松本清張ドラマスペシャル 顔(再放送)|ノスタルジックな大写し
| 2011年3月25日 13:30 (初回)2009年12月29日21:00-22:13 NHK 脚本:中園健司 演出:伊勢田雅也 音楽:佐橋俊彦 撮影技術:川村尚孝 技術:川崎和彦 編集:阿部格 照明:寺田博 音声:浜川健治 映像技術:牧野雅哉 美術:深尾高行 制作:NHK 番組公式ウェブサイト * cast 谷原章介(井野良吉) 原田夏希(山田ミヤ子・葉山瞳) 高橋和也(石岡貞三郎) 大地康雄(田村刑事) 中本賢(杉本) 塩野谷正幸(石井監督) 瀬川亮(中江刑事) 押元奈緒子(石岡美智子) 美保純(女給) |

昭和31年。売れない劇団俳優・井野良吉は映画に端役で出演、その独特の風貌が注目され、看板女優・葉山瞳が主演する大作の相手役に抜擢され、一躍スターへの道を歩み始める。しかし井野には「顔」が売れるのを恐れる理由があった。9年前、井野は恋仲だった山田ミヤ子という女を殺した。殺害現場へ向かう列車の中で、ミヤ子と一緒にいる所をミヤ子の知人・石岡に目撃されていたのだ。もし石岡が映画で自分の「顔」を見たら、ひた隠しにしてきた過去の殺人が暴かれてしまう。名声をつかみ取りたいという欲望と、破滅への恐怖の狭間でゆれる井野の心に、いつしか一つのシナリオが芽生えていく――。
ドロップの缶が宝箱のように見える云々はドラマオリジナルだろうが、
むかし読んだ原作は、筋を忘れてしまった。
顔を見られてしまった谷原章介は、
石岡貞三郎を殺すために京都で待ち合わせるのだが、
約束の時間を前に、昼食に立ち寄った芋棒煮の店で
偶然隣り合わせてしまい、肝を冷やす。
しかし石岡が気づかないために安堵し、約束の場所には現れず、
そのまま東京に戻ってしまう。
この待ちぼうけを食わせたことに大地康雄が怪しさを感じ、
芋棒煮の店で隣り合った男の正体を突き止める話かと思ってしまったが、
それでは75分におさまりきるまい。
清張の原作は短編であり、シンプルなのであって、
映画で成功しつつある劇団俳優が、顔が売れることを恐れている、
という設定の妙がこの短編の魅力である。
昭和31年当時、映画がいかに大衆的な娯楽だったかということがわからないと、
谷原の恐怖は実感できないかもしれない。
(もちろん、わたしだって知らないわけだが)
谷原はもちろん、原田夏希や石岡、大地など、全体的に役者の顔が大写しになるのが、
ノスタルジックな効果を生んでいる。
テレビとは不用意に醜いクローズアップを映してしまいがちなメディアだが、
(ワイドショーなどでは今でもクローズアップだらけである)
ドラマというジャンルではあまりそういうことがないようだ。
きっと俳優がいやがるのだろう。
谷原の演技はとてもよかった、
最後の取調室のくだりは、あの演技がなくては成立しないものである。
芋棒というのは海老芋(京野菜ね)と棒鱈の炊き合わせだそうで、
小倉の田舎刑事が食べたがるようなものではないような気がする。
そのへんのおかしさも、きっとあるのだろう。

2011年春ドラマ ラインナップ☆彡
例によって、これで録画予約とかしないでね!
※3/23 水曜21:00「遺留捜査」、火曜深夜「マッスルガール!」を追加
※3/22 木曜深夜「失恋保険~告らせ屋」を追加
※3/23 水曜21:00「遺留捜査」、火曜深夜「マッスルガール!」を追加
※3/22 木曜深夜「失恋保険~告らせ屋」を追加