妄想デート(社内恋愛) | ~ Ba.せきたくの『だから日常』 ~

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錦糸町の町をかっ歩していると、サラリーマンカップルがいましたよ。

マンの方は、サマージャケットで髪先を遊ばせたりしてさ。
ウーマンの方は、スカートスーツで髪をアップにまとめたりして。

うむうむ、幸せそうだ。

完全におっさん目線でじーと見てしまった。いいなぁ・・・。

いやぁ、おじさんも4年前まではサラリーマンしてましたが、憧れたなぁー、社内恋愛。



誰にも秘密の社内恋愛だから、待ち合わせは、会社から少し離れた二人だけの行きつけのBAR。

彼女は、俺のアシスタントで、いつも一緒に行動している。でも、バレちゃいけないから、他の社員よりも少し厳しめに指導するんだ。

俺の机には、青や赤やピンクのファイルがあって、毎日、帰り際に彼女が俺のところに業務報告をしにくる。その時に、ピンクのファイルを横に倒したら『いつものBARで待ってるね』ってサイン。
それを元のところに直したら、俺からの『OK』ってサイン。

俺は、業務量が結構あって、いつも1時間くらい遅れちゃう。
「ごめんごめん!」ってドアを開けると、ほっぺと鼻を真っ赤にして、まるでアンパンマンみたいな顔になった彼女がいるわけ。

「いいよいいよ、お仕事大変だもんね。そんなの私が一番知ってるから。」
1時間前までは敬語、このお店に入ったとたんに敬語は解除。この瞬間から、二人は恋人になるわけ。

彼女は、いつものカクテルを2杯飲んだところで、俺は、俺オリジナルの『初恋の味ソーダ』。車で通勤してるから、トニックウォーターにライムを入れたソフトドリンク。

バーテンダーはすっかり友達になっていて、毎日、試作のつまみをご馳走してくれる。
『初恋の味ソーダ』を飲み干すと、会計は面倒くさいから月末までのつけ。

少しだけ酔ってる彼女を車に乗せると、俺の家の近くのスーパーで、すっかり安くなっている惣菜を少々、それと風呂上りに飲むチューハイと彼女が大好きなアイス。

玄関の扉を開くと同時に、アップにしていた髪をパサーってほどく、資生堂つばきの甘い香りが俺の鼻を通ると、もう我慢できん!って玄関で後ろから抱きつく。

「ココじゃだめだよー」って彼女。

・・・うーん!たまらん!




って、錦糸町でかっ歩していたカップルもきっとこんな感じだろう。って想像しながら、じーっと見てしまった。