来るのは自然なことです。右傾化の傾向をいたずらに嘆くより、右に振れ過ぎたときにその傾向を憂慮する層を受け止めるだけの体制づくりが必要ではないかと思います。
一方の右派については、外国人やマイノリティへの憎悪を煽らないようにすることが大切だと思っています。あまりに右に振れたら、今度はまた揺れ戻しが激しくなるでしょう。ちょうど、今左に振れ過ぎて極右勢力が伸びているのと逆のことが起きる可能性があります。
政治については、なかなかまとまって話す機会がないので、今回のアメリカ大統領選挙をきっかけとして書いてみました。
たまにはこういうことも書くということで。
今回は、ここまでにしたいと思います。
