8日、
マルコム・マクラーレン(MALCOMMcLAREN)
がガンで死去しました。
64歳でした・・・。
少なからず、
何らかで彼の影響を受けた
アーティストは多いですよね。
また、そのアーティスト達からの影響で、
ファッションやアートや音楽に興味を持ち、
今の自分のセンスや価値観に繋がっている
人も多いと思います。
自分の場合は、80年代の彼の音楽活動が大好きです。
ヒップホップアートとしての作品です。
マルコムの場合、音楽サイドとファッションサイドと
大きな功績がありますが、
ファッションサイドを少し追ってみます。
マルコムは46年にロンドンに生まれ。
ストーク・ニューイントン地区で育ち、
セント・マーティンス・カレッジ・オブ・アートや
ゴールドスミス・カレッジでアートを専攻した。
71年12月、
ロンドンはチェルシー地区キングス・ロード
430番地に構えたショップ
「LET IT ROCK」
マルコム・マクラーレンのファッションセンスは
突き抜けていて、生産する引き受け手、
理解者がいなかった。
そんな中、
ヴィヴィアン・ウエストウッド(Vivienne Westwood)だけが
彼の作品を理解し、生産するようになったのがキッカケで
パートナーとなった。
当時のファッショントレンドは、
ヒッピールックでしたが、彼らはこの流行を拒否し、
ロックをコンセプトとしたエキセントリックで
挑発的なファッションを発表した。
店内は50年代のジュークボックスが置かれ
ロックのレコードや雑誌、
50年代の古着などが販売されていた様です。
さらっと書きましたが、この時代に
コンセプトセレクトショップを作っているんですね。
昭和でいうと41年です。
そのショップは・・
リンゴスターとデイビッド・エセックス主演の映画
「That'll Be The Day」用の衣装を製作し
ショップは軌道に乗っていったらしいです。
映画内容は、
70年代のイギリスに生きる若者の
焦燥を描いた青春映画。
72年
バイカーファッションに興味を持ち、
「Too Fast to Live Too Young to Die」
をスタート。
ロックをコンセプトとしたファッションから、
スタッドやジップによってデザインされたバイクライダーのための
レザージャケットを中心としたファッションにシフト。
74年
「SEX」
店内はポルノの落書きスプレーとラバー・カーテンで飾られ、
レザーボンテージなどのセックスやフェティッシュを
モチーフとしたファッションが並べられました。
75年
「SEX PISTOLS」
プロデュースを開始します。
パンクファッションを一つのジャンルとしてを築く。
76年
「Seditionaries」
治安妨害者達
という店名で、荒廃したドレスデンや
上下逆さまのピカデリー・サーカスの写真
などを使う奇抜なデザインだったようです。
Seditionariesインビテーションカード
店名に相反して、エレガントなデザイン。
「World's End」
パンクムーブメントの反動もあり、
昔のスペインのガリオン船をイメージしてもので、
天井は低く、床や棚は傾斜したものでした。
また、有名な「凄い速さで逆回転する、
13時間を表示する時計」が掲げられました。
World's End
「バッファローハット」
改めて見ても、
この70~80年頃の彼の活動はすべてにおいて
革新的なコンセプトデザイン。
同時代では、真似できない凄さだったと思います。
宇川直宏も、ツイッターで
マルコメならぬマルコム(脳)味噌が熟成した成果だ
とつぶやいてました。
この
常識を覆す発想、行動力、表現力、
は自分も見習いたいです。
マルコム、安らかに。
「すべてはストリートから生まれる」
が持論だったそうです。
「私たちは若く、マルコムと恋に落ちました。
当時もそして今も彼を美しいと思っています。
カリスマがあり、特別で才能のある人でした」
-ヴィヴィアン・ウエストウッド