英語講師、通訳、翻訳者の門田直樹です。
「英語は英語で理解しなさい」という言葉を聞いたことがある方は多いと思います。
私もこの言葉自体は間違っていないと思うのですが、考え方をを間違えると、学習の方向性を大きく歪めてしまうと感じています。
今回は「英語を英語で理解する」とはどういうことか、そしてなぜ「日本語を排除すれば英語で理解できる」という発想が危険なのかを整理してみます。
「英語で理解する」とはどういうことか?
英語ができる人の処理の流れは、こうなっています。
英語 → 事柄(意味・状況のイメージ) → 必要なら日本語へ
英語を読んだり聞いたりした瞬間に、言葉が直接、具体的なイメージや状況として頭に浮かびます。
そして必要であれば、日本語に訳すこともできる。
「英語で理解する」とは、この英語→事柄のルートが太くなっている状態のことです。
初学者がはまりやすい流れ
英語の学習を始めたばかりの頃は、どうしても次のような流れになりがちです。
英語 → 日本語 → 事柄(意味・状況のイメージ)
英語を見たら、まず日本語に訳して、それから意味を理解する。
これ自体は決して悪いことではありません。
むしろ、最初はこのルートを通ることで、英語と意味を繋げていくことが必要です。
問題は、いつまでもこのルートから抜け出せないことではなく、「日本語を介する=英語ができていない」という思い込みを持ってしまうことです。
手段と目的を取り違えないことが大切
「英語を英語で理解できるようになりたい」という目標は間違っていません。
しかし、「だから日本語を禁止しよう」「和訳は使わないようにしよう」というアプローチは、手段と目的を取り違えていると言わざるを得ません。
英語→事柄 のルートが太くなるのは、英語力がついた結果です。
日本語を排除したからといって、英語で理解できるようになるわけではありません。
逆説的に言えば、英語力が上がれば、日本語を経由しなくても事柄が理解できるようになります。
そうなれば結果的に自然と英語→事柄のルートが優位になるのです。
英語の語順で理解できるようになるための3つのトレーニング
では、英語→事柄 のルートをどう鍛えるか。
私が実践して効果を感じているのは、次の3つです。
👉 音読
音読は、英語を英語の語順で処理する習慣を作るのに非常に有効です。
文字を目で追いながら声に出すことで、英語の語順のまま意味を理解するトレーニングになります。
最初はゆっくりで構いません。
意味を確認しながら、少しずつ読むスピードを上げていきましょう
👉 スラッシュリーディング
英文にスラッシュ(/)を入れて、前から意味のまとまりごとに読んでいく方法です。
たとえば `I was surprised / to hear the news / about the accident.` のように区切り、左から右へ意味を理解していきます。
後ろから訳し上げる癖がある方には、特にお勧めの練習です。
👉 リスニング
リスニングは究極の「前から理解する」練習です。
音声は巻き戻せない(正確には戻すと手間がかかる)ので、前から理解するしかありません。
英語→事柄 のルートを鍛える観点からも、リスニングに取り組むことは非常に有効です。
聞く素材は何でもかまいません。
最初は話すスピードがあまり速くない音声から始めてみて下さい。
まとめ
+初学者は 英語→日本語→事柄になりがちだが、それ自体は自然なプロセス
+「日本語を排除する=英語で理解できる」は手段と目的の取り違え
+英語の語順で理解する力は、音読・スラッシュリーディング・リスニングで育てられる
まず最初は音読を1日5分から始めることをお勧めします。
すぐに効果が感じられないかもしれませんが、まずは3ヶ月を目安に音読に取り組んでみて下さい。
一緒に英語学習を頑張りましょう!!
ご意見、感想大歓迎です。
