Twilight SystemのFacebookにも寄稿させてもらったのだが、
ハーモニカ奏者のトゥーツシールマンスが亡くなった。
彼の作品にはどれだけ助けられ、そして今も愛聴している作品が多いことか。
高校生の時に初めてFMラジオで彼の作品を聴いたのがきっかけで、
彼の作品を探すようになった。
当時はなかなか手に入らず、また周囲に彼の存在すら知らない人ばかりなので
なおさら自分にとっては未知なるジャズマンになっていた。
彼はハーモニカ奏者として有名だが、
実はギターリストであり、そして口笛奏者!?でもある。
高校生の時に彼のギターと口笛の演奏曲”ブルーゼット”という曲を聴いた時に
ギタリストと口笛奏者は別だと思っていた。ただアルバムクレジットには彼の名前しかない。
まさか一人で、しかも同時に演奏しているなんて夢にも思わなかった。
20歳の頃にNew Yorkで今無き有名なジャズクラブ”ボトムライン”で彼の演奏を観た。
その時にギターと口笛を同時に演奏しているのを目の当たりにし、
しかもギターとハモりながら口笛を吹いている姿は神々しかった。
ライブ演奏終了後に彼の楽屋を訪れて自分の気持ちを伝えた。
あれから沢山の時が経ち、そして彼は逝ってしまった。
彼の奏でる優しくも切ないハーモニカの音は自分にとっては最もヒーリングされる
音楽の一つである。苦しくなった時、悲しくなった時に彼の音楽に触れることで
何だか慰められているような気にさえなったことがある。
自分も創作活動をしている端くれとして、彼のような心の支えになれるような作品を
創りたいと切に願うし、それがどれだけ難しいかということも知っているつもりだ。
晩年も演奏活動を続けていたのは知っていたが、やはり突然の訃報には驚いた。
94歳の大往生だから大変お疲れ様でした、という気持ちが強い。
彼の残した作品をこれからも聴き続けるだろう。
自分を見失わないためにも。