
英語コーチ、英日翻訳者の門田直樹です。
この本を読了しました。
著者の中川浩一さんは24歳からアラビア語を勉強して4年8か月で総理のアラビア語通訳を務められた方です。
この本で一番印象的だったのはネイティブ脳より日本語脳が大事だという主張です。
最近では英語脳という言葉をよく聞きますよね。
英語を話す時は英語で考えた方が良いという考えです。
私自身もこの考え方には疑問を持っています。
日本語を捨てて、わざわざ英語だけで考えることにメリットがあるとは思えません。
中川さんもこの本の中で、「日本語からアラビア語への置き換え、日本語脳の強化の訓練を徹底的にやりました」と書かれています。
15カ国語以上に堪能な国際言語学者の溝江達英先生も英語脳なんか必要ない、日本語を軸に多言語を学ぶのが大人には一番よいとおっしゃっておられます。
そうしないと英語脳を身につけるのに10年、フランス語脳を身につけるのに10年かかるから、多言語習得なんて一生の内に絶対にできないとのこと。
中川さんはインプットよりアウトプットを意識して学習するようにおっしゃっています。
まあこれは良く言われることですね。
アウトプットのやり方については色々な方法が紹介されていましたが、通訳学校で行われているメソッドが多い印象。
この本は上級者だけでなく、これから英語を学ぼうという人にも参考になると思いますので是非手に取ってみて下さい。
御意見、感想、大歓迎です。
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