#日本を見ていて憂うこと~介護の近未来
1か月程前に、友人のお母様がころんで大腿骨を骨折した。入居していた老人ホームは去年オープンしたばかりの比較的新しい施設。様々な介護度の入居者がいる有料老人ホームで、お母様は要介護2。ひとりで歩くとちょっと不安があるので歩行器を使うかどうか検討していたらしい。あれこれと自分からは言わない控えめなお母様なので、食事の世話や着替えなど最低限配慮してほしいことについては娘である友人が施設スタッフ・ケアマネさんにお願いしていたが、何度お願いしてもなかなかやってもらえないとこぼしていた。それどころか、スタッフがどんどんやめていたらしい。入居者は増えてほぼ満室に近い状態だが、世話をするスタッフは減る一方という最悪の状態。しかも派遣のスタッフが多くて、スタッフ間の連絡が悪く、情報が共有されていないと友人がこぼしていた。そんな矢先、事故が起こった。居室の掃除をするというので、お母様は部屋を出て共有スペースに行こうとしていたらしい。そのとき椅子に座ろうとして座り損ねてころんだらしい。動けなくなったお母様を見つけてくれたのは同じフロアの入居者の方。別の階までスタッフを呼びにいってくれたらしい。90歳を超えた老人にとって、本当に取返しのつかない事故が起きてしまった。お母様は整形外科で無事手術を済ませたが、食欲がなくずいぶん衰弱しているとのこと。そのうえ病院は面会制限が厳しいため、家族はそばについていることもできない。事故を起こした施設側の誠意のない対応にも気持ちが落ち込むばかりだという。老人の数はどんどん増えていく。介護スタッフの不足はこれからもっともっとひどくなるのだと思う。この先のことを考えると不安しかない。わたしたちは何を準備しておけばよいのか。