嫌な女 | リリのぜいたく三昧

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せっかく撮った写真とか、観た映画のこととか、読んだ本とか、初めて行った場所のこととかを書きたくて。

最近、本屋で文庫新刊のコーナーに平積みになってます。

そうです、ピンクの背景にセクシーっぽい女性の鼻から胸元にかけての絵が描かれた装丁の文庫です。けっこう厚いよね。

知らない方はどこでもいいから大型書店に入ってみましょう。

見つかります。




ってぐらいに、どこの本屋でもがんがんに押し出されていたので、思わず買ってしまったよ。

気になった理由は、主人公の一人が女性弁護士だったせいもあるけど。



ざっくり。

孤高の女弁護士・徹子が、遠戚である嫌な女・夏子のトラブルを解決してあげる、って話。

夏子って人は、アレです。
自分がモテるのを知っていて、男を手玉に取るのが上手くて、同性には嫌われる。
典型的な、嫌な女。笑

徹子さんは、あまり人付き合いが上手くなくて、小さい頃から勉強を一所懸命頑張ってきて、昭和の時代にして女性弁護士となった優秀な人。
故に一人で生きていくことになる、これまた最近ありがちな女性。



物語は全てが徹子の視点で描かれ、24歳から71歳(ぐらいだったと思う)までの長い時間の流れがあります。

最初の夏子からの相談から、何年かあけて、結局7件?8件?の彼女のトラブルを解決する徹子。

不快感と不信感の塊でしかなかった徹子の夏子に対する想いは、ゆっくりと変化を遂げていきます。

夏子の変化。
徹子の変化。

どちらも、なかなか面白いです。



結局のところ、この本の根本のテーマは「人生の閉じ方」なんじゃないかなーと思います。

色んな人の人生の閉じ方が出てきます。
ちゃんと閉じるための準備をしている人だけですけどね。

うーん………。
人生を閉じる準備は、さすがにまだ自分には結びつきませんが、自分のやりたい仕事については考えさせられました。




全ての働く女性が、どこか共感できる要素が必ずある物語だと思います。

長いので、途中くじけそうになるかもですが、最後まで読むことが大事。
泣けます。

最近、小説で泣くようになったよなぁ……
歳かなぁ……←