三角関係 | リリのぜいたく三昧

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せっかく撮った写真とか、観た映画のこととか、読んだ本とか、初めて行った場所のこととかを書きたくて。

歌舞伎で男女の色恋のもつれを題材にするお話は、三角どころじゃ済まないものが多いんだけど、野崎村は、実にシンプルに三角関係です。

お光という田舎娘(普通に可愛い)と、
その幼馴染で許嫁の久松(優男)と、
久松の奉公先である大店のお嬢様のお染(たいそう美人)。

この三人の三角関係ですね。



しかもねー、みんなちょーいい子なんですよ。ヤな奴はいないんです。

みんな、ただひたむきに恋をしてるんです。

昨日の狐とか狸みたいな自分勝手な恋愛じゃなくて、初々しい若者たちの青春ストーリーなんです(/ _ ; )

あえて言うなら、許嫁がいるくせに奉公先のお嬢さまに手を出した久松はアレですが、この子もまだ17、8の男の子ですから。
彼もちゃんと(笑)罪悪感に苛まれているんですよ。

こういう、いい人しか出てこない話っていうのは、ホントに泣けます。
やり切れない感じが、たまりません。

野崎村は、私の大好きな演目の一つなので、見られてホントに幸せでした。




奉公先のお嬢さまのお染と恋仲になった久松ですが、お店の現金を着服した罪を着せられて(濡れ衣です。久松はいい子です。)、実家に戻ってます。

で、久松が戻ってきたのを幸いに、許婚のお光と祝言あげちゃおう!っていうムードのところから物語スタート。

お光は嬉しくて嬉しくて、ウキウキが隠せません。
もうその様子が可愛いのなんの♡

ところがそこに、久松を追ってお染が訪ねてきます。
お染……かわえぇ……(゚Д゚)

そりゃお光焦りますねー。邪険にして、追い返そうとします。
必死に、久松にお染が来たことがばれないように頑張ります。
この、ヤキモチ焼いてる様子がたいそうかわいいんです(*^^*)



でも、お染も必死なんです。なんてったって、彼女は久松の子を妊娠してるんです。

えっ∑(゚Д゚)
※これで久松キライになる方多いと思いますが、若気の至りってことで勘弁してあげてください。何度も言いますが、久松はいい子です。彼に打算や悪意はありません。ただお染が好きなんです。



結局、久松もお染に気付きまして、お光が祝言の準備をしてる隙に、二人は再開を果たします。

「久松…っ、会いたかった……会いたかったわいなぁ……!!」
もーー!!かーわーいーいー(≧∇≦)

でも、お染はお金持ちのお嬢さまですから。
久松も、彼女のお家のためにも、自分と一緒になるべきではない、互いのために別れよう、と諭します。(ほらいい子)

まぁこんな田舎まで追いかけて来て、それで納得して帰るわけないですよねー。
お染は、だったら死ぬと言って、そしたら久松も一緒に死のうってなるんです。
………はい。なるんです。笑



ところが、ここで久松の養父が登場しまして、二人を止めて、諭します(というか泣き落とします)。

さすがに親の涙は偉大でして、二人も冷静さを取り戻し、別れることを約束します。

こうして、お光と久松の二人は祝言あげて、お染もいいお家の人と結婚して、めでたしめでたし!
……となるところだったのですが、このやり取りの一部始終を影で聞いていたお光が、最後に予想外の行動をとります。

あぁもう。お光どんだけいい子なんだよう。
久松のこと大好きなんだね!!
泣けるっ。泣けるようっ(/ _ ; )



お光の決意が何なのかは……

「ぴんとこな」読んでください。笑



あぁ。
恋って素敵ね。こんな恋したい。

昨日は男と女なんて所詮こんなもんだよなーってげんなりしたのに。笑

ホント、昨日見た話とのギャップ半端ない。
しかも、昨日は騙し合ってた二人の役者さんが、今日は一緒に死のうと覚悟を決めるほどの純愛やってるんです。

もうね、見てる方も、戸惑う。笑



役者さんたちは、これを朝と夜で演じ分けているわけでして。

いろんな役ができて楽しそうとも思うけど、切り替えるの大変だろうなー。
すごいお仕事ですね。




お光の姿に感動しすぎて、幕間でストラップ買ってしまった。

photo:01



右がお光、左がお染の拵えです。

大切にしよう。