「…大丈夫?」
ドンヘの首すじから食事して、離れる。
「うん…でも、動けない」
首すじから飲むと、唾液の作用で身体が動かなくなる。
他の部分からだとそれはない。
だから昔から、人間を襲う時は首すじから…なんだろうな。
「相手さ…」
「ん?」
「おまえのこと、どう思ってるの?」
「チャンミン?」
「チャンミンって言うのか…」
どこまで話すべきだろう…親友として訊いているのか、判断がつかない。
「ずっと僕の片想いだと思ってたけど…」
「チャンミンも好きだって?」
そう言って微笑むドンヘ…
ただの親友だったころと変わらない笑顔に…
「…うん」
と答える。
「よかったな…」
そう言うと、笑顔で天井を見つめるドンヘ…
「…ありがとう」
まだ、動けないドンへの手を握った。
ドンヘが回復してから、いろんなことを話した。
チャンミンのこと、姉さんのこと、これからのこと。
これから、どうするのが一番いいのか…よくふたりで語ったっけ…また親友として話せるようになったことが、とても嬉しい。
「そろそろ帰るかな…」
チャンミンが帰ってくる時間になる。
「俺も、夜勤の時間だ…」
ドンヘが時計を見上げる。
「ユノ、俺さ…親友としておまえの人生に関わっていきたい…だから、遠慮しないでいつでも来てくれよ」
ドンへがテーブルの上を片づけながら話す。
「あぁ…」
じわじわと胸があたたかくなる。
僕は不遇の生まれだったのかもしれない。だけど、僕を支えてくれる人に恵まれた。
僕は幸せだ…と心から思う。
ドンヘに感謝しながら、家路についた。
せっかくだ、今日はチャンミンにゆっくりしてもらおう…どんなにかわいくても、襲わないようにしないと…考えながら、自分に吹き出す。
あれ?
チャンミンの自転車がとまってる。
飛ばして帰ったんだな…想像するだけでかわいい。
玄関を開ける…
「チャンミン帰ってるの?」
はやく顔が見たい…声をかける。
「チャンミン?あれ??」
おかしい…チャンミンの匂いはするのに、返事がない…キッチンに入って様子をつかむ。
奥の部屋からチャンミンの呼吸する音が聞こえる…
「…どこにいるの、チャンミン…確かに靴もカバンもあるのに…」
…なのに見えないってどういうことだろう。
「ふふふ…」
カーテンのあたりからチャンミンの笑い声が聞こえた。
まさか、隠れてるの?
チャンミンがかわいすぎて…さっき襲わないようにしようと決めた心が揺れる。
「あれ?いないなぁ…チャンミン…せっかくキスしてあげようと思ったのに。」
わざとチャンミンに聞こえるように言う。チャンミンが喜ぶ様子が目に浮かぶ。
「でも…いないみたいだな…また出かけるか…」
ちょっといじわるして、そう言うと…チャンミンの寂しそうなため息が聞こえた。
「……ってのは冗談で…どこいったかな…ここかな?」
ちょっといじわるしすぎたか…言い直して、探しにかかる。
まずは一番遠い押し入れから。
「くっくっく…」
嬉しそうなチャンミンの声。
「………違うかぁ…ここかな?」
楽しくて、かくれんぼごっこを続ける
カーテンに隠れてるのはわかってるから、じっくりじっくり近づいていく。
もう少しでチャンミンのところ…どうやって捕まえようか考えてると…
「…ここだよ!」
すごく楽しそうに、カーテンから飛び出して来た。
「…ブッ(笑)!」
そんなチャンミンがおっかしくて…
「あっはっははっは…自分から出てきた!」
その場に転げまわって笑う。
「…うわぁ!」
転がってたら、チャンミンが飛んできた!…ケガをさせたら大変、しっかりと受けとめる。
ぎゅ~と抱きしめる。
すごく大切…僕のチャンミン。
無謀なことしないで…その髪にくちづける。
「チャンミン…ただいま。」
顔を見せて…
「お帰り…。」
僕を見上げて返事をしてくれる。
じっと見つめると、チャンミンが僕のくちびるを見る。
「……して欲しいの?」
チャンミンの口から、聞いてみたい。
「…うん。」
赤くなって僕を見つめる。
「…何をして欲しい?」
チャンミン、言って…
チャンミンに欲しいって言って欲しい。
「………。」
赤くなったまま、チャンミンが固まる。
「……キスして欲しいの?」
もう、我慢できなくて…チャンミンのくちびるに近づく。
「…うん。」
そう言うと目を閉じて…僕のくちびるを待つチャンミンに重ねる。
つづく
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