英語講師、通訳、翻訳者の門田直樹です。
「毎日英語を聴いているのに、全然聞き取れるようにならない……」
そう感じている方は多いのではないでしょうか?
実は、ただ英語を聴き流しているだけでは、リスニングはほとんど上達しません。
今回の記事では、リスニング力を上げるために本当に必要なことについてお話しします。
1.音の変化を知らないと聞き取れない
リスニングが難しい最大の理由の一つは、自然な英語では音が大きく変化するからです。
学校で習う発音と、ネイティブが実際に話す発音は、かなり違います。
たとえば、こんな変化が起きます。
連結(リンキング):want to→ 「ワントゥ」ではなく「ワナ」に近くなる
脱落(エリジョン):good boy → 「グッド」の /d/ がほぼ消える
弱形(ウィーキング):canが強調されていないと「クン」に聞こえる
同化(アシミレーション):did you` → 「ディジュ」のように変化する
これらを知らずに聴き続けても、耳が追いつきません。
「知っている単語のはずなのに聞き取れない」という経験、ありませんか?
それはほとんどの場合、単語を知らないのではなく、音が変化した形を知らないことが原因です。
2.自分で発音できると聞き取りやすくなる
「発音の練習はスピーキングのためだけじゃないの?」
そう思われる方も多いですが、発音の練習はリスニングにも非常に有効です。
自分で実際に口に出せる音は、耳でも捉えやすくなります。
ただし、「発音さえ練習すれば必ず聞き取れる」というわけでもありません。
あくまでリスニング改善の重要な一要素として捉えて下さい。
3.英音法と英語のハノン
音の変化を体系的に学ぶ方法として、私がおすすめしているのが英語のハノンです。
英語のハノンはスピーキングの練習のための本ですが、このテキストの unit 0 の「英音法」の解説が秀逸です。
これほどシンプルに英音法について解説された本は他にありません。
英音法とは、日本人が苦手とする英語の発音・音変化を、論理的なルールとして整理したアプローチです。
「なぜこう聞こえるのか」「なぜこう発音するのか」が丁寧に説明されており、ここを一度読んでおくだけでも、リスニングの聞こえ方がかなり変わります。
4.今日から試せる実践ポイント
① まず音の変化のルールを把握する
英語のハノン unit 0 や、発音関連の解説書で、代表的な音変化(連結・脱落・弱形・同化)をひと通り頭に入れましょう。知識として知っているだけで、耳がぐっと敏感になります。
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② 音読(発音の変化を意識して行う)
ただ聴き流すのではなく、スクリプトを確認しながら音読をしましょう。
「どこで音が変化しているか」を確認しながら音読するのがポイントです。
スクリプトなしで聴き流すだけでは、同じ音を「聞き間違えたまま」になってしまいます。
③ 発音の練習をしてみる
「この音変化を自分でも出せるか?」と意識しながら、実際に口に出してみて下さい。
完璧に真似できなくても構いません。出そうとする過程で、耳が音変化に慣れてきます。
こちらの動画では音の変化について詳しく説明されていますので、ご覧下さい。
5.まとめ
- ただ聴き流すだけでは、リスニングはほぼ上達しない
- 音の変化(連結・脱落・弱形・同化)を知ることが出発点
- 自分で発音できるようになると聞き取りやすくなる(絶対ではないが有効)
- 英語のハノン unit 0「英音法」は一読の価値あり
- 意識的な音読+発音練習の組み合わせが効果的
リスニングは「聴けば聴くほど上手くなる」とよく言われますが、それは正しいインプット・意識的な練習が伴ってこそです。
音の変化を知ることから始めてみて下さい。
必ずしも一気に解決するわけではありませんが、「聞こえなかった理由」が分かるだけで、練習の質がぐっと上がる気がします。
参考になれば嬉しいです。
一緒に英語学習を頑張りましょう!
ご意見、感想大歓迎です。

